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by hinaseno
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「カナリア諸島にて」の中のロイ・オービソン(1)


さて、ようやく朝妻一郎さんが語られたこの話に戻ることになります。


80年代に入ってからかな、当時、六本木にあったうちの会社に大滝君が現れて、「ちょっとまたアルバムを作りたいんだけど」と切り出した。そのときにJ.D.サウザーの「ユー・アー・オンリー・ロンリー」をかけて、「こういうのがやりたいんだ」って彼は言った。僕は「最高。これいいよ!」って答えて、そこから『ロンバケ』の制作が始まっていく。

大瀧さんがここで「こういうのがやりたいんだ」と言ったのは、ただ単にJ.D.サウザーの「ユー・アー・オンリー・ロンリー」のような曲を作るというのではなくて、J.D.サウザーが「ユー・アー・オンリー・ロンリー」でやった過去の名曲を取り上げ方と同じようなことを自分もやろうということだったんですね。

というわけで大瀧さんは『ロンバケ』でフィル・スペクターをはじめとして、キャロル・キング、バリー・マン、エリー・グリニッチらの名曲を下敷きにして、下敷きにした以上の名曲を作り出します。それは見事という他ないわけですが、アルバムが発売されてまもなく40年が経つというのに、全国に数多くいるナイアガラーをしても気がつかないままでいることがまだまだちりばめられているはず。


ではまさにJ.D.サウザーの「ユー・アー・オンリー・ロンリー」が下敷きにしたロイ・オービソンの要素について考えてみると、曲作りとか歌い方に関しては無意識のレベルで入り込んでいるような気がしますが、あえて『ロンバケ』の制作を開始して以後に意図的に取り入れたと思われるロイ・オービソン的な要素を考えてみます。

それがはっきりとみられるのはやはり「カナリア諸島にて」と、他人に提供したボツ曲ではなく、『ロンバケ』の制作を開始した以後に作ったはずの「雨のウェンズデイ」の2曲。


まずは「カナリア諸島にて」。

以前から書いてきたようにこの曲(のメロディ)は『ロンバケ』の制作を開始する前に作られています。というかこの曲がきっかけとなって『ロンバケ』の制作が事実上始まるんですね。

この一連の話を書き始めて「カナリア諸島にて」を何度も何度も聞いているんですが、この「カナリア諸島にて」はやはり永遠の1曲とよぶべきものがなと再認識しました。この曲がなければ「風立ちぬ」も「ペパーミント・ブルー」も生まれなかったことは間違いありません。

とにかくこの曲の中には大瀧さんのいくつもの大好きな曲が自然な形で入り込んでいるんですね。肌触りとして一番近いのは、やはり「ゴー・アウィ・リトル・ガール」のような気がしますが、もちろんロイ・オービソンも入り込んでいます。だからこそ大瀧さんはJ.D.サウザーの「ユー・アー・オンリー・ロンリー」に激しく反応したんですね。


さて、レコーディングを始めて、すでにメロディの出来上がっていた「カナリア諸島にて」に、改めてちょっと意識的にロイ・オービソン的なものを取り入れていきます。それについて考えていたときにはっと思ったのがこの「Leah」だったんですね。何か気づけます?




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by hinaseno | 2017-10-19 13:07 | ナイアガラ | Comments(0)