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by hinaseno
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ある本屋の話(その1)


まずはこの写真から。

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左に首を傾げてギターを弾いているのはもちろん世田谷ピンポンズさん。いい表情ですね、バックにはたくさんのくまくまちゃん。場所はもちろんおひさまゆうびん舎です。


昨日は姫路のおひさまゆうびん舎さんで行われた世田谷ピンポンズさんのライブに行ってきました。ピンポンズさんのライブは昨年12月以来3か月ぶり…いや、正確には一週間ほど前にシークレット(?)のミニ・ライブがありました。

今回のライブのタイトルは「ある本屋の話」。このタイトルを聞いて僕はすぐにピンとくるものがありました。これは小山清の短編のタイトル「ある靴屋の話」からとられたにちがいないと。

「ある靴屋の話」というのは小山清の『日日の麺麭』に収録された話。ただ現在講談社文芸文庫から出ている『日日の麺麭/風貌 小山清作品集』には収録されていないけど。

実は僕が小山清で最初に読んだ作品はもちろん「落穂拾い」でしたが、その次に読んだのが「ある靴屋の話」でした。

おひさまゆうびん舎に行くようになってまもなく窪田さんから貸していただいたのが『小山清全集』でした。「落穂拾い」以外は何も知らなかったので、とりあえずずらっと並んだタイトルで心が惹かれたものから(結構多くありました)読んでみようと思って、まず最初に選んだのが「ある靴屋の話」でした。これがよかったんですね。絵本にしてもいいような話。こんな書き出し。


兼吉(かねきち)は靴屋である。靴屋と云つても、わづか一坪にも満たない小さな床店を借りて、主として修繕もので生計を立ててゐる、しがない職人である。年は四十になるが、まだ独りものである。顔にすこし痘痕(あばた)のあとが見える。身寄りもたよりもない。この小さな町に来て、かれこれ六、七年になるが、いまの場所に店をあけてから、来る日も来る月も、靴底を叩いてゐたり、縫針を動かしてゐたりする、同じやうな兼吉の姿が見られるばかりで、この小さな靴屋の店にはすこしも変化が見られなかつた。

で、最後はこんな終わり方。


けれども、自分にはこの兼吉の真似はとても出来ないと思つたのである。

これを書き写しながら今、ふと思いついたのですが、これに絵をつけて1冊の本を出すというのもいいかもしないなと。とするならば、絵を描いてほしいのは高橋和枝さんしか考えられないし、出版社はもちろん夏葉社。島田さんに提案してみようかな。

それはさておきこの「ある靴屋の話」は窪田さんも大好きだったようで、これのコピーをずっと以前にピンポンズさんにも渡していたそうです。たぶんピンポンズさんもこの作品のことを心にとめられていたようで、それで今回のライブのタイトルになったみたいですね。

いいタイトル。これだけで心ときめくものがありますね。


さて、ピンポンズさんのライブの話。でもその前に、先週の3月16日に行われたおひさまゆうびん舎6周年記念イベントの話から始めようと思います。そのイベントのタイトルは「おひさまふふふフェスティバル」。「ある本屋の話」はそこから始まっていました。


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by hinaseno | 2017-03-26 16:22 | 雑記 | Comments(0)