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by hinaseno
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「〈小泉-大瀧〉の作品を実現することは彼の〈悲願〉」


大瀧さんと田村充義ディレクターとの出会いは、田村さんが小泉さんの前に担当していた山田邦子のとき。山田邦子が人気絶頂のときですね。田村さんを大瀧さんに紹介したのが大瀧さんと親しい関係にあったあの川原伸司(=平井夏美)です。大瀧さんの未発表作品である「アンアン小唄」を山田邦子にやらせてみてはと川原さんが考えて、田村さんを大瀧さんに会わせたようですね。

たぶんその出会いの場で田村さんは自己紹介をかねて自分がはっぴいえんど以来の大瀧さんのファンであることを話したはず。


さて、ネット上のここここに、一昨年の3月21日に小泉今日子さんの音源がハイレゾ化された配信されたときに監修をされた田村さんのインタビューが載っていて、そこで「快盗ルビイ」にからめて大瀧さんとのエピソードがいろいろと語られています。


大瀧詠一さんは昔から知っていて、担当していた山田邦子さんでも仕事をしたことがあったのですが、なかなか曲を書いてくれない(笑)。映画の仕事があってやっと書いていただきました。


1970年代にTBSラジオでやっていた「ゴー・ゴー・ナイアガラ」という番組で僕が大瀧詠一さんと知り合って、会うごとに「小泉に作品を書いてください」とお願いしていたんですが、それがやっと実現した曲でした。


これを読むと田村さんは「ゴー・ゴー・ナイアガラ」の単なるリスナーでなく、なんらかの交流を持っていたことをうかがわせます。もしかしたらハガキを書いていて番組で読まれていたかもしれないと思って「ゴー・ゴー・ナイアガラ」のおハガキの日の特集をいろいろと聴いていたら1977年2月8日放送のおハガキ特集の日に「(トマベチヨシミ改め)タムラウメノスケ」というペンネームの人のハガキが読まれていたことがわかりました。大瀧さんは番組にハガキを送ってくれた人はとりわけ大事にされていて、レコードなどを送ってあげたりもされていたので、もしこの「タムラウメノスケ」が田村ディレクターだとすれば、実は僕は「ゴー・ゴー・ナイアガラ」にハガキを書いていましたとなって、大瀧さんも一気に親しみを持つことができただろうと思います。ということで大瀧さんは山田邦子が「アンアン小唄」を歌うのを快く了解。


曲のアレンジは大瀧さんではないのですが、歌入れの時には大瀧さんも立ち会って、その場で「山田邦子を〈日本のジャニス・ジョブリン〉にする!」とかいって、山田邦子に「もっと怒鳴れ、もっと怒鳴れ」と要求したそうです。それがこれ。




リリースは1982年10月。前年に出した『ロングバケーション』も、さらに小泉さんのデビューと同じ日の1982年3月21日に発売した『ナイアガラ・トライアングルVol.2』も大ヒットしていて、周囲からは素敵なメロディの曲を書くまじめなアーティストとみられていた時期にこんなことをやってたわけです。もちろん、それは大瀧さんという人を以前からよく知っている川原さんと田村さんがいたからこそ。


ということで、大瀧さんとの強い縁を確認することのできた田村ディレクターは翌年に小泉今日子さんを担当するようになって、おそらく早い段階で大瀧さんに曲を依頼しただろうと思います。でも、大瀧さんは次の作品『EACH TIME』に取り掛かり、それが難航し、結果的に創作意欲が一気に落ちてしまうことになります。それでも田村さんは松本隆作詞、大瀧さん作曲の「はいからはくち」や大瀧さん作詞作曲の「颱風」をパロディにした「渚のはいから人魚」や「颱風騎士(タイフーンナイト)」という曲を小泉さんに歌わせて、メッセージを送り続けます。

そしてたぶん田村さんにとっては5年越しの夢が叶う日がくるんですね。『大瀧詠一 SONGBOOK 2』のライナーで大瀧さんはこう書いています。ちなみに『大瀧詠一 SONGBOOK 2』の制作担当です。


「ビクターの田村充義ディレクターは小泉今日子さん担当であることはすでに書きましたが、この『大瀧詠一 SONGBOOK 2』の制作担当でもあります。〈小泉-大瀧〉の作品を実現することは彼の〈悲願〉でもあったということで、この作品は彼に捧げたもの、と言っても過言ではありません」


歌を歌った小泉さんはこんないきさつがあったとは知る由もありません。


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by hinaseno | 2017-01-24 13:24 | 雑記 | Comments(0)