Nearest Faraway Place nearestfar.exblog.jp

好きなリンク先を入れてください

Talks About Music, Books, Cinema ... and Niagara


by hinaseno
プロフィールを見る
画像一覧
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30

「空には今日もアドバルン」のある風景


今日もまたまた「たまたま」の話です。

昨日、「空には今日もアドバルン」と岸恵子によって歌われる「あゝそれなのに」という歌のことを書きましたが、何はともあれこの絵を。
a0285828_913632.png

まさに「空には今日もアドバルン」。
昨日ブログを書いたあとにパソコンを眺めていたら、この絵が僕の目の中にぽっと飛び込んできたんですね。嘘みたいですけどホントの話。
いくつものアドバルーンが空に上っている絵。しかもメルヘンチックでノスタルジックな感じがたまらなく素敵です。
これがもし「空」「アドバルーン」「絵」といったキーワードを入れて画像検索したのだったら(つまり”仕掛け”たのだったら)驚きもしなかったのですが。
もちろんだれかがこの絵を送ってくれたわけでもなく。
さらにびっくりだったのは、この絵が描かれたのが戦前の昭和6年(1931年)なんですね。美ち奴さんが「あゝそれなのに」を歌ってヒットしたほんの6年前。まさに時代的にも歌の風景そのもの。
作品のタイトルは「東京の空(数寄屋橋附近)」。作者は鈴木信太郎。

一昨夜、ある雑誌を読んでいて、ちょっと興味を持った人がいたので、その人のサイトを昨日ブログを書いたあとで覗いてみたら、鈴木信太郎という画家の絵が載っていたんですね。それは「東京の空(数寄屋橋附近)」ではなく別の作品だったのですが、ちょっと気になって調べたら鈴木信太郎は井伏鱒二の本の表紙の絵を描いていることがわかって(あとで、井伏と同じ荻窪に住んでいたこともわかりました)、おやおやってことになって、で、鈴木信太郎で画像検索をかけたら最初に貼った絵が飛び込んできたというわけです。いやはやなんとも。

そういえば、と思って、ある本を調べてみたらやはり。
川本三郎さんの『それぞれの東京』で鈴木信太郎が取り上げられているんですね。しかも「東京の空(数寄屋橋附近)」もちゃんと載っていて。川本三郎さんの『それぞれの東京』で取り上げられている人は、ほとんどこういう出会い方をしているから不思議です。
画家では松本竣介に続いて二人目ですね。

ただ、この鈴木信太郎という人は、ちょっとマイナーな画家のようで、画集と言えるようなものはどうやら出ていないようです。でも、ネット上でチェックしてみたら、僕の好みの絵が多い。とりわけこの「東京の空(数寄屋橋附近)」は、絵のタイトルも含めて最高に気に入ってしまったので、早速携帯の待ち受け画面に使うことにしました。
この絵を見ながら「♫空には今日もアドバルン」と口ずさむ日々がしばらく続きそうです。

ところで、一番左のアドバルーンには「しかも彼等はゆく」という文字が書かれています。これは溝口健二監督の映画のタイトルなんですね。公開されたのはまさに昭和6年(1931年)。でも、残念ながら映画は失われているようです。
なぜ、鈴木信太郎はこのアドバルーンを一番見えるところに描いたんでしょうか。何かのメッセージがあるのか、あるいは「たまたま」気に入った場所を描いただけのものなのか。ちょっと気になります。
[PR]
by hinaseno | 2014-05-20 09:02 | 雑記 | Comments(0)