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「花屋」の話


『最後から二番目の恋』を見終えて、小泉今日子さんに関心をもって手に取ったのが昨年出た彼女のエッセイ集『黄色いマンション 黒い猫』。装丁は和田誠さん。和田さんが描かれた小泉さんのイラストを見るのは、和田さんが監督を務められた『快盗ルビイ』(主題歌を作曲されたのは大瀧さん)以来。

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この表紙の絵を見てエッセイの最初に収録された表題作を読むと誰もが驚くことになります。その内容は書きませんが、たぶんそのエッセイを読まれたはずであるにもかかわらず、あえてこのような絵を描かれた和田さんはやはり素晴らしいなと思わずにはいられませんでした。エッセイを読んで改めてこの絵を見ると心が震えます。


さて、昨日読んだのは「花や 庭や」というエッセイ。こんな書き出しでした。


 休日の夕方は、商店街をぶらぶら歩く。スーパーで晩ご飯の食材を買って、タバコ屋で中南海をワンカートン買って、薬屋でお化粧用のコットンを買って、酒屋で冷えた白ワインを買って、最後に花屋で自分のために好きな花を選んで買う。

小泉さんも近所の商店街を歩くのが好きみたいですね。商店街を歩いていろんな買い物をしている小泉さんの姿を想像するだけでうれしくなります。いったいどこの商店街を歩いているんでしょうか。少し前に読んだエッセイではいろんな商店街を歩いて昔ながらのいい喫茶店を探している話もありました。いつか平川克美さんの隣町珈琲を見つけられるかもしれません。

そういえば『銀座二十四帖』に関して、僕のブログを読まれた平川さんからとても興味深い情報をいただきました。


『銀座二十四帖』の主人公のコニイ(三橋達也)は銀座(新田銀座ではなく本当の銀座)で花屋を営んでいます。実はあの武蔵新田の新田銀座にあるサロンひとみから朝帰りする若い男性が働いているのがこの花屋。彼はサロンひとみから出た後に、店で売るための花を積み込むために花を栽培している場所に向かいます。そこは武蔵新田からそんなに遠くない場所。映像とともにこんなナレーションが出てきます(聞き違いがあるかもしれません)。


ここは多摩川の温室村。バラ、カーネーション、ラン。花木類は伊豆、川崎、川口、西新井、沼田付近、そしてここ多摩川のヒルタ付近で朝早く積み込まれます。

実はこの「温室村」というのは地名だとは思っていなかったので聞き流していたのですが、そんな地名があったんですね。そのあとに語られる「ヒルタ」という地名は探したのですがわかりませんでした。

その温室村という場所があったのが現在の田園調布5丁目あたり。東京時層地図を調べたら高度成長前夜(昭和30-35年)の地図に温室村がありました。

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これが映画に映る温室村の風景。花を積み込んでいるトラックはサロンひとみの下に置いてあったものと同じ。

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ところで、僕のもっている『写真で見る日本 15 関東編 東京(1)』(昭和32年発行)に温室村の写真が載っていました。一応観光名所にもなっていたようですね。

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ちなみにこの本の表紙は銀座の中心街。あの服部時計店の時計台の向こうにアドバルーンが上がっています。下には路面電車。なんともいい風景です。

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さて、平川さんによると今も温室村というバス停があって、実は平川さんは以前、その近くにお住まいだったそうです。しかも驚いたのは、小泉今日子さんが結婚されていたときに住んでいた家もすぐお近くだったとのこと。びっくりですね(さらにもっとびっくりな話も教えていただきました)。

小泉さん、温室村で栽培された花を買われていたんでしょうか。


ところで、映画では花を積み込んだトラックが銀座に向かうこんなシーンが映ります。どこを通っていってたんでしょうか。平川さんによれば武蔵新田を通るルートではないかとのことですが果たして。

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by hinaseno | 2017-01-22 13:08 | 雑記 | Comments(0)