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by hinaseno
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僕の「海街diary」in 尾道(その1)


尾道へは『東京物語』のために、これを持っていきました。
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『東京物語』に映った尾道と考えられるシーンとロケをしているときの写真、それから川本三郎さんが20年ほど前に尾道を訪ねられたことが書かれたエッセイが載っている『日本映画を歩く』の文庫本。

『東京物語』の尾道のロケ地に関してはネット上も含めてきっと調べ尽くされているはずなので、僕が何か新しい発見をするというのはありえません。映画にとらえられた風景をいくつ自分の目と足で見つけられるだろうかということを考えながら、とりあえず川本さんが20年前に歩かれた場所を辿りながら浄土寺に向かいました。
ただ、駅から浄土寺までがこんなにも離れているとは正直すっかり忘れていました。でも、うれしかったのはそこまで商店街が連なっていたこと。しかも単純な一本の商店街ではなく、いくつも枝分れした商店街があったり路地があったりするので飽きることはありませんでした。
商店街を歩くのは本当に楽しいですね。古い昔ながらの店もあれば新しくシャレた店もある。尾道は海と商店街と、そして塔のあるお寺と、僕の好きな三つのものがそろっているので最高です。
ちなみに川本三郎さんが尾道に来たのは3月。おそらく1997年。1997年といえば、大瀧さんが「幸せな結末」を発売した年で、それに備えたいわゆるリハビリ・セッションが行なわれた年でもあります。大瀧さんが古い映画に興味を持ち始めるのは2年後の1999年に出た川本三郎さんの『銀幕の東京』を読んでから。そしてお二人は、その10年後の2009年に会うことになるんですね。
大瀧さんのリハビリ・セッションについてはまた改めて。今はずっと『DEBUT AGAIN』にボーナス盤に収録されたリハビリ・セッションを聴き続けています(なんてことを書くから話が長くなりますね)。

川本さんは夜行列車に乗って尾道にやって来ます。ただし例の「安芸」はなくなっていたので乗ったのは「あさかぜ」。その「あさかぜ」も現在は廃止されているようです。
川本さんが尾道に到着したのは朝の5時過ぎ。町はまだ眠った状態。1時間ほど待合室ですごして商店街に。
当時、商店街には大林監督の似顔絵を描いた提灯がつるされていたそうです。尾道出身の映画監督大林宣彦が『転校生』や『時をかける少女』などいくつもの映画を尾道で撮影して、そのブームが続いていたんですね。僕も昔、何人かの友人と尾道に行ったときにも『転校生』の例の石段には行きました。

川本さんは尾道の商店街についてこう記しています。

 商店街には木造三階建ての商家が何軒もある。路地には、現在も使える井戸がある。「晩寄りさん」と呼ばれる漁師のおかみさんたちが屋台で魚を売っている。その場で魚をさばいてくれる。向島に渡る桟橋近くには、終戦後のマーケットを思わせるような商店が何軒か、軒を傾かながらも残っている。
 そんな昔の姿をとどめる商店街を歩いているのが楽しい。いま日本の地方都市はどこも郊外の大型ショッピングセンターに客を取られ、昔からの駅前商店街がさびれる一方になっている。そんななかで尾道は、海沿いの細長い地形が幸いしているのだろう。商店街がなんとか健在である。車ではなく歩いて買物をしている女性たちが多いのにはほっとする。檀一雄が絶賛したというラーメン店「朱華園」の前には開店前から観光客を含めて長い行列が出来ている。

そういえば昼すぎに商店街を歩いていたら、すごく長い行列ができているのに気づいて、何だろうと思ったらまさにそれが「朱華園」でした。

さて、駅から30分ほど商店街をぶらぶら歩いて、ようやく浄土寺に到着。
これが『東京物語』で最初に映る浄土寺。境内の右端にある多宝塔が印象的です。すぐ手前を山陽線の汽車が走っています。
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この遠景、どこから撮影したのかいろいろ調べましたが結局わかりませんでした。おそらくは浄土寺の南側に立ち並んでいる民家の2階あたりから撮ったんだろうと思います。
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by hinaseno | 2016-04-18 12:41 | 映画 | Comments(0)