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by hinaseno
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大瀧詠一、1997年、ロジャー・ミラーを歌う。(その2)


『DEBUT AGAIN』の「Disc 2」の3にメドレーの形で収録された曲を一曲ずつ確認しておきます。
まずは1曲目の「Tall Tall Trees」。昨日紹介したようにジョージ・ジョーンズとロジャー・ミラーの共作。ジョージ・ジョーンズとロジャー・ミラーがそれぞれ歌っています。

最初に歌ったのはジョージ・ジョーンズのようで、1957年にシングルをリリースしています。ただし、チャートには入っていません。
これがジョージ・ジョーンズの「Tall Tall Trees」。



で、こちらがロジャー・ミラーが歌ったもの。



これはシングルにはなっておらず、1970年に出た『A Trip in the Country』というアルバムのA面1曲目に収録されています。

次は2曲目の「Nothing Can Stop Me」。こちらもジョージ・ジョーンズとロジャー・ミラーの共作。やはりジョージ・ジョーンズとロジャー・ミラーがそれぞれ歌っていますが、ジョージ・ジョーンズが先に歌ったようで、1958年に出したシングルのB面に収録されています。こちらもチャートに入っていません。



ちなみにジョージ・ジョーンズの「Tall Tall Trees」と「Nothing Can Stop Me」は1965年に出た『Long Live King George』というアルバムに収録。「Tall Tall Trees」はB面3曲目、「Nothing Can Stop Me」はA面の1曲目ですね。
ちょっと気になるのはアルバムでは「Nothing Can Stop Me」が「Nothing Can Stop My Love」というタイトルに変えられていること。たぶん歌詞は同じはずなので、どちらかが記載ミスなんでしょうか。なんとなく僕は最初のシングル盤のときのタイトルである「Nothing Can Stop Me」の方が間違いだったのではないかと思っているのですが。

で、ロジャー・ミラーもやはり「Nothing Can Stop My Love」というタイトルで先程と同じ『A Trip in the Country』に収録しています。A面の3曲目ですね。残念ながらこちらはYouTubeにありませんでした。

さて、はたして大瀧さんはジョージ・ジョーンズとロジャー・ミラーのどちらを聴いていたのかということになりますが、それは間違いなくロジャー・ミラーの方。
この日のブログでも触れていますが、大瀧さんは以前、ラジオ番組で、あのリハビリ・セッションのときに「ロジャー・ミラーをカバーした」と語っていたんですね。

大瀧さんがその発言をしたのは1999年に放送された『デイジー・ワールド』という番組。細野さんがパーソナリティーを勤めていて、ゲストに大瀧さんが呼ばれたんですね。
こちらが前編。



そしてこちらが後編。



どのあたりでその話が出てきたかなと久しぶりに聴いたら、この日の二人の話はとにかく面白い。興味深い話が次から次へと。

あのYMOをやった細野さんが昔、はっぴいえんど以前には、実はフォーク・シンガーだったという話とか。ナイアガラー的には有名な「中田君」の話も出てきます。大瀧さんが東京に出てきて2人目に知り合ったというこの人が、僕が最も好きな童謡(「ちいさい秋」「夏の思い出」)の作曲家である中田喜直の息子さんだと知ったときには本当にびっくりでした。で、中田さん経由で細野さんと知り合うという。なんという奇跡的な人との出会いをする人なのかと改めて思ってしまいます。
番組の中で、細野さんはお世辞でも何でもなく大瀧さんの歌のうまさを強調していましたね。ニルソンにすごく歌い方が似ているという言葉も。前にも言いましたがロジャー・ミラーもニルソンにそっくりな歌い方をします。
それから山下達郎の話も。これは結構笑えますね。
一番印象的だったのは「細野さんとは”邂逅”、山下君とは”出会い”」という大瀧さんの言葉。ああ、大瀧さんも”邂逅”を特別な出会いとしての言葉として持たれているんだなと。
「共有の概念」の話もいいですね。「金鉱や水脈を見つけるとみんなに知らせなければならない」とか。

と、いろんな面白すぎる話の最後に(後編の最後の方)、例のリハビリ・セッションの話が出てきます。そこに参加したミュージシャンのひとりである 吉川忠英さんから大瀧さんが秘かにレコーディングをしているということを聴いたぞって細野さんが言ったのに対して答えているんですね。

というわけで、「Tall Tall Trees~Nothing Can Stop Me」は大瀧さんの意識としてはロジャー・ミラーのカバー。となると、タイトルは「Nothing Can Stop Me」ではなく「Nothing Can Stop My Love」とすべきだったようです(大瀧さんが録音したテープに「Nothing Can Stop Me」と記載していたのかもしれませんが)。
それはさておき、さて、大瀧さんは「Tall Tall Trees」と「Nothing Can Stop My Love」が収録されたロジャー・ミラーの1970年に出たアルバム『A Trip in the Country』聴いていたかということになりますが、僕はそうではないと考えています。もちろんジョージ・ジョーンズが歌ったものも聴いていなかったはずだと。
では、どういうきっかけで何を聴いたか、ということですが、それはまた次回に。
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by hinaseno | 2016-06-12 12:21 | ナイアガラ | Comments(0)