Nearest Faraway Place nearestfar.exblog.jp

好きなリンク先を入れてください

Talks About Music, Books, Cinema ... and Niagara


by hinaseno
プロフィールを見る
画像一覧

『東京物語』の尾道、もうひとつの平山家を訪ねて(その5)――時宗の寺、西郷寺


a0285828_1241358.jpg

久保小学校の南側の門を出てすぐ左手の石段を登って見るのを楽しみにしていた西郷寺へ。西郷寺を楽しみにしていたのは、写真で見た本堂が素晴らしかったこともありますが、なによりそこが時宗の寺だったこと。
時宗については、その開祖である一遍上人という人になぜか心惹かれるものを感じていて、一遍上人に関する本を何冊か買って読んでいました。
なによりも例の福岡の市も出てくる一遍上人絵伝は何度見ても楽しいものがあります。さらに彼が始めた踊り念仏というのも共感を覚えるものがあって一度はどこかで見てみたいと思っていました(踊り念仏といえば杉真理さん経由で知ったレキシというグループに「踊り念仏」という曲がこれが最高です)。
ところが、一遍、時宗に関心を持ったものの身近なところには時宗の寺はどこにもなかったので、時宗とは縁がないまま過ごしてきましたが、前回、尾道に行ったときにたまたま立ち寄った福善寺のそばの常称寺が時宗の寺だとわかってびっくり。岡山にはひとつも時宗の寺がないのに尾道には時宗の寺が5つもあるんですね。で、いろいろと調べているうちに西郷寺のことを知ったんですね。あの香川京子さんの歩かれた場所のすぐ近くにあるということにも縁を感じて、これは絶対に行かなくてはと思っていました。

これが山門。
a0285828_1243175.jpg

そして本堂。
a0285828_12431296.jpg

素晴らしいですね。手前の木は桜なので、桜が満開の時はかなり見応えがありそうですが、もう少し葉が枯れるか、あるいは葉が落ちてしまったほうが寺の雰囲気に似合っているような気がしました。

西郷寺の山門と本堂は現存する時宗の最古の建造物とのこと。本堂の廊下からはこのように隣の久保小学校の校舎を見ることができます。
a0285828_1243281.jpg

境内には七福神の石像が建てられていました。地元の尾道大学の美術学科の生徒が数年前に作ったようです。寺の雰囲気と合っているかどうかは微妙。
a0285828_12434048.jpg

こんな風景を前にしてコンビニで買ってきたおにぎりでも食べようかと思ってカバンからおにぎりを出しかけたら、住職と思われる人(住職でした)が出てきて庭の落ち葉を掃き始めました。さらによく見たら境内に建てられた看板には境内での飲食はお断りしますとの文字。あわてておにぎりをしまいました。

住職と少し話し。
本堂前の場所に連れられて、本堂の方を眺めてこう説明される。
ちょうどこの場所のあたりから見たら本堂の屋根の傾斜は背後の山の傾斜が重なるように作られているとのこと。
a0285828_1244062.jpg

僕は寺の建造物では寄棟造りがいちばん好きなのですが(牛窓の本蓮寺の本堂も寄棟造り)、西郷寺の本堂はとりわけ屋根の傾斜がゆるやかに作られていて、そのため寄棟造りの建物にしてはめずらしく軽やかで優美な感じを生み出しているんですね。これだけ均整のとれた美しい寄棟造りは初めて見ました。

住職に本堂の中に入るように促されて中で拝礼。
中に入ってわかったことですが、本堂の中には「泣き龍天井」というのがあって。手を打つと音が不思議な反響をして天井から返ってくるんですね。案内板には竜にまつわる伝承も書かれていました。1回だけ手を打つようにと書かれていましたが3回ほど叩いてしまいました。

西郷寺の山門を出たところで久保小学校をながめながらおにぎりを食べて、次はいよいよ厚田さんの日程表に「練瓦坂」と記されている「れんが坂」に向かいました。ちなみにこの日のブログに貼った地図には西郷寺付近かられんが坂までは点線で記していますが、小津一行はおそらく久保小学校の正門前の道かられんが坂につながっているこの道に入ったんだろうと思います。
a0285828_1244193.jpg

[PR]
by hinaseno | 2016-10-27 12:45 | 映画 | Comments(0)