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by hinaseno
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Blame it all on The Surfer Moon(すべてはサーファー・ムーンのせい)3/3or4


Bob & Sheriの「The Surfer Moon」? 何、それ。 

と思ったんですが、調べたら僕のパソコンのiTunesの中に入っていました。M&M(知る人ぞ知る、ですね)という日本のレーベルから1993年に出た『Still I Dream of You: Rare Works of Brian Wilson』というCDに収録されたもの。オリジナル・マスターからではなく制作者の手持ちのレコードから録音したいわゆる板起こしなので音はめちゃくちゃ悪いです。

ただしブックレットは素晴らしくてビーチ・ボーイズ研究の第一人者である佐野邦彦さんによる解説も充実。Bob & Sheriの「The Surfer Moon」についても詳しい説明があります。それから一応、割と最近出版された初期のビーチ・ボーイズに関する研究書『Becoming The Beach Boys 1961-1963』も読んで、Bob & Sheriが「The Surfer Moon」を歌ったいきさつを確認しました。

Blame it all on The Surfer Moon(すべてはサーファー・ムーンのせい)3/3or4_a0285828_13182766.jpg

Bob & SheriのBobとはBob Norberg(ボブ・ノーバーグ)のこと。ボブ・ノーバーグは僕の最愛の曲の一つである「Your Summer Dream」の共作者ですね。SheriはボブのガールフレンドのCheryl Pomeroy(シェリル・ポメロイ)。ブライアンはビーチ・ボーイズとしての活動を始めた頃に、すでにBob & Sheriとして活動していた彼らと親しくなったようです。ブライアンは2人の関係をすごくうらやましがっていたとのこと。ブライアンはそんな彼らのために曲を作り始めます。それが「The Surfer Moon」。

その「The Surfer Moon」を作っていた頃、ボブはブライアンに家を出て一緒に暮らすように提案します。ブライアンが父親との関係に悩ませられていたのを知っていたんですね。ブライアンは喜んで了解。2人はいろいろと共作を開始。「The Surfer Moon」も完成してブライアンのプロデュースで録音。1962年10月に発売されます。

これがそのレコードのレーベルの画像。ネットから拝借しました。

Blame it all on The Surfer Moon(すべてはサーファー・ムーンのせい)3/3or4_a0285828_13184666.png

「Produced by Brian Wilson」と記された最初のレコードだそうです。きっとうれしかったでしょうね。ちなみにSAFARIというのはブライアンの父親マレーがつくったレーベルのようで、その下に記されている住所はマレーの事務所の住所とのこと。父親から距離を置こうとしていたブライアンですが頼るときには頼っていたんですね。

ところでこのBob & Sheriの「The Surfer Moon」のレコードですが、これが超レア・アイテム。『Still I Dream of You: Rare Works of Brian Wilson』の佐野さんの解説によるとこのオリジナル・シングルは世界でたった6枚しかないとか。ネットでチェックしたら日本円で30万から40万を超える値がついていました。でも、佐野さんも含めて日本人の何人かは持っているみたいですね。

一つ気になるのは大瀧さんがそれを持っていたかということ。持っていたら「ゴー!ゴー!ナイアガラ」でかけていたはず、と思いながらレア盤を誇る人ではないのでどうだったんでしょうか。でも、1978年に『多羅尾伴内楽團 Vol.2』を出すときにはオリジナルがBob & Sheriだと知っていたというのがすごいですね。ビーチ・ボーイズ・フリークである達郎さんから聞いたのかもしれないけど。


by hinaseno | 2017-04-22 13:20 | ナイアガラ | Comments(0)