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by hinaseno
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「Beats There A Heart So True」#2


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昨日紹介した野口久和ザ・ビッグバンド with BREEZEのライブのMC中で、野口さんがペリー・コモの「Beats There A Heart So True」を知ったきっかけとして紹介されている武蔵小山のライブハウスのオーナーというのはもちろんアゲインの石川茂樹さんのこと。

石川さんは数日前に野口さんからライブで「Beats There A Heart So True」を演奏するということを聞かされていました。ただ、ライブの日は石川さんの店でもライブの予定が入っていたために野口さんのライブに行くのは難しいと伝えていたようです。でも、絶対に行っておかなければということで、無理をしてライブに向かわれたんですね。

当日、ライブ会場はかなりの客がいたようで、野口さんはそこに石川さんが来られていたことを知りません。そんな中であのMCがあったんですね。さらに総勢17人からなるビッグバンドの演奏をバックにBREEZEの素晴らしいコーラスにとって石川さんの大好きな「Beats There A Heart So True」が歌われます。石川さんがどれほど興奮し感動されたか、他人事ながら心が震えます。

ちなみに野口さんのライブが行われたのは2012年9月3日。石川さんがその日のことを書かれてブログにアップされたのが翌9月4日。実は僕がこのブログを始めたのがまさにその日、2012年9月4日でした。つまり石川さんが「Beats There A Heart So True」にまつわる話を書かれているのを読んでから、僕はブログを始めようと決心したんですね。

翌日、僕は石川さんに、前日のブログに書かれていた話の感想とともに、僕もブログを始めましたということを伝えるメールを送ります。

その日の石川さんからの返事。ちょっと紹介します。


ペリー・コモのあの曲、何だかドラマになってしまい、一人で感動しております。あそこから得た教訓は常にメッセージは出しておくことが大事だということです。

今考えれば、「常にメッセージは出しておくことが大事」だという石川さんが得た教訓を僕なりに強く感じたからこそ僕はブログを始める決心をしたんだと思います。まあ、ブログなんて多くの人が気軽にやっているわけで「決心」なんて気持ちを持たなくてもやれるものなんですが、僕はどうしようかとぐずぐずしていた時期が長かったので、まさに「Beats There A Heart So True」が僕の背中を押してくれたんですね。

石川さんからはさらにこんな嬉しい言葉もいただきました。


ブログを始めたことを心から喜びたいと思います。貴方の視点は今の世の中にあって大変貴重な存在だと思います。時々参考にさせていただいております。是非貴重なメッセージを発信してください。少なくとも私はフォローしますので。

今読んでも泣けてしまうくらいにうれしい言葉。僕にとっての「Beats There A Heart So True」はこんな思い出と結びついているんですね。でも、まさかこの曲が僕にとってもこんなに大切な曲になるとは思ってもみませんでした。

ところで、僕が石川さんに送ったメールにはこんなことを書きました。


川本三郎さんがよく使われる表現をすれば、「Beats There A Heart So True」という曲は石川さんが発見されたと言っても過言ではないと思います。

ここで川本三郎さんの名前を出したのは、川本さんがしばしば発見という言葉を使われるから。たとえば川本さんの『白秋望景』にこんな言葉が出てきます。


 風景はいつも発見されるものだ。前からそこにありながら、誰もそれに気がつかなかったものが、ひとたび意識して見つめられる時に、新しい風景としての意味を持ってくる。
 武蔵野の雑木林は国木田独歩によって発見された。東京の下町、そして路地は永井荷風によって発見された。夏目漱石の『草枕』にある「ターナーが汽車を写すまで汽車の美を解せず」という言葉にならえば、独歩が登場するまでわれわれは雑木林を知らず、荷風が描くまで路地の美しさを知らなかった。

音楽も風景と同じように(単なる比喩ではなく僕にとっては音楽と風景は同じ価値を持っています)、前からそこにありながら、誰もそれに気がつかなかったものが、ひとたび意識して聴かれる時に、新しい音楽としての意味を持ってくるんですね。発見者がいなければすぐに忘れられてしまう。「Beats There A Heart So True」という曲は、達郎さんがラジオの番組でかけたとはいえ、石川さんのような発見者がいなければそれだけで終わっていました。実際僕はその日の放送を聴いていて、録音もして何度も聴いていたのに聴き流していたんですから。

でも、あとでわかったことですが、この曲には第一発見者がいたんですね。シングルのB面にひっそりと収められていたこの曲をジャック・ケラーが書いた曲として見つけていた人が。もちろんそれが大瀧さんでした。


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by hinaseno | 2017-02-12 12:13 | 音楽 | Comments(0)