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by hinaseno
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スナッフ・ギャレットのリバティ・サウンドとキャロル・キング(その3)


キャロル・キングのことを考えていたら、今朝、こんな映像がアップされているのを知りました。
キャロル・キングが先日、ケネディ・センター名誉賞を受賞して(小澤征爾も受賞していて、キャロル・キングと小澤征爾が一緒に写った写真を見たときはびっくりでした)、その受賞を称えるために行なわれたパフォーマンスが一昨日ぐらいに放映されて、その映像がアップされたようです。はっきり言って、泣けます。
アレサ・フランクリンの歌う「ナチュラル・ウーマン」も感動しますが、キャロル・キングの数ある曲の中でも最も好きな曲のひとつである「アップ・オン・ザ・ルーフ」をジェームス・テイラーが”屋根の上で”ギター1本で歌っている映像にはやられました。
それから会場で流された映像の中に、若き日(おそらく1960年代初頭)の”動く”キャロル・キングとジェリー・ゴフィンの姿を見ることができたのもうれしかったです。
改めて、今の時代に、キャロル・キングの曲がアメリカという社会の中でしっかりと生きているのを確認できました。

さて、昨日、少しだけ触れたキャロル・キングが歌ったボビー・ヴィーのために作ったもう1曲のデモの話。
それは「ゴー!ゴー!ナイアガラ」の第1回目の放送の最後にかかったこの「It Might As Well Rain Until September」という曲。もともとデモだったんですが、いろんないきさつからシングルとして発売されたんですね。で、彼女が歌ったものとしては初ヒットとなります。
大瀧さんは曲をかける前に「実に名曲で彼女のベスト3に入る曲だと僕は思います」と言っていましたが、僕も最近では彼女の曲の中で一番好きな曲になっています。



曲は「Take Good Care Of My Baby」の路線で作られていることは確か。ただ「Take Good Care Of My Baby」からは1年くらい経っているので、曲としては一段も二段も成長しているように思います。 そしてこれ以上ないくらいにスナッフ・ギャレットのリバティ・サウンドしています。

では、なぜ彼女のデモがシングルになったのか。
1962年の夏の初め、キャロル・キングとジェリー・ゴフィンはボビー・ヴィーのために4つの曲を作りました。「What About Me」「Tears Wash Her Away」「If She Were My Girl」そして「It Might As Well Rain Until September」。ボビー・ヴィーはこれらの曲を6月20日に録音。
ところが、当時、キャロル・キングとジェリー・ゴフィンがかいた「Sharing You」がヒット中だったこともあって、スナッフ・ギャレットは録音した4曲をシングルで発売することを見送ります。あわてなくてもいずれ適当な時期に使えばいいと考えたんでしょうね。結局はそれらの曲はシングルとして発売せずに翌年に出たアルバムに収録されることになるのですが。

キャロル・キングとジェリー・ゴフィンは4曲のうちで「It Might As Well Rain Until September」は当然シングルとして使われるだろうと期待していました。詞も9月になる前までの夏に聴かれるべき内容だったので、すぐに発売されないことを残念がっていたところ、彼らが所属していたアルドン出版の社長のドン・カーシュナーがキャロル・キングの歌ったデモに多少いくつかの楽器をオーバーダヴィングして発売することを決めます。さすが”黄金の耳を持つ男”と言われるだけありますね。シングルは7月末に発売されて8月の末にチャートイン。プロモーションをほとんどしていないにもかかわらず、最高位22位のヒットとなります。

ところで翌年出たアルバムに収録されたボビー・ヴィーのバージョンがこれ。



正直、あまりよくないですね。やはりこれは作った本人によって、そして男性ではなく女性に歌われるべき曲だったように思います。ボビー・ヴィーが仮にシングルとして出していてもそれほどにはヒットしなかったような気がします。スナッフ・ギャレットもそれを見抜いていたのかもしれません。

曲の運命というのはわからないものです。
と、ふと気がついたんですが、こんな背景もなんだか「君は天然色」に重なっていますね。
『ロング・バケーション』の1曲目に収録された「君は天然色」はもともとは女性の須藤薫さんのために書かれた曲。でも、須藤さんのプロデューサーが曲が女性向きではないというのでボツにしたために、大瀧さんのところに”戻って”きたんですね。

ところで、先程も少し触れましたが「It Might As Well Rain Until September」はタイトルに9月がついていますが、夏の曲。せっかくなので歌詞を貼っておきます。最初のヴァースの部分の歌詞は、僕の大瀧さんへの気持ちそのままです(ネットで歌詞を検索したら最初のバースの部分が「What shall I write」となっているものばかりでしたが、その意味も含めてどう聴いても「What should I write」と歌っているので調べたら「What should I write」となっている歌詞もありました)。

What should I write?
What can I say?
How can I tell you how much I miss you?

The weather here has been as nice as it can be
Although it doesn't really matter much to me
For all the fun I'll have while you're so far away
It Might As Well Rain Until September

I don't need sunny skies for things I have to do
'Cause I stay home the whole day long and think of you
As far as I'm concerned each day's a rainy day
So It Might As Well Rain Until September

It doesn't matter whether skies are gray or' blue
It's raining in my heart 'cause I can't be with you
I'm only livin' for the day you're home to stay
So It Might As Well Rain Until September

My friends look forward to their picnics on the beach
Yes, ev'rybody loves the summertime
But you know, darling, while your arms are out of reach
The summer isn't any friend of mine

The weather here has been as nice as it can be
Although it doesn't really matter much to me
For all the fun I'll have while you're so far away

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by hinaseno | 2015-12-31 15:52 | ナイアガラ | Comments(0)