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by hinaseno
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もうひとつの平山家(12)――再び福善寺の墓地、そして…


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福善寺で『東京物語』に映った墓地を確認した後に行った映画資料館の2階には映画に関するたくさんの本が並んでいました。その中から自分が持っていない小津に関する本を何冊か取り出して尾道のロケに関する写真などがないかと調べました。
そこで目に留まったのが『デジタル小津安二郎――キャメラマン厚田雄春の視』に掲載されていたこの写真でした。厚田さんが持っていた手帳の1ページを写したもの。
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右のページには大きく「福善寺墓地」という文字と福善寺境内の絵。そこには墓地をどういうアングルで撮影したかが詳しく記されています。そして左のページには福善寺周辺の地図…。
とはいうものの映画資料館では「福善寺墓地」という言葉を確認しただけで、戻ってから図書館ででも借りてじっくり見てみようと考えて、たいして見ないままページを閉じました。
で、数日後にそれを手に入れてじっくり見たら、そこには驚くべき言葉が。

その前にまず右のページの図を。
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そこには本堂の端の部分と背後の墓地が描かれていて、その中にA〜Dのアルファベットを添えた矢印、あるいはカメラの絵が記されています。もちろんそれは映画で使われた4つのカットを撮影した場所と、撮影した方向を示していたもの。
でも、これ、行く前に見ていてもどこがどこやらわからないでしょうね。行った後だからわかりますが。

AからDを順番に説明しておきます。確かこの順番で映画に映ったはず。
まずAで撮影したのがこのカット。
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そしてこれがBで撮影したカット。
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で、これがCで撮影したカット。
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ここまでは全部境内から墓地を見上げる同じ方向から撮っています。
でも、問題はD。ここで撮影したのがこのカット。
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このカットだけ撮った方向が違うんですね。しかも他の場所からはかなり離れていて、境内からここに映る墓を見ることはできません。墓地のある丘に登る道はれんが坂につながる北の端(図では左の端)にあるので、このDの場所まではかなりの距離。僕はなかなか見つからなくて諦めて戻りかけた時に見つけたのですが、小津たちもたぶん墓の南の端(図では右端)まで行って、そこから戻ろうとした時にこの風景を見つけたのではないかと思います。
境内からは見ることのできないこのカットをあえて入れているのが興味深いですね。この日のブログで僕は「とみ」と「しょうじ」はこの場所の墓に眠っているような気がすると書きましたが、それは小津の意識の中でも同じだったんではないかと思えてきました。

さて、問題は左のページに描かれた福善寺周辺の地図。
そこには赤く塗られた四角、そして「平山家」の文字。

福善寺のそばに平山家!?
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by hinaseno | 2016-09-27 13:18 | 映画 | Comments(0)