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Talks About Music, Books, Cinema ... and Niagara


by hinaseno
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小山清展で世田谷ピンポンズに出会う、そしてよしもとばななの「鳥たち」のこと


長らく書き続けている「早春の小田川」、足に血豆ができたように、指先に血豆ができそうなので(うそ)、ちょっと一息ついて、昨日のことを。

姫路のおひさまゆうびん舎で開かれている小山清展に、昨日が最終日とのことで再び行ってきました。もう少し前に行こうと思っていましたが、靴を履いて歩くのも大変な状態が続いていたので(これはほんと)。でも、偶然のうれしい出会いというものは用意されているものです。

僕が小山清に関する本を読んでいたときに、突然店主の窪田さんの大きな叫び声。
現れたのはギターを抱えた男性と女性。窪田さんがかなり興奮されているものの僕にはだれなのかわからなかったので紹介してもらいました。
世田谷ピンポンズというシンガーソングライター。どこかで目にした名前とは思いつつそのときにはわかりませんでした(あとで確認したらやはり何度も目に入っていました)。夏葉社のイベントで歌われたり、最近ではピースの又吉直樹さんが詞を書かれた「アナタが綴る世界」という曲を歌われているようです(作曲は世田谷ピンポンズ)。
少しお話しさせていただいたら本の世界にもかなりお詳しい。木山捷平展にも行かれたとか。『木山捷平全詩集』もお持ちだというので、そこに収められている「船場川」という詩の話をして、その川がおひさまゆうびん舎から歩いて5分くらいのところにある姫路城のすぐ脇を流れているので、よかったら見ておいて下さいとお伝えしました。でも、ギターをかかえたままそこまで歩くのは大変なので行かれたかどうかはわかりません。
木山さんの詩が高田渡に歌われていることもご存知だったので、「ぜひ木山捷平の詩に曲をつけて歌って下さい」とお願いしてしまいました。世田谷ピンポンズさんがどんな歌を歌われているのかわからないのにもかかわらず。

家に戻ってYouTubeにアップされている曲をいくつかチェックしてみたら、心惹かれる曲名がずらっと。
「わが町」(ソーントン・ワイルダーのスモール・タウン小説と同じ題名!)、「マイリトル東京」、「ターミナル駅」、「名画座」、「喫茶ボンボン」。これだけでも世田谷ピンポンズさんが”小さな町”を愛されていることがよくわかります。詞の世界もそして曲も、現在30歳とは思えないなつかしいフォークソングの雰囲気。
語りもいいですね(お話しした時と声のトーンは同じでした)。で、独特のユーモアがあります。「林檎の木の下で」や「おっぱい畑でつかまえて」という曲のタイトルも思わずにっこりです。
というわけで2曲ほど紹介します。まずは聴いた中では一番気に入った「喫茶ボンボン」。



それから「庭」。これはちょっと高田渡の曲(例えば大好きな「アイスクリーム」とか「コーヒーブルース」)の雰囲気があります。 「ひょっこり」という言葉が出てくるのもうれしいです。木山捷平の詩に曲をつけて下さいという僕のお願いも大きくは外れてはいなかったようです。



いずれも最新のアルバム『紅い花』に収録されているようです。『紅い花』にはほかにも「ターミナル駅」や「わが町」も収録されているので、先ずはじめに聴いてみたいのはこのアルバム。で、このアルバムには収録されていませんが、広島の町のことを歌った「チンチン電車の走る街で」という曲があることもわかりました。路面電車好きとしてはぜひとも聴いてみたい曲です。ということで世田谷ピンポンズさん、応援します。

さて、おひさまゆうびん舎では前回読めなかったものをじっくりと読ませていただきました。新たな発見もありました。それから展示されていた本をお借りして近所のコンビニでコピーまでさせてもらいました。展示品を持ち出してコピーが出来るなんてすごいですね、というか僕がずうずうしいだけの話ですが。

で、その後、店の中を眺めていたらこの本を発見。
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よしもとばななさんの『鳥たち』。この作品のことはこの日のブログで書きました。僕が今、最も注目しているミュージシャンである青葉市子さんの「いきのこり●ぼくら」という曲の詞が引用されている作品。単行本になっていたのは知っていましたが、雑誌を持っていたのでどうしようかと思っていたもの。ここで出会えたのも何かの縁ということで購入しました。
で、昨夜、あとがきを読んでちょっとびっくりなことが。
前回、『鳥たち』を紹介したときに僕はこんなことを書きました。
ここに出てくる「峡谷」も作品の中に大事な場所として登場します。あるいは「慣れなきゃ」という言葉も。もう少し言えば、青葉さんの他のアルバムに収められた曲のタイトルや歌詞に使われている言葉もちりばめられています。たまたま、ではないでしょうね。やはり意図されてのこと。

青葉市子さんの「いきのこり●ぼくら」に出てくる言葉がいくつも作品の中にちりばめられていたので、これは「たまたま」ではないと。よしもとさんが意図して作品の中に入れたんだろうなと。でも、実は「たまたま」だったようです。こんなことが書かれていました。
まるでこの曲( 「いきのこり●ぼくら」)を聴いて創った話みたいじゃないか、と言われたらなにも言えないくらい、私の心の中のカップルとこの歌は同じでした。峡谷が出てくるのもいきのこりなのも全くの偶然なのですが、信じてもらえないほうがむしろ自然なくらいのシンクロ率でした。

こういう「偶然」があることはよく知っているとはいえ、勝手な推論をして申し訳ありませんでした。
ところでその『鳥たち』の帯にはよしもとさんのこんな言葉がありました。素敵な言葉なので引用しておきます。
今はきゅうくつな時代です。でも私も作品を創る仲間たちも主人公たちも、いつも生命の力のほうを見ています。そして私は「本」が大好きです。その気持ちもたっぷりこめました。みなさんがこの小説の命と友だちになって下されば、これ以上の幸いはありません。

ということで、おひさまゆうびん舎さん、素敵な展示会どうもありがとうございました。
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by hinaseno | 2015-04-06 12:16 | 雑記 | Comments(0)