Nearest Faraway Place nearestfar.exblog.jp

好きなリンク先を入れてください

「粗茶ですが……」


昨日、3月6日は小山清の命日ですね。おひさまゆうびん舎のブログには連翹の花の話が書かれていました。小山清が亡くなったとき庭には連翹の花が咲いていたということ、その連翹は木山捷平が小山清に贈ったという。ちょっと忘れていました。

前者は小沼丹の「連翹」(『埴輪の馬』に収録)というエッセイに、後者は井伏鱒二の「小山清の孤独」(『荻窪風土記』に収録)というエッセイに書かれています。で、久しぶりに、小沼丹の「連翹」を読みました。何度読んでもいい話です。

小山清が井の頭公園の近くに住んでいたときに、家を訪ねて行ったときの話が素敵なのでちょっと紹介します。そのとき小山清は古い家の二階の一部屋を借りていたようで、まだ独身。


その小さな部屋は綺麗に片附いてゐたような気がする。それから、小山さんが茶を出して呉れて、
ーー粗茶ですが……。
 と云つて、自分から可笑しさうに笑つたのを憶えてゐる。普段口数の尠い小山さんが、粗茶ですが、なんて云ふと一種の感じがあつた。
 もう一つ憶えてゐるのは、小さな本棚に本が並んでゐるが、その一冊一冊に小山さんの愛情が籠つてゐるやうに見えたことである。一冊一冊が、大事にされてゐる本と云う顔で並んでゐて、この感じは悪くなかつた。

なんでもないエピソードですが、どちらも小山清の人柄がくっきりと出ていて、なんとも微笑ましいですね。


それはそうと、木山さんが小山清に連翹の木を贈ったことは、木山捷平の何かのエッセイに書かれているんだったっけ? 木山さんのエッセイや小説には、人からいろんな木をもらったり、あげたりする話はよく出てきているけど。また調べてみよう。


[PR]
by hinaseno | 2017-03-07 14:32 | 文学 | Comments(0)