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by hinaseno
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Springsville in Tokyo #22 - 大瀧さんと川本さんが立ったあの場所へ(1)


大瀧さんが成瀬巳喜男監督の『銀座化粧』(昭和26年)と『秋立ちぬ』(昭和35年)という2つの映画のことを調べ始めたのは10年前の2007年のこと。きっかけはやはり”たまたま”だったようです。

たまたま知人に教えてもらった『秋立ちぬ』を見ていたら、そこに映った公園がつい先日まで『Niagara CM Special』の30周年記念盤のマスタリングのために通っていた銀座のスタジオ(音響ハウス)のすぐそばだったことがわかったんですね。

さらに『秋立ちぬ』には大瀧さんとつながりを感じさせるものがいくつも。例えば主人公の少年(秀男)は野球好きの小学6年生。映画の作られた昭和35年はまさに大瀧さんが小学6年生のときでした。それから「母ひとり子ひとり」の家庭だったというのも大瀧さんと同じ。

更にそのタイトル。大瀧さんが2003年の春にスタートするテレビドラマの主題歌として作った「恋するふたり」という曲は松田聖子に作った「風立ちぬ」の続編として作ったので(カラオケを聴くと全く同じ部分があります)最初につけた仮のタイトルは「春立ちぬ」だったと。ここまでくると運命的なものを感じずにはいられなかったはず。


そういえば大瀧さんは続編というか姉妹編というかシンメトリーというべき作品を作るのが大好きなんですが、『秋立ちぬ』はその9年前に作られた『銀座化粧』の続編ともいうべき作品であることがわかって(築地川を舞台にした、母ひとり子ひとりの物語)、これはもう絶対に調べなければと思ったんですね。

そこでまず最初に読んだのが川本三郎さんの『銀幕の東京』。この本で『銀座化粧』と『秋立ちぬ』のつながりを発見して、大瀧さん独自の、いかにも大瀧さんらしい研究を始めます。例のDVDの静止画像による細かい分析とフィールドワークですね。でも、何よりもすばらしいのはその視点。

で、それから2年間ほど研究して、2009年の8月3日に、自身の研究のきっかけを与えてくれた川本三郎さんにその成果を報告したんですね。もちろんこれは密かに行われたもの。

川本さんは大瀧さんの映画に対する知識とその研究の内容に驚愕。あまりに面白かったので、川本さんは『東京人』のインタビューという形で改めて大瀧さんの成果を語ってもらうことにします。それが2009年8月26日。で、そのインタビューが『東京人』2009年11月号に掲載されます。

それまで僕は『東京人』という雑誌のことは全く知らなかったので、とにかく驚きました。何よりも大好きな大瀧さんが大好きな川本三郎さんと会ったというのが信じられなくて。そしてこの本に掲載された2人のツーショットの写真は僕の宝物になりました。

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この写真の撮影場所は築地の新富橋。

『東京人』の取材の日に、ここを2ショットの場所として選んだのは大瀧さんだったようです。新富橋は『銀座化粧』と『秋立ちぬ』に映された風景の中で、唯一同じ場所。つまり成瀬巳喜男がつくった築地川の物語のシンボルというべき場所だったんですね。

ということでその場所に行ってきました。

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ここが8年前のあの日、大瀧詠一さんと川本三郎さんがいっしょに立っていた場所。感無量でした。

二人が立っていたのと同じ場所に立って、近くにいた人に写真を撮ってもらいました。大瀧さんと同じようなポーズをとって。

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by hinaseno | 2017-06-03 15:39 | 雑記 | Comments(0)