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by hinaseno
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『9月の文集』のこと(その1)――「夏葉社の100冊」


おひさまゆうびん舎で開かれた夏葉社の島田潤一郎さんのトークイベントでいただいたのがこの『9月の文集』(島田潤一郎著)という本。島田さんがいろんなメディアに書いた文章をまとめたものを、なんとおひさまゆうびん舎限定で作られたんですね。感謝、感謝です。
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おひさまゆうびん舎では10月まで夏葉社ファアが続いて、その期間中に夏葉社の本を購入すれば『9月の文集』をいただけることになっています。
限定100冊、でしたっけ。イベントに参加した人に配られているので残りは80冊くらい? とっても素敵な本なので、そして夏葉社の本はどれも最高に素晴らしいものばかりなので、このチャンスにぜひぜひ、ですね。

この日のトークは基本的にこの『9月の文集』に収められた「夏葉社の100冊」というエッセイにそって進められました。この「夏葉社の100冊」というのは雑誌『ぼかん』に影響されて作ったとのこと。確かにあの『ぽかん』の「ぼくの百」というのはすごいですね。先日紹介した細野晴臣さんの「自身が選ぶルーツの50曲」とか、個人的に関心を持っている人が音楽や本について選んだリストを見るのは大好きです。
そういえばその細野さんの話も少し出ました。島田さんが、20歳くらいの若い人と話をしていたときに、その人が好きなミュージシャンは細野晴臣、作家では鮎川信夫と言った
そうなんですね。それを聞いた島田さんがちょっと戸惑ってしまったという話。確かに細野晴臣というミュージシャンも鮎川信夫という詩人も文句なしに優れた人であるにはちがいないけれども、もっとはずれだと思えるような音楽を聴き、はずれだと思えるような本をいっぱい読むべきではないかと。全く同感。
たとえば僕はビーチ・ボーイズが大好きなんですが、でも、ときどき若い人が『ペット・サウンズ』と『スマイル』が最高です、なんて言っているのをみると、戸惑う以上に悲しくなってしまうことがあります。それよりは「『サーフィンUSA』が最高です」と言ってくれる方が数倍うれしい。そういうのといっしょかな? かなりマニアックな喩えだけど。
そういえば今聴いているのは先日出たばかりの『BECOMING THE BEACH BOYS』というCD。彼らがデビューする前に録音した音源を集めたものですが、いっしょに演奏して歌うのが楽しくて仕方がないって気持ちがあふれています。と同時にまだ10代の少年たちのコーラスの素晴らしさに改めて感服。

話がそれてしまいました。
「夏葉社の100冊」には僕の大好きな作家の本から読んだことのない本までいろいろとあって、にっこりしたり感心したり。最初の方に出てくるちばあきおの『キャプテン』は大好きだったマンガ。めちゃくちゃ影響受けました。今でもイガラシくんは描けます。『三四郎』も漱石の中では一番好き。村上春樹の本が2冊出てきてにっこり。
『プールサイド小景・静物』(庄野潤三)→『夕べの雲』(庄野潤三)→『抱擁家族』(小島信夫)という流れは、もしかしたら村上さんの『若い読者のための短編小説案内』の影響なのかもしれませんね。僕もあの村上さんの本の影響でこのあたりの本を続けて読みました。

ずらっと並んだリストを見て感心したのは、僕が挫折した長篇の本がいくつもあったこと。『失われた時を求めて』、『ユリシーズ』、『カラマーゾフの兄弟』、『デヴィッド・コッパーフィールド』...。最後の方に載っている谷崎潤一郎の『細雪』はこの夏ようやく読みました。

リストを見て無性に再読したくなったのは保坂和志の『季節の記憶』。たぶん読んだのは夏。調べたらちょうど20年前の夏でした。20年前! 信じられない。
本を読んでいて、あれほど幸福な気持ちになれたのは他になかったな。
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by hinaseno | 2016-09-06 13:11 | 雑記 | Comments(0)