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Talks About Music, Books, Cinema ... and Niagara


by hinaseno

♫ふ~らりふらふら風来坊♫


いつか行けたらとずっと思い続けているのが京都の善行堂さん。その善行堂からつい先日届いたのが岡崎武志さんのこの本。タイトルは『詩集 風来坊ふたたび』。

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袋から取り出して、まず、その素晴らしい装幀に目を奪われてしまいました。装幀をされたのはこのブログでも何度か紹介した林哲夫さん。表紙等の写真も林さん。さすがにどれもいい写真です。出版社は善行堂。古書善行堂出版の第一号とのことです。送られてきた本には著者の岡崎さんのサイン&イラストが入っています。

タイトルに「ふたたび」とあるのは10数年前に『詩集 風来坊』を出されていたため。個人的にはタイトルに「ふたたび」(=again)とあるだけで親しみを持ってしまいます。収められた作品はシリーズとなっていて、タイトルとともに「風来坊11~29」の番号が振られています。全部で19編。


岡崎さんのあとがきによると「おそらく二十代後半の若者が、たった一人で日本国中をあてどなく旅している。いつもお腹を空かせ、胸には愁いを帯びている。シリーズ「風来坊」は、そんなシチュエーションに我が思いを仮託した詩編」とのこと。

本当はゆっくりと読むつもりでしたが、結局一気に読んでしまいました。ちょっとしたロードムーヴィーを見たような気分。名所と呼ばれるような場所は出てこない。それでも不思議にいくつかの風景が心に残っています。時間を間違えて列車に乗り遅れ、仕方なくホームのベンチに座ったらそこに一冊の文庫が置かれてあった話とか、あるいは村人たちに聞きながら書き上げた手書きの地図を雨で濡らしてだめにしてしまった話とか。

詩集を手に入れる前に善行堂さんのブログで、この詩集に収められたいくつかの詩に世田谷ピンポンズさんが曲をつけられたという話を読んでいたので、いったいどの話に曲をつけられたのだろうと思いながら読んでいましたが、実は僕の頭の中にずっと流れていたのはこの「風来坊」という曲でした。




はっぴいえんどの3枚目のアルバム『HAPPY END』のA面1曲目に収められた曲。作詞作曲は細野晴臣さん。実はこのアルバムは持っていなくて僕が持っている音源は『HOSONO BOX 1969-2000』に収録されたもの。なんで「風来坊」という歌詞の曲を書いたのか気になって、細野さんが楽曲解説を読んだらこんな興味深いことが書かれていました。


誰にも言ったことはないけど、「風来坊」の元になっているのはディズニーの「三匹の子豚」なんだよ。その英語のうたを聴いた通りに”風俗 低俗 風来坊”ってなっているんだ。でも、他の部分はどうしても詞ができなくて、”ふらりふらふら風来坊”っていうので押し通しちゃった(笑)。困ってこうなっちゃたんだよ。イイやって。

で、ディズニーの「三匹の子豚」を聴いてみたら、なるほど!でした。これですね。主題歌のタイトルは「狼なんか怖くない (Who's Afraid of the Big Bad Wolf)」。




曲の最初の♫Who's Afraid of the Big Bad Wolf♫の部分。確かに♫風俗 低俗 風来坊♫と聴こえなくもない。「Big Bad Wolf」を「風来坊」と聞き取るのは苦しいけど、でもメロディーはほぼ同じ。

それにしても細野さんって以前紹介した『白雪姫』の♫ハイホー♫

といいディズニーの映画にかなりの影響を受けてるんですね。


さて、ピンポンズさんは岡崎さんのどの詩に、どんな曲をつけたんでしょうか。


by hinaseno | 2017-03-25 10:13 | 雑記 | Comments(0)