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by hinaseno

もしもあなたが私の人生から立ち去らなければならないのなら


先日、2015年の「今年の3枚」の話をしたときに、こんなことを書きました。

聴いたのは新春になったけど、最後の最後にずっと楽しみにしていた”あのアルバム”が4年ぶりに出ました。年始はこればっかり聴いていました。

そのアルバムというのはこのCDのこと。
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『これからの人生。 選曲・小西康陽』。
ハイファイ・レコードの年末恒例のプレゼントである『これからの人生。』はここ3年はハイファイ・レコードのスタッフが選曲したものになっていましましたが、4年ぶりに小西さん選曲(もちろんナレーションも)のものが出たんですね。これに気がついたのはちょうどハイファイが年末最後の営業日の夜。ということで聴くことができたのは2016年の新春ということになりました。その間、どのレコードにしようかとあれこれ考える日々が続きました。手に入れたレコードについてはまた後日。

さて、ひさしぶりに聴く小西さん選曲の『これからの人生。』は、今まで通り、バカラックやロジャー・ニコルズやレノン=マッカートニーの作品のめずらしいカバーがいくつも聴くことができました。
いちばんびっくりしたのはバリー・マンの自作自演の曲。これは秘密にしておきます。まさかあの曲を自分で歌っていたとは、でした。
いちばんよかったのはリンダ・カーという女性シンガーが歌った「If You Must Leave My Life」。



作曲はジミー・ウェブ。オリジナルはたぶんリチャード・ハリスが歌ったものだと思いますが、リンダ・カバーのカバーは素晴らしいの一語。この曲の魅力を新たに発見しました。
てことで、この曲の聴き比べをいくつかしているとき、YouTubeでリンダ・カーの音源を探していたらRoslyn Kindという女性シンガーが歌ったものを見つけました。
声量がないのが気になりますが、これもなかなかいいです。



「If You Must Leave My Life」というとこのAl Martinoというシンガーも『Wake Up To Me Gentle』というアルバムでカバーしています。このアルバムはいい曲をカバーしていて僕もレコードを持っていますが、その中のこの「I Can See Only You」もかかりました。



『ロジャー・ニコルズ&スモール・サークル・オブ・フレンズ』に収められた本当に美しい曲。Al Martinoが歌ったものよりも、やっぱりこちらの方がいいですね。



この曲、「ゴー!ゴー!ナイアガラ」でもかかっています。ロジャー・ニコルズのアルバムの中ではかなり地味な曲なのでちょっと意外でした。きっと大瀧さん、この曲好きなんでしょうね。

そういえば小西さんがロジャー・ニコルズのことを知ったのも「ゴー!ゴー!ナイアガラ」。1977年8月15日の放送でかかった「Kinda Wasted Without You」がきっかけだったようです。その頃小西さんは浪人していたときだったかな。浪人という暗い日々を「ゴー!ゴー!ナイアガラ」が助けていたわけです。
そういえば「ゴー!ゴー!ナイアガラ」のリスナーには浪人生が多くて、”ナイアガラ浪人サークル”なんてものが結成されていたようです。会長もいたんですね。

『ロジャー・ニコルズ&スモール・サークル・オブ・フレンズ』が日本ではじめて(世界初でもあったはず)CD化されたときに、その解説を書かれていたのが小西さん。冒頭でこんなことを書いていました。

できるなら朝妻一郎氏か長門芳郎氏、あるいはあの幻の名番組『ゴー・ゴー・ナイアガラ』でこの素晴らしいグループをはじめてぼくの耳に届けて下さった大瀧詠一氏のように、ポップスの全てを知り尽くした大先輩による「スモール・サークル・オブ・フレンズ物語」を読ませていただく側にまわりたいほどですが、今回はとりあえずぼくの覚え書きを付録として、このアメリカン・ポップスの知られざる大傑作をお楽しみください。

この解説を読んでいた頃、まさかその”幻の”「ゴー!ゴー!ナイアガラ」のロジャー・ニコルズの曲がかかった日の放送が聴けるようになるとは思ってもみませんでした。
by hinaseno | 2016-01-20 14:31 | 音楽 | Comments(0)