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by hinaseno
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2017年 10月 10日 ( 1 )



ロイ・オービソンに関して大瀧さんがちょっと興味深い発言をしているのに気がついたので、その話から。

大瀧さんは「ゴー!ゴー!ナイアガラ」の第18回目の放送でロイ・オービソンを特集しています。放送されたのは1975年10月14日。

18回目とはいっても単独のアーティストの特集としては大瀧さんの最大のアイドルであるエルヴィスの次に取り上げたのがロイ・オービソン。大瀧さんにとっていかにロイ・オービソンというアーティストが重要な存在かがわかります。ただ、この日ロイ・オービソンを特集した理由は、この放送のちょっと前にロイ・オービソンを聞いて「どうしても今、ロイ・オービソンを聞きたいなと思った」からとのこと。

この日の放送の最後にこんなことを言っています。


今週の「ゴー!ゴー!ナイアガラ」、特集はロイ・オービソンでした。いかがでしたでしょうか。このへんで彼も再認識されるといいのですが。

ちなみに日本でロイ・オービソンが初めて認識されるきっかけを作ったのはだれあろう朝妻一郎さんだったのですが、この放送がされたときは日本はいうまでもなく海外でもロイ・オービソンは忘れられた存在になっていました

でも、その6年後、『ロング・バケイション』を発売して間もない時期に発売された『サウンド・レコパル』という雑誌の1981年6月号に掲載された「大滝詠一 私の100枚」にはちょっと面白いコメントが載っています。

「大滝詠一 私の100枚」についてはこの日のブログでも紹介していますが、大瀧さんは「私の100枚」の37枚目にロイ・オービソンの『LONELY AND BLUE』というアルバムを挙げて、こんなコメントをしていました。


いつになっても再評価される人。

そう、この6年ほどの間にロイ・オービソンは何度か再評価されることになったんですね。

まずは1977年にリンダ・ロンシュタットがロイ・オービソンの「Blue Bayou」をカバーして大ヒット(全米3位)させています。そしてその2年後の1979年にJ.D. サウザーの「You're Only Lonely」がポップチャートの第7位、アダルト・コンテンポラリー・チャートで第1位を記録する大ヒット。下敷きにしたのはロイ・オービソンの「Only The Lonely」。


ということなので大瀧さんがJ.D. サウザーの「You're Only Lonely」に激しく反応したのは、それが大ヒットしていたからということではなく、そこに至る長い前史があったんですね。

前史といえば、大瀧さんがはっぴいえんどというグループをやっていたときに、そのお手本としていたグループがバッファロー・スプリングフィールドでしたが、そのグループのメンバーの中で大瀧さんが最も好きだったのがリッチー・フューレイという人でした。そのリッチー・フューレイがバッファローを解散した後に作ったグループがポコ。さらにそのグループを脱退して作ったのがサウザー・ヒルマン・フューレイ・バンドでした。このバンド名のサウザーこそがJ.D. サウザー。大瀧さんとしてはおそらくリッチー・フューレイの流れでJ.D. サウザーの名前は知っていたはず。


さて、『音楽専科』1980年3月号では長い前書きのあとにいよいよJ.D. サウザー、そしてロイ・オービソンの話が出てきます。


 この2月来日するJ.D. サウザー。アメリカのみならず日本でも大ヒットしましたね「ユー・アー・オンリー・ロンリー(You're Only Lonely)」。この曲が好きな人にはゼヒゼヒ聞いてもらいたい人がいるのジャ。その人の名はロイ・オービソン(数寄屋橋でも売っている)。彼の「オンリー・ザ・ロンリー(Only The Lonely)」「アイム・ハーティン(I'm Hurting)」「ブルー・エンジェル(Blue Angel)」「夢の中で(In Dreams)」「カム・バック・トゥ・ミー(Come Back To Me)」で聞かれるサウンドを始めて聞く人はタメゴローに違いナイ! 曲調がソックリ・ソノラマなのだ。
 ここで注意しておきたいのは〈盗作ウンヌン〉という下世話でアリキタリで知識の乏しい人がよくいうそれではないということです。つまり、タイムマシン的聞き方の最大特徴は、何をどう取り上げたかではなく、うまく取り上げてイルカ、に注目することなんです。過去の名曲を、あるいはオリジナルを、一番新しいアレンジがなされていても、うまく表現されていなければ ペケデアルということです。
 J.Dはオービソン・スタイルを、かなり聞き込んだのか(少年時代のアイドルだったのでしょう)、血肉化しています。後半ファルセットで歌い上げるところなど、オービソンの特徴を余すことろなく取り入れているんデスナ、コレガ。

「数寄屋橋でも売っている」と書いていますが、これはBREEZEの磯貝さんもよく行っていると言っていた中古レコード店ハンターのことでしょうか。

それはさておき、J.D. サウザーの「You're Only Lonely」のポイントは大瀧さんが最も好きな曲調を使っていたということ。この日のブログで紹介した例の”チンチキランカンチンキンチャンチャン”ですね。


ちなみにロイ・オービソンは80年代以降も、いろんな形で何度も何度も再評価され続けています。


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by hinaseno | 2017-10-10 12:25 | ナイアガラ | Comments(0)