Nearest Faraway Place nearestfar.exblog.jp

好きなリンク先を入れてください

Talks About Music, Books, Cinema ... and Niagara


by hinaseno
プロフィールを見る
画像一覧
カレンダー

Springsville in Tokyo #31 - あの船の絵を描いていたのが…


新宿で開かれていた「東京を写す。東京を彫る。- 昭和の編集者・山高登の世界 -」と題された展示会、僕が行ったのが連休明けの月曜日のちょうどお昼時ということもあって、関係者や見学者の方がだれもいなくてちょっとさびしかったんですが、その分、写真はたくさん撮ってきました。撮影禁止ということもなかったので。

会場に着いて、ずらっと並んだ山高さんの作品を横目に見ながら最初に探したのはこれでした。

a0285828_13012258.jpg


山高登さんの父・山高五郎さんについて書かれた説明書き。

実は前日、関口直人さんにお会いしたとき、関口さんから山高さんのお父さんもすごい人なんですよと言われて、展示場にお父さんについて書いたものがありますから是非読んでみてくださいと伝えられていたので。

山高登さんのお父さんの山高五郎さんは船舶関係の仕事をされる一方で船舶海洋画家としても知られていた方だったんですね。かなり正確な船の絵を描かれていて図入りの本も出されていたようです。

説明書きにも書かれていますが、山高登さんが描いた船の絵をお父さんが見たときのエピソードが笑えます。「作品の芸術的評価よりも船のここがおかしい、これが抜けているなどと船舶の専門家としての目線で指摘され、閉口した」と。

ところでこの説明書きに記されていたことでちょっと気になることがあったので写真を撮って家に戻って調べたらやはり! でした。

それは五郎さんが描かれた船の絵が郵便切手に使われていたということ。写真も載っていたので、もしやと思って昔集めていた切手帳を見たらありました。

集めていたといっても、郵便局に母親の知り合いがいたので記念切手が出るたびに母親がシートを買っていたんですね。で、それをシートごと切手帳にはさんで持っていたんですが、切手を買うこともなくなって、ある時期から少しずつそれを使っていました。でも、一応テーマごとに一枚ずつは残しておこうとこんな風に整理していました。左は蒸気機関車、右は船。

a0285828_13013494.jpg


山高さんのお父さんの描かれた絵もきちんとありました。この4枚ですね。これはうれしかった。

a0285828_13014258.jpg


さて、山高さんの作品。展示されていたのは写真と版画、山高さんが版画を描くきっかけとなった年賀状関係、そして『東京の編集者』にもいくつか作品が収録されていた書票。

写真と版画については、写真とそれを元にして描かれた版画の両方を並べて展示しているものもあれば、写真だけ、あるいは版画だけを展示しているものもありました。版画は全て見たことがあるものでしたが、写真は『東京の編集者』に掲載されていないものがいくつか。どれも芸術作品としても、昭和の東京の風景をとらえた貴重な記録としても超一級品。ぜひ、これらの写真を集めた写真集を出してほしいと思いました。

これは隅田川にかかっていた新大橋の写真と版画。

a0285828_13015371.jpg


写真が撮られたのは1963年(昭和38年)。そして版画が彫られたのは1983年。モノクロで撮影された写真を20年の歳月を隔ててカラーで再現しているわけです。

版画の下には「29/200」との文字が記されています。200枚刷ったうちに29枚目ということなんでしょうね。


これは展示されていた年賀状の一つ。

a0285828_13021574.jpg


編集者の時に趣味で彫っていた年賀状がいろんな人の間で評判をよんでいって版画家としてデビューすることになるんですね。年賀状が大評判になったために山高さんもどんどんとこだわるようになって、そのために完成するのが1月になってしまうこともしばしばだったそうです。


そしてこれは書票の一つ。なんと素敵なんだろう。

a0285828_13023137.jpg


そういえば『東京の編集者』にもカバーを取ったところにこんな書票がありました。山高さん自身の書票ですね。風見鶏好きなのでたまりません。

a0285828_13024074.jpg


さて、展示会を駆け足で見て、さらに駆け足で新宿駅に戻りました。ほんとは新宿の町のどこかで食事をしようかと思ったけど、行ってみて新宿という町は自分には全く合わないと思ったんですね。全然落ち着かない。とても食事なんかとる気がしない。どこかに東京都庁の高いビルがあるはずだけど見る気もしない。今頃きっと、あの素敵な築地市場をどうやって潰す方向に持っていくかをあれこれ画策しているんだろうなと思うとうんざりした気持ちになります。

ちなみに、山高さんの『東京昭和百景』の表紙に描かれているのはその築地市場の裏の風景。山高さんは築地の風景の版画をいくつも彫っているので写真をたくさん撮っているはず。それらを見られる日が近いうちに来ることを信じています。

a0285828_13030785.jpg


[PR]
by hinaseno | 2017-06-14 13:03 | 雑記 | Comments(0)