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by hinaseno
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Train Runs In The Moonlight


『月夜とめがね』展で買った箱の話をもう少し。
あの箱を見たときには、これは自分のために作られたものだと思ってしまいました。
何よりもあの銀河鉄道を思わせる汽車。窓の所には何か反射する素材が貼り付けられていて、光をあてるときらきらと反射して、なんともきれいなんです。
それから、色がまた素晴らしいんですね。
ペパーミント・ブルー系の色。
でも、なんともいえない味わいのある色です。これはこの色だけではなく、絵本のあらゆる場所に使われた色にも言えること。

で、箱にはこんな言葉が添えられています。

月の光は、
うす青く、
この世界を
照らして
いました。


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これは汽車の絵が描かれたページの最初にかかれている言葉。
「月の光」といえば、ドビュッシーの「月の光」。大好きなこの曲にまつわる話はこのブログでもいろいろ書いてきました。
そういえば最近、もうひとつこの曲にまつわる話が増えました。
数年前から注目している想田和弘さんという若い映画監督(撮られているのは主に観察映画と呼ばれるもの)の新作がようやく公開されることになりました。
タイトルは『牡蠣工場』。舞台はなんと牛窓!
想田さんが2年程前の夏に牛窓にかなり長期間滞在されて、いろんなものを撮影されていたことは知っていましたが、それがようやく作品という形で発表されたんですね。すでに海外の有名な映画祭で上映され高い評価を得ているようです。
その映画『牡蠣工場』の予告編で使われていたのがドビュッシーの「月の光」でした。



早く観たいです。
先日、牛窓に行ったときに、その牡蠣工場のある場所も見てきました。
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さて、月の光といえば、もう一曲大好きな曲があります。ビリー・ヒルという人が書いた「In the Chapel in the Moonlight」。この日のブログから3日間続けてこの曲を取り上げています。
で、この日のブログで紹介したキティ・カレンというシンガーが、おひさまゆうびん舎で箱を買った翌日に亡くなられました。正直、まだご存命だったということに驚いてしまいました。95歳。そういえば原節子さんが亡くなられたのも95歳でした。
というわけで、改めて彼女の歌う「In the Chapel in the Moonlight」を貼っておきます。



こんなふうにあの箱には僕の好きな要素がいくつもちりばめられているのですが、それ以上にこの箱に惹かれるのは、そこに祈りのようなものを感じるからなのかもしれません。
高橋和枝さんの絵には、きっといろんなスタイルがあるんだろうとは思いますが、この『月夜とめがね』に関して言えば、高橋さんは一枚一枚の絵を祈りながら描かれていたような気がします。それが原画展を見て感じたことでした。
とりわけ汽車の絵の描かれた箱にはそれを感じました。

これからもときどきこの箱を開けてみようと思います。ある日、びっっくりするようなものを見つけることができるような気もします。
そのときにはまた、そんな小さな箱の物語を書いてみたいと思います。もしかしたらそれは「小さな箱を手渡す物語」になるかもしれません。
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by hinaseno | 2016-01-11 12:19 | 雑記 | Comments(0)