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Talks About Music, Books, Cinema ... and Niagara


by hinaseno
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「怒りのために上げたこぶしを、力なく下ろすためには、木山捷平を読むこと」


いろいろとバタバタしている中でも、常に「ガンバラナイ生き方」を考えているので適当に息抜きはしていました。基本的にはちょこっとでも本屋に立ち寄ることが多いですが、先日は久しぶりに無印良品に行きました。

アイリッシュ系の音楽がかかっているのは昔のまま。アイリッシュ系の音楽ってやっぱりいいですね。昔、無印が編集したCDを買ったんだけど、どこにいったんだろう。


ちょっと驚いたのは本をたくさん置いていたこと。無印が出した本もあれば、そうでない本も。いろんなジャンルの本がありましたが、基本的にはいろんな生活スタイルを提示しているんでしょうね。でも、そんな中に関口良雄さんの『昔日の客』(夏葉社)があったのにはびっくり。本を選んだ人、エラい! 島田さん、営業に来たのかな。

そんな本の中で見つけたのが無印が「人と物」シリーズとして出している『小津安二郎』。正直、あんまり期待せずに中をめくってみたんですが、これがなかなかいいんですね。

小津のいろいろな言葉とともに初めて見るような写真も掲載されています。佐田啓二の長女の、つまり中井貴一の姉の中井貴惠宛てのはがきの写真にはびっくり。宛名は「なかいきえさま」とひらがなで書いています。で、はがきの下半分には何人かの人の絵が描かれてあって(小津が描いたんだろうか)、右下に描かれた男の子のそばには「きいちくん」との文字。


さて、無印で買ったもう一つのものが温度計。実はこれを探していたんですね。最近、岡崎武志さんのブログで室温と湿度を書いている日が続いていたので、自分も持っておきたくなったんです。影響受けやすい。

デジタル表示にしようかと思ったけど、アナログ人間なので針で読み取ることにしました。ブナ材でつくられた外枠もいい感じだったので。

ちなみに現在12時ごろの室温は32℃、湿度62%。写真は前日撮ったものです。

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岡崎さんといえば、待望の『人生散歩術』が単行本になりました。ウェブ上で連載されていて、このブログでも確か紹介したはず。

「こんなガンバラナイ生き方もある」という副題のもと、井伏鱒二、高田渡、吉田健一、木山捷平、田村隆一、古今亭志ん生、そして佐野洋子を取り上げています。佐野洋子は単行本化するにあたってひとりくらいは女性をということで追加したようです。

久しぶりに読みながら、かなり加筆訂正されている気がしたのでウェブ上にあったものと比べてみようと思ったら、ほぼ全部削除されていました。プリントアウトしておけばよかった。


昨日までに木山捷平の章まで読みましたが、やはり木山捷平がいちばん面白いですね。

このシリーズの裏テーマが「脱力文学の系譜」ということだったようで、「脱力」でいちばん最初にうかんだのが木山さんだったんですね。

ということで木山さんのところは何度も笑わせてもらいました。木山さんの章もかなり加筆されているように思いますが、最後はウェブ上にあったものと同じ。

話は木山さんの作品を国語教材として使うことができるかということ。岡崎さんに言わせれば「目的地」のない木山作品を十代に教えることは非常に難しいというか、教材として教えようがない内容のものだろうと。まあ、僕もそう思います。

でもこのあとの最後のオチがいいんですね。


だからこそ木山捷平はいいのだ、という点については解説不要であろう。怒りのために上げたこぶしを、力なく下ろすためには、木山捷平を読むことだ。


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by hinaseno | 2017-08-06 12:50 | 木山捷平 | Comments(0)