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「62年8月、この曲です! ジミー・クラントン! 『ヴィーナス・イン・ブルージーンズ』」


今日は、わが大瀧詠一さんの誕生日。
というわけで、当然大瀧さんがらみの話。

先日、 クリフ・リチャードの「ネクスト・タイム」のシングルを見つけたときに「4日早い大瀧さんの誕生日プレゼントなのかもしれません」、なんて書きましたが、そんなものではありませんでした。
その2日後、つまり2日前、こちらは年に何度か行っている中古レコード屋さんに立ち寄って、やはりオールディーズ関係のシングルレコードの箱をチャックしていたら、僕が世界で一番ほしいと思っていたレコードがそこにありました。
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ジミー・クラントンの「ヴィーナス・イン・ブルー・ジーンズ(Venus In Blue Jeans)」の日本盤。
ネットから画像をとったと思われては困るので、こちらが証人、というか証クマ付きの写真です。
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夏らしい、さわやかなブルーをあしらった素晴らしいジャケット。これだけで心ときめきます。ちなみにオリジナル盤にはピクチャースリーヴはついていないんですね。

このレコードもときどきネットオークションで見ていましたが、コンディションのいいものはコーヒー10杯分くらいの値段がついています。でも、これは少しキズがありと書かれていたもののコーヒー2杯分にも満たない値段。キズも聴くには全然気になりませんでした。ピクチャースリーヴの状態もまずまず。

ジミー・クラントンの「ヴィーナス・イン・ブルー・ジーンズ」のことは、もちろん松田聖子の「風立ちぬ」の元ネタとして使われているということで知りましたが、初めて聴いたときの感動はいまだに忘れません。最高のアメリカンポップスといってもいい曲ですね。大瀧さんは「ゴー!ゴー!ナイアガラ」の「ジャック・ケラー特集」のときに「僕が言おうとしているところのアルドン/スクリーンジェムズの曲の典型」だと言っていました。
言うまでもありませんが大瀧さんもこの曲が大好きなんですね。
「ゴー!ゴー!ナイアガラ」で、この曲をかけたときの大瀧さんのうれしそうな感じといったらないですね。はじめてかけたときのこの言葉は何度聴いても最高。

「そして、この62年8月、この曲です! ジミー・クラントン! ナインティーン・シックスティ・トゥ、『ヴィーナス・イン・ブルージーンズ』」

そう、ジミー・クラントンの「ヴィーナス・イン・ブルー・ジーンズ」は1962年の7月にリリースされて8月にチャートインしているんですね。まさに、夏の曲。
大瀧さんはこの曲があるから、ジェック・ケラーを特集したと言っていました。

ところでこれは1963年のアルドン出版社の関係者が集まった写真。
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腰を下ろしている前列左からバリー・マン、シンシア・ウェル、ジェリー・ゴフィン、キャロル・キング、ニール・セダカ。そして後列の左端の眼鏡をかけた銀行員みたいな人が「ヴィーナス・イン・ブルー・ジーンズ」の作曲をしたジャック・ケラーで、右端が作詞をしたハワード・グリーンフィールド。すごい人たちですね。後列の真ん中には取締役社長のアルさんとドンさんがいます。

ところで日本盤のシングル、よくみたら興味深いことがいろいろとあります。

まず、いちばん上にはこんな文字。
「ニール・セダカが作品したニュー・シングルを青春歌手、ジミー・クラントンが歌って大ヒット!」

もちろんこれはレコード盤にニール・セダカと間違ってクレジットされているためですね。このシングルが発売されたときには日本でニール・セダカは超がつくほどの人気者になっていたはずなので、この言葉を入れたんだろうとは思いますが、間違いに気がついた人がどれだけいたんでしょう。

ところで、「ヴィーナス・イン・ブルー・ジーンズ」を最初に録音したのはジミー・クラントンだとずっと思っていましたが(ウィキペディアにもそう記載されています)、実はジミー・クラントンがリリースする2ヵ月前にこちらのBruce Brunoというシンガーが録音していました。ただしこちらは全くヒットしていません。



