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by hinaseno
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「僕のはしたない部分は抑えて、少し上品ぶっちゃったんだ」


『ナイアガラ・トライアングルVol.2』に収められた佐野さんの曲。残り2曲は「週末の恋人たち」、そして「マンハッタン ブリッヂにたたずんで」。
コアなファンならよく知っている「マンハッタン ブリッヂにたたずんで」問題について、かなり突っ込んだ話がなされています。ここも雑誌掲載時にはカット。その話、大瀧さんがふっていたのにはびっくりでした。

ただ、今日はその話に行く前に、今回のインタビューでは何も語られていない「週末の恋人たち」についての話を。
「週末の恋人たち」は佐野さんの中でも特に好きな曲の一つ。『ナイアガラ・トライアングルVol.2 30th Edition』のオリジナル・カラオケがまたいいんですね。まる一日聴いていたこともありました。今もこれを書きながらリピート中。ほんとにシャレた曲。もちろん詞も素敵です。

「週末の恋人たち」について、佐野さんは1985年3月発売の『MUSIC STEADY』という雑誌で、かなり興味深い話をしています。
この「週末の恋人たち」は「ナイアガラ用に書いた曲」とのこと。それ以外の3曲は以前に作られていた曲でしたが、これだけが『ナイアガラ・トライアングルVol.2』に収めるために作った曲だったんですね。
佐野さんはこんなことを語っています。
最初、『ナイアガラ・トライアングル』の話があった時に、同時に自分のアルバムもレコーディングしていましたから、区別しなければいけない、という意識もあったんですよね。そして『ロング・ヴァケーション』を聞いてるファンの人達―その時点で、僕が考えた大瀧さんのファンの層というのは、19歳〜25歳の男の人や女の人達で、そしてモラトリアムな状態にある様な人達に向けて書かなければいけないっていう様な気持ちがあったんです。僕のはしたない部分は抑えて、少し上品ぶっちゃったんだ。お洒落な感じでやらなきゃと思って。

で、佐野さんはおそらくその意識のもとでもうひとつの曲を作ります。それが「彼女はデリケート」のシングルのB面に収められた「こんな素敵な日には」。
これもとってもいい曲。やはり『ナイアガラ・トライアングルVol.2』制作時に作られた曲でプロデュースは大瀧さん。『ナイアガラ・トライアングルVol.2 30th Edition』には収録されていませんが『20th Edition』のボーナス・トラックとして収められています。

ここからは僕の推測も混じってくるのですが、おそらく当初佐野さんが『ナイアガラ・トライアングルVol.2』に用意したのは「Bye Bye C-Boy」「彼女はデリケート」「週末の恋人たち」「こんな素敵な日には」の4曲だったんだろうと思います。過去に作った曲を2曲。そして「ナイアガラ用に書いた曲」を2曲。
でも、どうやら大瀧さんは「ナイアガラ用」に書かれた「週末の恋人たち」「こんな素敵な日には」に大いに不満を抱いたようです。曲の善し悪しは別として、佐野さんの「ナイアガラ用に書いた」という考え方に反発を覚えられたのではないかと思います。もちろん佐野さんがデモを作ったときに「ナイアガラ用に書きました」とは言わなかったはずですが、大瀧さんはそれを即座に感じとった。それは違うだろうと。
で、大瀧さんは、それまでは佐野さんも杉さんも自由にレコーディングさせていたようですが、我慢できなくなって佐野さんのところに行くんですね。かなり激しい言葉をぶつけたようです。
途中で大瀧さんが僕んとこにやって来て、その考えは間違いだ、と。今や「A面で恋をして」が14位というヒットをして、そして聞いてくれたお客さんというのは、大滝詠一は知らなくても、ナイアガラ・トライアングルは知ってる、というお客さんなんだ、という事です。すなわち大滝詠一さんの昔からのファンの数よりか、「A面で恋をして」で掴んだファンの方が多いんだ、と。その人達に向けてお前が曲を発表する時に、お前らしさを出さなければ損なんじゃないのか、という事を言ったんです。

この佐野さんの発言は『ナイアガラ・トライアングルVol.2』が制作されてから、そんなには年月の経っていないときに語られたものなので、大瀧さんの言葉の一つ一つをまだかなりリアルに覚えていたはず。

というわけで「こんな素敵な日には」は『ナイアガラ・トライアングルVol.2』からはカット。で、白羽の矢が立ったのが(立てたのはもちろん大瀧さん)「マンハッタン ブリッヂにたたずんで」。佐野さんがアルバム『サムデイ』の曲としてレコーディングを終えていた曲。すでに曲順も決まっていたんですね。なんとB面2曲目。またまた「B2」です。
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by hinaseno | 2014-05-12 08:19 | ナイアガラ | Comments(0)