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by hinaseno

ジョー・スタッフォードとテッパー&ベネットのことなど


1977年2月15日に放送されたゴー!ゴー!ナイアガラの「早口オールディーズ大会」、注意深く聞くと、笑えるところがある一方で、さすがと思わされるところもいくつも。
へえ〜っと思ったのは、大瀧さんが最後から二人目に出題した「ジョー・スタッフォード」。
ジョー・スタッフォードは有名なポピュラー歌手なので、僕ももちろん名前は知っていますが、何か1曲となると、よっぽどの人でないと出ないような気がします。
このディスコグラフィーを見ればわかる通りジョー・スタッフォードは1944年から1954年にかけてヒット曲を連発しています。ナンバーワンヒットもいくつか。でも、1955年、つまりロックンロールの時代になるとヒット曲がなくなってしまっています。大瀧さんはきっと『Top pop records, 1955-1970』の最初の方のチャートを見て、その下の方にあった彼女の名前に目がとまって、かなりいじわるな気持ちで出題したんでしょうね。当然、亀渕さんも困っちゃって「ひいお祖父ちゃんが...」とか言いながら少し時間稼ぎをして、でもこう言いました。もちろんアヤしい日本語で(トニー・谷のまね?)
「お〜、ロンドン・ブリッジ、ありましたねぇ」

これに大瀧さんも爆笑。

さて、「ロンドン・ブリッジ」って何だろうと思って、一枚だけ持っているジョー・スタッフォードのベスト盤のCD(輸入盤)を見ましたが入っていませんでした。で、ネットで調べたらわかりました。
この「On London Bridge」という曲。



「霧のロンドン・ブリッジ」という邦題で日本でもヒットしたようです。曲がリリースされたのは1956年。全米チャートで最高38位まで上がっています。その年亀渕さんは14歳。大瀧さんは8歳。

たぶん初めて聴くはずですが、とてもいい曲。でも、どこかで聴いたことのあるメロディ。僕の大好きな、あのコード進行が使われています。
曲を書いた人はシド・テッパーとロイ・C・ベネット。エルヴィスに多くの曲を提供しているコンビ。大瀧さんのことだからテッパー&ベネットの曲を調べる中でジョー・スタッフォードの「霧のロンドン・ブリッジ」を知ったのかもしれません。それを亀渕さんが答えたんでびっくりしたのかもしれません。
そういえばテッパー&ベネットはジョニー・ソマーズのこの「Since Randy Moved Away」という曲も書いています。大好きな曲。



テッパー&ベネットのことはこの日のブログでもちらっと書いていますね。この日のブログでも書いていますが、テッパー&ベネットでいちばん好きなエルヴィスの曲はなんといっても達郎さんもカバーした「エンジェル」。



久しぶりに『エルヴィス・プレスリー ”フロム・ナッシュビル・トゥ・メンフィス” ジ・エッセンシャル・60’s マスターズ 1』の大瀧さんの解説を読んでいたら「エンジェル」についてこんなことが書かれていました。
この天使のような女性コーラスはフランキー・アヴァロンの「ヴィーナス」の影響があります。

なるほど、でした。その「天使のような女性コーラス」を大瀧さんは「風立ちぬ」で使ったわけです。
この解説でも触れられていた、映画『ガール!ガール!ガール!』の中で歌われた「似合いのカップル(A Boy Like Me, A Girl Like You)」もテッパー&ベネットの曲。最近のお気に入りです。



ところでジョー・スタッフォードのCD、特に何か聴きたいものがあったというわけでもないのに、なんで買ったんだろうかと思ったのですが、理由がわかりました。

キャピトル・コレクターズ・シリーズだから。

1990年頃にアメリカのキャピトル・レコード(Capital Records)からキャピトル・コレクターズ・シリーズと題して素晴らしいCDがいくつも出たんですね。最初に買ったのはたぶんフォー・フレッシュメン。初めてフォー・フレッシュメンの声を耳にしたCDでした。それからナット・キング・コールやらペギー・リーやらファイブ・キーズやら、このシリーズなら信頼できると思っていくつも買って、その中でジョー・スタッフォードや彼女が在籍していたパイド・パイパースも買ったようです。
次は何がでるんだろうかとわくわくした日々。極め付きがハニーズでした。
あんな気持ちでCDを買っていた時代はもう二度と戻ってこないんでしょうね。

これが今、手元にあるキャピトル・コレクターズ・シリーズのCD。もう少しあったはずですが、何枚かは売ったようです。
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と言いつつ、このシリーズは久しぶりに興奮しました。これらについての話もしたくてうずうずしていますが、もう少しだけ後に。宮治さん、本当に素晴らしいお仕事でした。とにかく早く手に入れることをお勧めします。
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by hinaseno | 2015-09-12 14:08 | ナイアガラ | Comments(0)