なんだかしょぼい感じがしますね。ただ、よく見たらこちらのレーベルにはきちんとジャック・ケラーとクレジットされています。なんでジミー・クラントンのときに間違えたんでしょうか。

それから日本盤の邦題がなんだか笑えます。
「ブルー・ジーン・ビーナス」

ジーンズではなくジーンなんですね。
これだと二股に分かれていないジーンズをはいている(?)ビーナス、あるいはデニム製のビーナスということになっちゃいますね。英語のタイトル通りか、または「ブルージーンズをはいたビーナス」にすればよかったのに。といいつつ、ジーンズということばが当時はまだ一般的ではなかったのかもしれません。
裏ジャケに載っている歌詞カードの対訳には「彼女は青いジーパンをはいたビーナスだ」との言葉。タイトルが「青いジーパンをはいたビーナス」となるといくらなんでもダサいですね。まだ「ブルー・ジーン・ビーナス」のほうがましです。

ところで歌詞カードを見てちょっと驚いたことがありました。
実はこの歌詞、ジミー・クラントンが歌っているものと2か所ほど違っているのがわかったんですね。
オリジナルには歌詞カードがないので、では、聴き取りかというと、明らかに聴き取り間違いとは違う単語が置かれているんですね。
で、先程のBruce Brunoというシンガーが歌ったものを聴いたらジミー・クラントンが歌ったものと全く同じであることがわかりました。

ちなみにネットで調べたら(ネットの歌詞もいい加減なのが結構ありますが)ジミー・クラントンが歌ったものと同じ。
これがジミー・クラントンが歌っている歌詞。

She's Venus in blue jeans
Mona Lisa with a ponytail
She's a walkin' talkin' work of art
She's the girl who stole my heart

My Venus in blue jeans
Is the Cinderella I adore
She's my very special angel too
A fairy tale come true

They say there's seven wonders in the world
But what they say is out of date
There's more than seven wonders in the world
I just met number eight

My Venus in blue jeans
Is ev'rything I hoped she'd be
A teenage goddess from above
And she belongs to me

僕が手に入れた歌詞カードに載っている歌詞と異なるのは赤字の部分。
「I adore」の部分が「of my heart」、「more than」の部分が「no more」となっています。
そういえばと思って、例のバリー・マンが歌ったデモ・バージョンを聴いてみたら、これが驚いたことに歌詞カードに記載されているものと全く同じ。
これですね。



推測してみるに、日本でシングルを出す際に、歌詞を送ってもらえないかと頼んだら、デモ用に書いていたものがあったので、そちらが送られてきたんでしょうね。聴き取りで書いたと思われるものに比べて歌詞がとても正確なのはそのためだろうと思います。

ということで、いろんな発見があった「ヴィーナス・イン・ブルー・ジーンズ」。一応歌詞の対訳を載せておきます。歌詞カードの対訳はかなりいいかげんだったので、ジミー・クラントンが歌ったバージョンの歌詞を訳しました。

彼女はブルージーンズをはいたヴィーナス
ポニーテイルをしたモナリザ
歩いたり話したりする芸術作品
彼女は僕の心を盗んだ少女

ブルージーンズをはいたヴィーナスは
僕のあこがれのシンデレラ
彼女は僕の特別な天使
おとぎ話が本当になったんだ

世界には7つの不思議があると言われているけれど
どれも時代遅れのものばかり
世界には7つよりも多く不思議が存在している
僕は8番目の不思議にまさに出会ったんだ

ブルージーンズをはいたヴィーナスは
僕が願っていた通りの
天からやって来た十代の女神
そして彼女は僕のもの

そして最後にジミー・クラントンの「ヴィーナス・イン・ブルー・ジーンズ」を。


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by hinaseno | 2016-07-28 14:23 | ナイアガラ | Comments(0)