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by hinaseno
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有馬稲子が電車にはねられた踏切はどこにあったのか(その1)


いつの間にか僕の中に、小津が『早春』と『東京暮色』を撮った昭和30年代はじめの五反田駅周辺の風景がかなり具体的に形作られてきました。先日紹介した「しながわWeb写真館」というサイトに載っている写真も大きな助けになっています。本当は現地探偵をしたいのだけど。

『東京暮色』で描かれた昭和30年代初頭の池上線五反田駅から大崎広小路駅にかけてのあたりをバーチャルに歩いているうちに、ひとつの大きな謎が浮かび上がってきました。

有馬稲子が電車にはねられた踏切はいったいどこに設定されていたのか。

この謎を解くために、改めて池上線五反田駅から順番に確認しておこうと思います。
昨日、引用した大岡昇平の『武蔵野夫人』に出てくる次の文章。
五反田の駅は接続した百貨店の上層階から池上線を発進させ、広い目黒川流域の真中に人口造営物のブロックを据えつけていた。

川本三郎さんの『いまむかし 東京町歩き』によると、この百貨店は白木屋とのこと。調べてみたら、こんな写真が。何度か紹介している藤田加奈子さんのブログにありました。
a0285828_9454167.jpg

『早春』のロケハンのときに撮られていた写真にも写っていた池上線の五反田駅のすぐ脇に建っていた高い建物は白木屋だったんですね。この白木屋の「上層階」から池上線は出て、JRを跨ぎ、目黒川を跨いで、次の大崎広小路駅に行きます。距離にして300mほど。

この大崎広小路駅もやはり高架。
『東京暮色』では、この大崎広小路駅のホームを映したカットがいくつか。
最初に映るのがこのカット。
a0285828_946778.jpg

駅のホームからとらえた風景。よく見ると、向こうの方に白木屋の高い建物が見えます。まさに池上線の五反田駅があるところ。

次に映るのがこのカット。左端の柱には「おおさきひろこうじ」の文字が見えます。
a0285828_9465376.jpg

この場面、最初はよくわからなかったのですが、どうやら大崎広小路駅のホームからさっきとは反対側(東側)を見た風景のようです。大きく写っている建物はよく見ると「大学」との文字が。地図で確認したら立正大学。

「しながわWeb写真館」には、まさにこの立正大学の屋上から撮影した池上線五反田駅から大崎広小路駅にかけての写真がありました。
a0285828_9475319.jpg

撮影した年も映画とほぼ同じ昭和30年。白木屋の建物のある池上線五反田駅から高架の線路がつながっているのがよくわかります。

さて、その立正大学の次に映るのがこのカット。いかにも小津らしい風景。
a0285828_9484489.jpg

大崎広小路駅のホームを駅の西側から見上げた風景ですね。
この次のシーンで、有馬稲子がこの手前に映っている「相生荘」というアパートに住んでいるひとりの男を訪ねてきます。有馬稲子を孕ませたのに何にも責任をとろうとしないで逃げてばかりいる男。その男はまだ大学生。この前のカットで映っていた「大学」に通っているという設定なんでしょうね。確か彼が大学の帽子をかぶっていたシーンがあったように思いますが、それは立正大学の帽子なんでしょうか。
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by hinaseno | 2014-07-11 09:52 | 映画 | Comments(0)