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by hinaseno
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2017年 10月 07日 ( 1 )



『音楽専科』という雑誌の1980年2月号から連載を始めた大瀧さんが翌月の3月号に寄稿したのが、このJ.D.サウザーを取り上げた文章でした。

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この号から大瀧さんのエッセイは「大滝詠一の”ナイアガラ・タイムマシーン・ミュージック”」というタイトルがつけられて、5回続くことになります。取り上げたアーティストは順にJ.D.サウザー、フィル・スペクター、ローリング・ストーンズ、ビーチ・ボーイズ、そしてキャロル・キング。ローリング・ストーンズ以外は『ロング・バケイション』というアルバムの重要な鍵になっているアーティストばかり。

さて、その第1回目。J.D.サウザーの話に入る前に、ちょっと長い前書き。こんな言葉から始まります。


25年前の歌が過去のものであるのと同じように、今年の1月に出た歌もまた〈過去〉に属しています。昔の歌をただ古いからという理由だけで、興味の対象にしないという時代はもう終りました。と同時に、ナツメロ、オールディーズというレッテルを貼ってただ懐しの涙を流す、という時代も終り、80年代は時間軸を自由に操作した《タイムマシン・ミュージック》の時代なのだよ。

で、このあと「ちょうど25年前にロックン・ロールが生まれました」との言葉。1980年の25年前といえば1955年のこと。

ちなみにタイム・マシンに乗ってまさにロックン・ロールが生まれた1955年に行く映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が公開されるのはこの5年後の1985年のこと。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』といえば『キネマ旬報』1985年12月上旬号に掲載された小林信彦さんとの対談はまさにその『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に関する話(『映画につれてって 小林信彦対談集』1987年に収録)でしたね。こんな会話が出てきます。


小林:『バック・トゥ・ザ・フューチャー』にしても、1955年に戻ると言う時代設定が、とにかく素晴らしい。「ロック・アラウンド・ザ・クロック」の年だと、その時代に生きていた人は、すぐに思いますからね。
大瀧:そうですね。だから、ひょっとすると、キリがいいところで、85年になるまで製作を待っていたんじゃないですか、30年前に戻るために。
小林:スクリプトを書き下ろしたのが80年ですから、5年前ですね。その時は、25年前に戻るという話だったのかもしれない(笑)。

というわけで、タイムマシンを使ってロックンロールが生まれた1955年という年に戻る『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の脚本が書かれた年に、大瀧さんが『音楽専科』という雑誌に「ナイアガラ・タイムマシーン・ミュージック」という連載を始めているのは偶然というにはできすぎていますね。


さて、その「ナイアガラ・タイムマシーン・ミュージック」で最初に取り上げたのが、その前年に「ユア・オンリー・ロンリー」という曲を大ヒットさせたJ.D.サウザー。そしてタイムマシンでさかのぼるのは1960年。登場するのはロイ・オービソン。


ところで、8月に放送された朝妻一郎さんの『ポピュラーミュージックヒストリー~発展の歴史と舞台』の第1回目の3曲目にかかったのはスティーブン・フォスターの名曲「Beautiful Dreamer(夢見る人)」。1862年に生まれたこの曲は数多くのアーティストによって演奏されて、歌われてきましたが、その数ある演奏の中から朝妻さんが番組でかけたのは、まさにそのロイ・オービソンが歌ったこのバージョンでした。ロイ・オービソンが「Beautiful Dreamer」を録音したのは曲が生まれてほぼ100年後のこと。




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by hinaseno | 2017-10-07 12:57 | ナイアガラ | Comments(0)