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by hinaseno
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『アメリカン・ポップス伝パート4』の第一夜で語られた物語(1)


『アメリカン・ポップス伝パート4』の第一夜でかかった曲をずらっと並べておきます(ほんの一瞬、1フレーズだけちらっとかかった曲も)。テーマはドゥーワップ。
Why Do Fools Fall In Love / Frankie Lymon & The Teenagers
Baby I Love You / The Ronettes
I Want You To Be My Girl / Frankie Lymon & The Teenagers
Gee / The Crows
Abaniquito / Tito Puente
Count Every Star / The Ravens
Count Every Star / Linda Scott
White Christmas / The Ravens
White Christmas / The Drifters
お正月 / トランク短井(大瀧詠一)
Crying In The Chapel / The Orioles
Will You Be Mine / The Swallows
The Door Is Still Open / The Cardinals
That’s My Desire / The Flamingos
I Really Want To Know / The Flamingos
Sh-Boom / The Chords
The Glory Of Love / The Five Keys
Don’t You Know I Love You / The Clovers
Sincerely / The Moonglows
I'll Be Home / The Flamingos
Baby, It's You / The Spaniels
Goodnite, Sweetheart, Goodnite / The Spaniels
At My Front Door / The El Dorados
Darling Dear / The Counts
Why Don't They Let Us Fall In Love / The Ronettes
Gee / The Crows
Sunday Kind Of Love / The Harptones
Where Are You / The Mello Moods
Dear One / The Scarlets
In The Still Of The Nite / The Five Satins
Lonely Nights / The Hearts
A Thousand Stars / The Rivileers
A Thousand Stars / Kathy Young
A Thousand Miles Away / The Heartbeats
Little Girl Of Mine / The Cleftones
Let's Turkey Trot / Little Eva
Soldier Boy / The Four Fellows
Soldier Boy / Elvis Presley
You / The Duponts
Tears On My Pillow / Little Anthony & The Imperials
Rubber Biscuit / The Chips
Speedoo / The Cadillacs
Zoom / The Cadillacs
Rang Tang Ding Dong (I Am The Japanese Sandman) / The Cellos
Rama Lama Ding Dong / The Edsels
Ka-Ding Dong / The G-Clefts
Come Go With Me / The Del Vikings
I Love My Baby / The Tokens
While I Dream / The Tokens
I Wonder Why / Dion & The Belmonts
A Teenager In Love / Dion & The Belmonts

1曲目はフランキー・ライモン&ティーンエイジャーズの1956年の大ヒット曲「Why Do Fools Fall In Love」。ドゥーワップの代表曲を、ほぼ発売された年代順に並べて収録しているライノの4枚組『DOO WOP BOX』では2枚目の2曲目に収録されています。つまり、ドゥーワップの歴史を考えれば第3項くらいに出てくる曲といえるでしょうか。
この曲から物語はいろんな”つながり”で展開していきます。正直にいえば、なんであの超有名曲が出てこないんだろうとか、あるいはなぜこのアーティストのこんな曲が取り上げられたんだろうとか、疑問に感じてしまうような選曲はいくつも。
でも、そういうのはあとで冷静になってわかったこと。聴いているときには、何度聴いても大瀧さんの見事なつながりの物語にひきこまれてしまいます。そらには(結局は前年ながら大瀧さん自身によって語られることがなくなってしまった)次の物語への予告編のような話もあちこちにちりばめられていて。

一口につながりといっても、大瀧さんが示しているのは多彩なつながり。歴史というのは決して一本の線のようにつながっているのではなく、もっと多面的に、有機的に、ときには「思いつき」とか「たまたま」という形でつながっているのだということを、たった50分という限られた時間の中で示してくれています。

さて1曲目のフランキー・ライモン&ティーンエイジャーズの「Why Do Fools Fall In Love」。この曲を1曲目に持ってきたのはそれ以前のポップス伝で語られたエルヴィスつながり。エルヴィスの「ハート・ブレイク・ホテル」がシングル発売になって、ロックンロールが幕開けしたのと同時期にR&BでNo.1だったのがこの「Why Do Fools Fall In Love」。前からもつながっているんですね。

「Why Do Fools Fall In Love」はカバーや明らかに影響を受けている曲がたくさんあって、いろんなつながりを考えることができるのですが、大瀧さんがつなげたのはロネッツの「Baby I Love You」。ドゥーワップとは別の章で語られるべきアメリカン・ポップス黄金期のフィル・スペクター・プロデュースの曲。大瀧さんが、最初にどっぷりとつかった場所につなげられています。リード・ボーカルのヴェロニカがフランキー・ライモンの家のすぐ近くに住んでいたとのこと。当然、フランキー・ライモンはヴェロニカのアイドルになります。で、フランキー・ライモンの歌唱法がヴェロニカの歌唱法に影響を与えたということで、「Baby I Love You」の「アッ、アー」とフランキー・ライモンの「I Want You To Be My Girl」の「アッ、アー」を続けてかけます。

で、その次に例のGEEレーベルの話になってRAMAレーベルへと話がつなげられていきます。このときに紹介されたジョージ・ゴールドナーは、間違いなくその後のアメリカン・ポップス伝でも再登場して語られることになる人物でした。その予定があったからこそ、RAMAとかTICOといった、かなりマイナーなレーベルの話をされていたはず。
とにかくこのジョージ・ゴールドナーという人は売れる曲をみきわめることのできる確かな耳を持っていたことと商才にたけていたことは間違いのないようです。この人が見出した有名なアーティストは数知れず。
ジョージ・ゴールドナーという人を調べていていちばん興味深かったのは、エルヴィスの曲も手がけたリーバー=ストーラーといっしょにレッド・バード、ブルー・キャットという2つのレーベルを作っていたこと。1964年3月に設立されたんで、アメリカン・ポップス伝で語られることになったかどうかは微妙ですが、とにかく大好きなレーベル。このレコードは何度聴いたことか。
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長門芳郎さんの書かれた解説をちょっと引用しておきます。
短期間に大成功を収め、急成長レーベルとなったが、リーバーとストーラーはゴールドナーの徹底したバブルガム・ポップ志向のレコード制作姿勢についていけず、1966年3月、レーベル経営から手を引いてしまう。ふたりが作り上げたかったのはポップ・ヒットではなく、R&Bのレコードだったのだ。さすがのゴールドナーもひとりではレーベルの運営を続けていくことができず、ついに営業を断念せざるを得なくなる。

レーベルが続いたのはたった2年。RAMAもたった4年。ゴールドナーは短期間にレーベルを作っては壊したりを続けていたんですね。大瀧さんがゴールドナーを「ギャンブル好きで有名な」と語っていたのもこんなところからきていたのかもしれません。
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by hinaseno | 2014-09-07 13:57 | ナイアガラ | Comments(0)