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by hinaseno
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神戸のはずれの小さな海街で珈琲を飲む日のこと(その5)ー 腕の透き間に小鳥が見えて、ノートの透き間に朝が見えて ー


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塩屋に行く日の少し前に『太田裕美白書』を読み、塩屋に行く電車の中で太田裕美さんの曲を聴きながら『風街茶房 松本隆対談集』の太田裕美さんと松本さんの対談を読んでいたために、僕の中では塩屋と太田裕美さんが完全に結びついた形になってしまいました。

とりわけ塩屋とぴったりと重なったのがこの「海が泣いている」という曲でした。




全部で30曲入りの太田裕美さんのプレイリスト(全て作詞は松本隆さん)の25曲目の曲だったので、曲が流れてきたのは明石で普通電車に乗り換えてちょうど舞子海岸が見えてきた頃だったように思います。で、あまりにも素晴らしくてそれからはずっとこの曲をリピートし続けました。残りの5曲は聴かないまま。ちなみに残りの5曲は吉田拓郎作曲の「失恋魔術師」と大瀧さん作曲の「さらばシベリア鉄道」「恋のハーフ・ムーン」「ブルー・ベイビー・ブルー」、そして「かくれんぼ」。


「海が泣いている」は同名のタイトルのアルバム『海が泣いている』のB面1曲目に収録された曲。LPで持っているのですが、正直今まであまり聴いていませんでした。

『太田裕美白書』を読んでいたとき、松本隆さんのインタビューや太田裕美さんの話の中でこの曲のことが何度か語られていてちょっと気になったので久しぶりにLPに針を下ろしました。聴き覚えはあったもののこれまでほとんど意識して聴いたことはなかったので、再認識どころか初めて出会ったような新鮮な驚きがありました。ということでiTunes Storeでこの曲をダウンロード。


ところでこの「海が泣いている」について、余白珈琲の彼とのちょっとした縁がありました。彼とはいくつもの縁があって、双方に気づいている縁もあれば、僕の側だけが気づいている縁もあって、そんな話の一つ。

数日前、僕がこのブログに太田裕美さんのことを書いたことに反応してか、彼のInstagramにこんなコメントが載ったんですね。


「振り向けばイエスタディ」を聴きながら、コーヒーを飲む。

「振り向けばイエスタディ」は太田裕美さんの曲。でも、彼は「太田裕美さんの」という言葉を入れずに曲のタイトルだけを書いたんですね。ちなみに僕はこれまでブログであれ何であれ「振り向けばイエスタディ」という曲について触れたことはありません。でも、まさに「振り向けばイエスタディ」という曲のことを意識した日に彼はこんなコメントを書いたんですね。


僕が「海が泣いている」という曲に興味をもって、iTunes Storeでダウンロードしたとき、実は同じアルバムに収録された「振り向けばイエスタディ」もダウンロードしようかと少し悩みました。でも、結局しなかった。

「振り向けばイエスタディ」と「海が泣いている」という2曲は太田裕美さんの『海が泣いている』というアルバムに収録されているんですが、実はこの2曲、シングルのA面とB面の曲だったんですね。A面が「振り向けばイエスタディ」で、B面が「海が泣いている」。そしてこのシングルは作詞松本隆、作曲筒美京平、歌太田裕美というゴールデンコンビの最後の作品でした。

僕はこのシングルは買ってはいませんでしたが、『太田裕美白書』を読んでこのシングルがこの形で発売されるまでに紆余曲折があったことを知りました。松本さんも京平さんも「海が泣いている」という曲をすごく気に入っていて、それをA面にするように主張したとか、もともとは「雪待夜」という別の曲がA面として用意されていたとか。

まあ、アナログのシングル盤というものがあって、それにA面とB面があった時代には、こんな話は山ほどあったんだろうと思います。両A面にしたり、A面とB面の曲を逆にしてリリースし直したり。あるいはどっちがA面でどっちがB面かわからないようになっているシングルもあります。

僕としては「海が泣いている」にも「振り向けばイエスタディ」にも同時に縁ができてしまったので、このシングルはぜひ手に入れなくてはと考えています。


ところで今日、これを書くために気づいたことがひとつありました。LPの歌詞カードの「振り向けばイエスタディ」の歌詞を読んでいたらこんなフレーズが出てきて、おっと。


 ノートの透き間に朝が見えたね

実は「海が泣いている」にこんなフレーズが出てくるんですね。


 そっぽを向いた腕の透き間に
 そっぽを向いた小鳥が飛び立つ

そう、「透き間」つながり。結果的にシングルのA面とB面に収録されることになったこの2曲の詞の中に、今回の話のキーワードである「スキマ」という言葉が入っていたとはびっくりでした。「隙間」ではなく「透き間」という漢字を当てているのが松本さんらしいですね。


さて、話はころっと変わって相変わらず脱線が続くのですが『風街茶房 松本隆対談集』のこと。この本は2巻あって、塩屋に持って行ったのは「1971 - 2004」の方。それを読み終えたので昨日から2巻目の「2005 - 2015」を読み始めました。

最初に読んだのは最後に収録された2015年に行われた対談、というか3人なので鼎談。3人というのは松本隆さんと細野晴臣さんと鈴木茂さん。そう、はっぴいえんどの大瀧さんを除いたメンバー。

鼎談は2年前の2015年8月に行われた『風街レジェンド2015』のひと月前にされたようです。当然ながら不在者である大瀧さんの話がぽつぽつと。どれも泣けるんですね。

こんな話も。


細野:こうやって(『風街レジェンド2015』で歌われる曲のリストを)見ていると、やっぱり大滝詠一がぼくのライバルだった。大瀧くんはA面タイプで、ぼくはB面タイプだからね。……というのは大瀧くんが言いそうな感じ。
松本・鈴木:あはははは。
松本:大瀧さんはA面B面にこだわるよね。だから「A面で恋をして」。
細野:そうそう。

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by hinaseno | 2017-11-15 13:52 | 雑記 | Comments(0)