Nearest Faraway Place nearestfar.exblog.jp

好きなリンク先を入れてください

Talks About Music, Books, Cinema ... and Niagara


by hinaseno
プロフィールを見る
画像一覧

Feeling Jockey


今、ちまたで、いや、ごく一部の間で大盛り上がりの(?)「Feeling Jockey」の話を。

元日に、例の「お年玉」がきっかけで、久しぶりに『大瀧詠一的2011』を聴き返していたら、(3of3)の13分あたりで、大瀧さんの口から「Feeling Jockey」の話が出てきました。こんな話。
『ゴー!ゴー!ナイアガラ』で放送しなかった「Feeling Jockey」っていうのをラジ関(ラジオ関東)でやったでしょ。「Feeling Jockey」って、1曲目だけ決めてて、...「ドゥ・ザ・ハッスル」(ヴァン・マッコイの曲)で始めて、自分の家にあるレコードを順番で、適当につなげていくわけ。あれは大変だったよ。1曲ずつ調べてこうやって回して、頭出ししてこうやってってなるけど、次の曲を決めてないわけ。で、1曲終わったら次の曲を探すわけ。なんだけどあんまり長いと間が持たないから、てか、間があくので、じゃんじゃんじゃんじゃんいかなきゃいけない。

もちろん僕は「Feeling Jockey」なんて聴いたこともなかったのですが、そういえばと思って、その日の朝、毎日チェックしているcircustown.netに新しい記事がアップされていいて、ちょっと長かったのであとでゆっくり読もうと思っていたその記事のタイトルが確か「Feeling Jockey」だったような気がしたな、と思って改めて見直してみたらやはりそう。まさにその日の放送についての詳細なコメントでした。これです。
すぐに読んでみようかと思ったのですが、できれば音源を聞いてみてからにしたいなと思ったので、そういうときにはいつもお願いするある方に連絡してみたら速攻で送っていただきました。今年2つめの超ビッグなお年玉となりました。

番組は『大瀧詠一的2011』で大瀧さんが言われているように、ある曲をかけて、その曲がかかっているはじめの短い時間のうちに大瀧さんが感じとったものからひらめいた曲を次にかけていく。そのくりかえし。民謡、ソウル、ポップスと国も時代もジャンルもバラバラ。ラジオ体操まであります。

かかった曲(全部で49曲)のうち、曲やアーティストがぱっとわかったのは20曲足らず。霧の中のトニー谷さんはほぼすべての曲目を探り当ててたんですね。すごい。
3曲ほどあった不明曲も数日後に判明したようです。最後に判明したのがどうやら Rose Gardenの「February Sunshine」とのこと。実は録音したものを送っていただいた日の翌日の夜、車ではじめて聴いたときに、ソフトロック調のいい曲に思わず反応して、でも、アーティストも曲のタイトルも浮かばなかったけど、どこかで聴いたことがあるなと思って、あとで調べてみようと思っていた曲。やはり僕のiTunesに入っていた曲でした。残念でした。『Peaceful-Soft Rock Cellection』というアルバム。長門芳郎さんが監修されたものですね。

それにしても霧の中のトニー谷さんの分析にはただただ脱帽。いくつかのこじつけっぽい深読みもニンマリです。

個人的にいちばん気に入ったのは霧の中のトニー谷さんも「今回のラジオのハイライト」と書かれている「南部牛追唄」からGeoge McCraeの「Rock Your Baby」へといくつながり。ジャンルが違いすぎるのにこの不思議な融合感。はまりすぎています。これぞまさしくナイアガラ。

「南部牛追唄」は前にも触れた布谷文夫さんの「深南部牛追唄」のもとになっている曲。「深南部牛追唄」は、大瀧さんのナイアガラ・ヒストリーの中で最も重要な曲なのではないかと思って、今、ちょうどいろいろ調べているときだったので、このつながりはとても興味深いものがありました。
「深南部牛追唄」と「Rock Your Baby」のイントロの感じ(特にリズム)はよく似ているので、もしかしたらこの曲を下敷きの1つにしたのかもしれません。

「南部牛追唄」と「Rock Your Baby」のつながりはとなると霧の中のトニー谷さんも困っているようですが、もしかしたらそれは〈岩手〉つながりではないかと。
「南部牛追唄」は南部藩、つまり岩手の民謡。「Rock Your Baby」の”rock”はもちろん「岩」。この曲、最後は”Take me in your arms and rock me”と繰り返されます。”arm”は「腕」、「手」につながります。”rock”と”arm”で「岩手」。
で、これは「Feeling Jockey」の前の「深南部牛追唄」を作るときに見つけられていたつながりだったのではないかと。咄嗟の感覚にしては、ここだけはつながり、あるいは音の重なりがあまりに見事すぎるので。
いや、このつながりを見事すぎると思えてしまうのは、僕やおそらく霧の中のトニー谷さんもナイアガラの曲の世界にどっぷりとはまっているからこそなのかもしれません。

ところで、この「Feeling Jockey」、番組の最初はこれから何度かやってみようと思っています、とのことでしたが、番組の最後はというと。
「いや〜、疲れた、とってもしんどい、これは。汗びっしょりであります。もう疲れたから、もうこういうのはやめます」

ということで、この放送はお蔵入りとなり、2度と「Feeling Jockey」が行なわれることはありませんでした。でも、これほど大瀧さんらしさが出ているものは他にないように思いました。ご自分でも『レッツ・オンド・アゲン』よりもこのときの番組の方がまさっているとおっしゃられてますね。
[PR]
by hinaseno | 2015-01-09 12:39 | ナイアガラ | Comments(0)