いやあ、寒いですね。今朝起きたら室温は4度。部屋に温度計を置いてから最低を記録しました。外はマイナス4度だったようです。僕の肩の上にある(はずだと思っている)「やさしさ」もぶるぶるとふるえていました。
これでは肩に上にある(はずだと思っている)「やさしさ」が凍りついてしまいそうな気がしたので久しぶりにマフラーを買いに近くのスーパーに行きました。
で、紳士服売り場をぶらぶらと歩いていたら、くまくまちゃんカラーのミニマフラーと目があって即買い。ちなみにブランドはゴールデンベア。
ほくほくした気持ちで家に戻っていざ巻こうとしたら巻き方がわからず悪戦苦闘。仕方がないのでネットで調べたら片側に穴が空いていてそこを通すことがわかりました。ということでくまくまちゃんみたいなかわいい格好でこのブログを書いています(ちなみに部屋にエアコンは付けていません。音楽のジャマなので)。
ところで例の資料、昨日の午後ようやく届きました。いやあ、すごいですね。とりあえずまず最初に分析作業を数時間。予想以上に難航。ある程度結論付けたものの、確信までは至らず昨日は終わり。今朝目が覚めて、寒いけど水色の光が差し込む中、ふと、ある対談が載っている本のことを思い出して確認。なんと、そこにはっきりと書かれていました。
ということで新年早々、うれしい発見になりました。情報をくれた方、本当にありがとうございました。
それにしても、元日の朝、天気が良くて、たまたま流れてきたフレーズから、数年来置き去りにしていたままの謎がこんなふうに解決しようとは思いもよりませんでした。
と書いてもなんのこっちゃ、ですね。
ある情報をいただいてすぐに注文したのは『定本はっぴいえんど』(1986年)。はっぴいえんど研究には必読の書と言われていますが、持っていなかったんですね。そこに掲載されていたのがこの写真。
破りとられた紙に書かれているのは「外はいい天気だよ」の手書きの歌詞。隣のページの下には「「外はいい天気だよ」歌詞のメモ 於ロスレコーディング」というコメントがあります。
一番下の大きく×が付けられた箇所も気になりますが、まずは筆跡鑑定から。松本隆さんの字なのか、それとも大瀧さんの字なのか。
松本さんの字は個性的なので見ればすぐにわかるだろうと思っていたんですが、思った以上に難航してしまいました。
上に貼った写真には隣のページに掲載された「はいからはくち」の歌詞メモも入れたんですが、その歌詞を書いているのはもちろん松本さん。松本さんは『風街ろまん』や太田裕美さんの『手作りの画集』の歌詞カードを書いているんですが、誰が見ても松本さんの字ってわかるような字なんですね。
ただしそれは清書した段階でのもの。「外はいい天気だよ」歌詞のメモは清書ではなく、たぶん急いで走り書きされたものなので、よく見慣れた松本さんの字とは感じが違うんですね。で、確認のために大瀧さんの字をいろいろと調べてみたんですが、大瀧さんの字だという判断も、大瀧さんの字ではないという判断もできない。う~ん、困ったな、なにか特徴的な文字はないかと逐一調べて、ようやくひとつ見つけました。
それは「か」。
松本さんの書く「か」はいつも必ず右の点が下の方に打たれ、しかも左側の部分にくっつくように書かれているんですね。それに対して大瀧さんは右上に離れて打っています(普通の人はそう書きます)。というわけで「外はいい天気だよ」歌詞メモは、×が付けられた部分も含めてまず松本さんが書いたもので間違いないという結論に至ったので昨夜は眠りにつきました。
今朝目が覚めて、できればもう少し確証のようなものがあればと考えていたとき、ふと、そういえば『風街茶房』に載っている大瀧さんと松本さんの対談で、確か歌詞のメモに関する話があったことを思い出しました。
で調べてみたらなんと! はっぴいえんどのメンバーの記憶はいい加減なものが多いという話からです。ちなみに対談が行われたのは2000年2月21日。
大瀧:覚え悪いんだよ、みんな。全然ダメ(笑)。
松本:誰も信用できない(笑)。
大瀧:俺の話を聞いていれば間違いないよ。手帳つけているからね。『定本はっぴいえんど』に書いているはっぴいえんどのスケジュールなんて、全部おれの手帳を写したんだから(笑)。あと、今日持ってくれば良かったんだけど、松本の手書きの詞も全部残ってるんだよ。「はいからはくち」、「乱れ髪」、「外はいい天気」……みんなあるんだよ。銀行のメモ用紙とかその辺のノートに書いたやつ(笑)。それ全部集めてまとめたんだけど、まとめるとモノって目の前から消えるもんだね。
ということで、『定本はっぴいえんど』に載っていた「外はいい天気だよ」は、大瀧さんが松本さんから渡された松本さん手書きの詞であることはまちがいがなさそうです。
これが確かめられたということで、いよいよ詞の分析ということになります。ポイントはもちろん×が付けられた最後の3行ですね。そこには『風のくわるてつと』にはなかった言葉が書かれています。
そして問題の最後の「2行」に書かれていたのはこの言葉でした。
きみの肩のうえで
やさしさが小さくふるえている
ホームズ張りの名検証。
依頼人の私も嬉しい限りです。
ラジオデイズみたいにいつか正規盤でCD化して欲しいですね。
本、レコード、CD、ラジオ音源とほとんどお持ちとはすごい。
僕は新春放談すらコンプリートではありません。
FUSSA59さんは、とあるサイトでいろんな音源を無償で提供されている方ですね。
何度かこっそりと聞かせていただきました。
この場を借りてお礼申し上げます。