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by hinaseno
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Blame it all on The Surfer Moon(すべてはサーファー・ムーンのせい)5/3or4


このブログを読まれている人で、コアなビーチ・ボーイズ・ファンがどれだけいるかわからないけど、この『The Big Beat 1963』という未発表作品集のことを知っている人がどれだけいるでしょうか。

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リリースされたのは4年前の2013年。リリース元はCapital Recordsなのですべて公式な音源。ただしCDの形ではなくてiTunesでの配信。しかも北米のみ。日本じゃ買えないんですね。泣きました。

発売されたのを知ってからずっと日本で帰るのを待っていたんですが、一向にそうならない。いろいろとネットで調べたら日本でも買う方法があるとわかったものの、かなり面倒くさい手続きを踏まなくてはならいようだったので二の足を踏んでいましたが、先日ようやくゲット。もちろん不正な形ではありません。


収録されている曲は全てブライアン・ウィルソンがらみの曲ばかり。ボブ・ノーバーグが関わった曲もいくつも含まれています。Bob & Sheri名義の曲も2曲。「The Big Beat」と「Ride Away」という曲。いずれも初めて聴きました。


このアルバムでいちばんのお目当てはこの「Summer Moon」という曲でした。この音源の状態はかなり悪いです。




歌っているのはボブ・ノーバーグとVickie Kocherという女性。Vickie Kocherという人はVictoria Haleという名前で女優もしているようで映像には彼女が出演したドラマのシーンも取り入れられていますね。Victoria Haleさんは昔から大変美しい人だったようで、ブライアンたちと出会った頃にもミス・ロサンゼルスとかいろんなミスに選ばれていたようです。

ちなみにこのビデオをアップしているのはVictoria Haleさん本人。時々読んでいる佐野邦彦さんの運営されているWebVandaにもこの音源のことが紹介されていました。

で、この音源が公式な形で『The Big Beat 1963』に収録されたんですね。ただし音はYouTubeでアップされたのと全く同じもの。マスターはないみたいですね。

さて、このBob & Vickieによる「Summer Moon」、聴いてびっくりなのはオケがビーチ・ボーイズの「The Surfer Moon」と全く同じなんですね。でも録音されたのはこちらが先。

ブライアンたちと知り合ったVickieは、ある日ブライアンとボブ・ノーバーグの住んでいたアパートに行きます。当時Vickieは18歳。そこでブライアンとボブ・ノーバーグはいくつか曲を演奏します。そのときVickieがいちばん気に入ったのがBob & Sheriのために作った「The Surfer Moon」。Vickieがそれを録音したいと言った時、ブライアンとボブ・ノーバーグは顔を見合わせてにっこりだったようです。ブライアンは男女のデュオをプロデュースすることにずっと関心を持ち続けていて、しかも「The Surfer Moon」はまさにそのために作っていた曲だったので渡りに船だったみたいですね。すぐに録音することに決めます。ただ、そこでVickieからひとつ提案が。私はサーファーじゃないからタイトルをサーファーからサマーに変えて欲しいと。

ということでタイトルだけでなく、歌詞の一部も変えて「Summer Moon」が録音されます。録音されたのは1963年5月9日。場所はハリウッドのユナイテッド・レコーダーズ。ミュージシャンはギターがボブ・ノーバーグ、ピアノがブライアンの他は例のレッキング・クルー。ドラムはハル・ブレイン、ギターはグレン・キャンベル、ベースはレイ・ポールマン。悪かろうはずがありません。

でも、結局Vickieとボブ・ノーバーグが歌ったものはボツになります。ボブ・ノーバーグはいうまでもなくVickieの歌もあまり魅力的とは言えないので(ブライアンのお父さんのマレーもVickieに「初めて恋をした女の子のように歌うんだよ」とかいろいろと歌唱指導したようですが)、仕方がないでしょうね。声の魅力はBob & SheriSheriの方がはるかにありますね。

ちなみにブライアンはVickie & Bobのために別の曲も用意していたようで、それがのちに『Good Vibrations Box』に収録された「Little Surfer Girl」だったとのこと。へえ~、ですね。

個人的にはVickieよりもSheriに歌われていたらよかったなと。


The Surfer Moon」は結局、ブライアンのダブル・ボーカルという形でアルバム『Surfer Girl』に収録されます。曲を好きだったということもあるとは思いますが、その頃、ビーチ・ボーイズは立て続けにアルバムを発表しなければならなかったので、数合わせに収録した可能性が高そうです。

さて、大瀧さんは果たしてBob & Sheriの「The Surfer Moon」を聴いていただろうかということですが、僕はおそらく聴いていたに違いないと思っています。それを聴いて曲の魅力を発見したんじゃないかと。

でも、多羅尾伴内楽團でカバーする時にはやはりビーチ・ボーイズのオケを参考にしたんですね。


これは『Becoming The Beach Boys 1961-1963』に載っていた若き日のVickie。個人的にはSheriがどんな顔をしていたのか気になります。

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by hinaseno | 2017-04-25 13:07 | ナイアガラ | Comments(0)