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by hinaseno
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僕の「海街diary」 ― 鎌倉、牛窓、そして尾道 ―


昨夜はちょっと久しぶりに是枝裕和監督の『海街diary』を観ました。昨年公開されたときに映画館で観てDVDが発売されて観て、これが三度目。
『海街diary』のことは何度かこのブログでも書いたつもりでいましたが、調べたら一度しか書いていませんでした。この日のブログ。3年前の夏ですね。まだ、映画になる2年も前です。映画の感想も書くつもりでいましたが、タイミングを逸してしまったようです。

その日のブログでも書いている通り、僕は川本三郎さんのエッセイで吉田秋生のマンガ『海街diary』を知り、すぐに買って読みました。当時はまだ1巻しか出ていない頃ですね。
本当にいいマンガでいっぺんに大好きになってしまったのですが、ある日やはり好きな映画監督のひとりである是枝監督がそれを映画化するというのを知ったときにはほんとうにびっくり。それから待つこと2年くらい?(撮影期間がかなり長かったんですね)ようやく昨年観ることができました。
映画も素晴らしいものでした。さすが是枝監督です。
冒頭、マンガの最も印象的なシーンである、駅で広瀬すずさん(マンガの役と同じ名前なんですね)が「行きます!」という場面が出てきて、もう涙ぐんでしまいました。

映画の舞台は鎌倉。「海街」とは鎌倉のこと。
鎌倉といえばなんといっても小津です。というわけで、この映画はいくつも小津の映画を思い起こさせるシーンがありました。もちろん是枝監督もそれを十分に意識されて作っています。
たとえば綾瀬はるかさんと広瀬すずさんが鎌倉の山の上から海を眺めるこのシーン。
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こういうのを見ると『東京物語』のこの印象的なシーンを思い浮かべずにはいられません。原節子と笠智衆が立っているのは尾道の浄土寺の境内。
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実は先日、この尾道に行ってきました。もちろん浄土寺にも。

僕には大好きな「海街」が3つあります。
牛窓、神戸、そして尾道。
もしも鎌倉に行けばきっと大好きな「海街」のひとつに加わることはまちがいありません。行っていないけれどもきっと好きになるはずの海街といえば、安西水丸さんが子供の頃に過ごした千葉県の房総半島にある千倉。水丸さんから千倉のことを聞いてそこを訪ねられた川本三郎さんや村上春樹さんも愛している町ですね。もうひとつは函館。このブログでも何度か取り上げた佐藤泰志の『海炭市叙景』の「海炭市」はまさに函館のこと。

さて、尾道。ここには何度も訪れていますが、実は小津の映画を知ってからは一度も行っていませんでした。どうせ行くのならいろいろと調べてからと思っているうちに、時が経ってしまいました。

この日尾道に行った一番の目的はミルクという名の白い猫に会うため。でも、前にも書いた通りミルクに会うことはできなかったのですが。
と言っても意味が分からないですね。

是枝監督が『海街diary』を撮影していた頃、別のある映画が、まさに僕の最も愛する海街、牛窓で撮影されていました。撮影していたのは想田和弘という若い映画監督。この方は映画のみならず数年前から注目していたのですが、牛窓を撮り始めたと知ったときには本当に驚きました。ただしその時点ではまだ映画になるかどうかは想田さん自身もわからなかったようなのですが、それがようやく映画となって公開されたんですね。
タイトルは『牡蠣工場』。
この映画の主演?がどうやらミルクという猫らしいんです。ただ、『牡蠣工場』が岡山で公開されるのがまだ先のことのようなので、早く観たいなと思って調べたら尾道で公開されてるということを知ってとんでいきました。
大好きな海街である牛窓を舞台にした映画を、小津の『東京物語』の舞台になった尾道というやはり大好きな海街の映画館で観るのもいいだろうなと。

ところが、あわてたために上映日程をきちんと確認していなくて、なんと上映は前日までだったんですね。
映画の上映は午後からだったので、10時過ぎに尾道駅に到着して駅近くの映画館の場所を確認しに行ったらポスターも何も貼られていなくて変だと思って改めて調べ直したら上映が終了していることがわかりました。

というわけで、ぽっかりと一日が空いてしまったので、結局、何も下調べをしないままに『東京物語』の舞台を訪ねることになりました。
もしもこの前にあの「撮影日程表」に気がついていれば、あそこにもあそこにも行ったのに、でしたが、でもこの日、尾道に行ったからこそ、あの「撮影日程表」に気づけたんだろうとも思います。映画の神様がいたことは確かです。

上映は終了していましたが『牡蠣工場』のパンフレットはちゃっかりいただいてきました。最初のレビューを書かれていたのはこのブログでも何度も登場されている平川克美さん。いつものことながら心に沁みるいい文章を書かれています。冒頭、川本三郎さんの話も。
想田和弘さんの『牡蠣工場』、ぜひ機会があれば観てください。もちろんパンフレットを買うのもお忘れなく。

というわけで次回は、僕のたった一日だけの海街diaryを。
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by hinaseno | 2016-04-17 11:41 | 雑記 | Comments(0)