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by hinaseno

スナッフ・ギャレットのリバティ・サウンドのクリスマス


今日はクリスマスということなので、例年通り(?)クリスマスソングの話を。
今年は結局、クリスマスのレコードを何も買いませんでした、と書きかけて、そういえば、夏に古本屋の隅におかれた段ボール箱の中で見つけたパット・ブーンのこのレコードを買っていたことを思い出したので、それを聴きながらそれを書いています。ちなみに僕が買ったのは日本盤の10インチのレコード。オリジナルは1959年に出ているようです。
スナッフ・ギャレットのリバティ・サウンドのクリスマス_a0285828_13581359.jpg

クリスマスのアルバムを集め始めた最初の頃に買ったものと言えば、やはりライノから発売されたオムニバス。
『Rockin’ Christmas THE 50s』(LP)
『Rockin’ Christmas THE 60s』(LP)
『Christmas Classics』(CD)
『Doo Wop Christmas』(CD)
スナッフ・ギャレットのリバティ・サウンドのクリスマス_a0285828_13583866.jpg

LPもCDも、どれも本当に良かったです。何度聴いたことやら、ですね。これらのアルバムでロックン・ロールのクリスマスの名曲を覚えました。

で、昨日気がついたことですが、この2枚のCDにはそれぞれ1曲ずつスナッフ・ギャレットがプロデュースしたクリスマスソングが収められていました。
まずは『Christmas Classics』。このCDに収められていたのはスナッフ・ギャレットのリバティ・サウンドを代表するボビー・ヴィーの「A Not So Merry Christmas」。



ボビー・ヴィーの大ヒット曲「Run To Him」っぽいアレンジですね。ちなみにアレンジはアーニー・フリーマン。アーニー・フリーマンはボビー・ヴィーの曲のほとんどのアレンジをしています。

さて、クリスマスの名曲といえば何といっても「White Christmas」。本当にいろんな人が歌っています(パット・ブーンのレコードのアルバム・タイトルも「White Christmas」)。いろんなアーティストの歌う「White Christmas」を収めたコンピレーションを作って聴き比べをしていたこともあります。そのアーティストの個性を活かしたアレンジがなされていたりするのが何とも楽しいです。
で、ボビー・ヴィーも先程の「A Not So Merry Christmas」を収めたクリスマス・アルバム『Merry Christmas From Bobby Vee』で、この「White Christmas」をカバーしています。いかにもボビー・ヴィーらしいアレンジ。プロデュースはもちろんスナッフ・ギャレット、アレンジはアーニー・フリーマン。



「White Christmas」といえば、ビング・クロスビー、ではなくて何といってもドリフターズ。このブログでも何度も取り上げてきました。ドリフターズの「White Christmas」は『Christmas Classics』と『Doo Wop Christmas』の両方に収録。これがロックン・ロール史上の名唱であることはまちがいありません。
で、『Doo Wop Christmas』のほうにはもう1曲別のグループが歌う「White Christmas」が収録されていて、これがすごくいいんですね。初めて聴いたときから大好きになりました。



歌っているのはThe Statuesというグループ。このブループのことは謎だったんですが、ボビー・ラッセルのことを調べていたときに買ったバズ・ケイソンの自伝『LIVING THE ROCK’n’ROLL DREAM: THE ADVENTURE OF BUZZ CASON』を読んでいたときにわかったんですね。The Statuesというのはバズ・ケイソンが作ったホワイト・ドゥーワップのグループ。彼らはリバティでプロデューサーとしての仕事を始めたばかりのスナッフ・ギャレットにプロデュースを依頼します。その中の1枚がこの「White Christmas」だったんですね。いいはずです。

これはバズ・ケイソンの自伝に載っていたThe Statuesのレコーディング風景の写真。
スナッフ・ギャレットのリバティ・サウンドのクリスマス_a0285828_1359329.jpg

真ん中がスナッフ・ギャレット、一番左がバズ・ケイソン。
ちなみに一番右はエルヴィスやリッキー・ネルソンのバックコーラスをしていたジョーダネアーズにいたヒュー・ジャレット。

興味深いのはバズ・ケイソンとスナッフ・ギャレットの間にいる女性。実はこの人はあのロニー&デイトナスのロニーこと”バッキー”・ウィルキンの母親。名前はMarijohn Wilkin。彼女はソングライターでもありましたが音楽業界でかなり影響力のあった人のようです。

スナッフ・ギャレットにボビー・ラッセルを紹介したのはおそらくバズ・ケイソン。ボビー・ラッセルは”バッキー”・ウィルキンと、この素敵な曲をロニー&デイトナスのために書きます。



で、これをもとにして大瀧さんが松田聖子のために書いたのがこの「一千一秒物語」。スペクター・サウンドとリバティ・サウンドが合体した最高にロマンチックなクリスマスソングです。



ということでThe Statuesの「White Christmas」にはエルヴィスから大瀧さんまでいろんなことがつながっています。
by hinaseno | 2015-12-25 14:06 | 音楽 | Comments(0)