人気ブログランキング | 話題のタグを見る

Nearest Faraway Place nearestfar.exblog.jp

好きなリンク先を入れてください

Talks About Music, Books, Cinema ... and Niagara


by hinaseno

セイシェル諸島にて(6)- 「Sleeping Beauty」


8. 「BITTER SWEET LOLLIPOPS」

1983年12月10日発売のアルバム『Canary』のA面1曲目に収録。いかにもA面1曲目らしいアップテンポでキャッチーな曲。ただ、この頃から僕の松田聖子熱は少し冷めかけていて、この『Canary』は、というかこの『Canary』あたりから聴く回数ががくっと落ちました。

2曲目に松田聖子が初めて作曲した曲「Canary」が収録されていて、なかなかいい曲でびっくりした覚えがありますが、『作編曲家 大村雅朗の軌跡 1951-1997』の松本隆さんのインタビューによると、松本さんこんなことを語っていました。


表題曲の「Canary」は聖子さんの作曲だけど、あれは大村くんの貢献が大きいんです。

ちょっと内情暴露的な話ですね。編曲をした大村さんが曲に関してもかなり手を入れたんでしょうね。大村さん、聖子さんに限らず、メロディが気に入らないと、作曲家の人に直してって言ってたようです。直した人もいれば絶対に直さない人もいたようですが。


9. 「AQUARIUS」

1984年6月10日発売のアルバム『Tinker Bell』のB面1曲目に収録されたアップテンポの曲。このアルバムは童話やSFから題材をとった詞(作詞は全て松本隆さん)がずらっと並んでいます。「AQUARIUS」の歌詞に出てくる「ワープ」とか「年季もののロボット」とかは「宇宙戦艦ヤマト」からきてるんでしょうか。


10. 「Sleeping Beauty」

同じく『Tinker Bell』のB面ラストに収録された曲。これが本当に素晴らしいバラード。個人的には「真冬の恋人たち」「セイシェルの夕陽」とならぶ大村雅朗の最高の1曲です。このアルバムではこの曲ばかり聴いていました。「Sleeping Beauty」とはもちろん「眠れる森の美女」。でも原作とはほとんど関係なく、詞はまさにあの「真冬の恋人たち」の2人が主人公になっているという感じ。ただし夏のアルバムなので舞台は海辺。時間は真昼どきでしょうか。今読むと照れ臭くなってしまうようなロマンチックな歌詞。こんな詞をかける松本さん(当時45歳)には感心します。

もちろん松本さんにこんな詞を書かせたのはやはり大村さんの曲ですね。曲もアレンジも本当にロマンチック。イントロで1分近くクラシカルなピアノの前奏が印象的です。

今回出た本がかなり売れているみたいなので、今後、大村雅朗作品集のようなものが発売される可能性が高くなってきましたが、個人的には彼が作編曲した曲のカラオケ集を出してもらいたいと思っています。特にバラード。この曲は絶対に入れてほしいです。

ところで、この「Sleeping Beauty」についてずっと思っていることがありました。「真冬の恋人たち」の続編的な詞ということで、実はこの曲にも男性が声をかける部分があるんですね。

「眠ってるの?」と。

このパートは結局聖子さん自身が歌っているんですが、ここを「真冬の恋人たち」と同様に杉真理さんが歌っていればどれだけ素敵だっただろう。


ライブ音源ですが「Sleeping Beauty」を貼っておきます。ピアノの伴奏だけで歌っているけど、素晴らしいです。この頃の聖子さんの歌の上手さは奇跡的というほかありません。




by hinaseno | 2017-07-24 12:15 | 音楽 | Comments(0)