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「さよならだけが人生だ」


小津の『東京の合唱』の原作が井伏鱒二であることがわかって、映画化された井伏鱒二の作品って結構あるんだなということを考えていましたが、僕が観たのはたぶん『本日休診』くらい。『黒い雨』すら観ていません。
今村昌平監督の『黒い雨』は牛窓の錦海塩田跡でロケをしていて、このときに見た牛窓の町並みに惹かれ、ぜひ牛窓で映画を撮りたいということになって、10年後にそれが実現したんですね。そう『カンゾー先生』です(そういえば『カンゾー先生』に出演されていた牛窓のおばあちゃんは亡くなられていることがわかりました)。

そんな井伏原作の映画のことを考えていたときに、たまたま『EACH TIME 30th Anniversary Edition』に封入された「Each Times 号外」の湯浅学さんの文章を読んでいたら、そこに川島雄三監督の『貸間あり』という映画のことが。
でも、『貸間あり』は映画も観たこともなければ原作も読んだこともありません。だから『貸間あり』というタイトルだけでは気づかなかったのですが、その後に添えられた言葉で気づきました。
「さよならだけが人生だ」

あまりにも有名なこの言葉が、井伏鱒二の言葉、正確に言えば、漢詩を井伏なりに訳した言葉であることを知ったのはごく最近のこと。

湯浅さんが書かれた文章を引用しておきます。湯浅さんは大瀧さん公認の”自称弟子”ですね。僕がよく引用する大瀧さんのインタビュー記事のほとんどは湯浅さんがインタビュアーを務められています。
別離や転機についてどうしても感じてしまいましたが、川島雄三監督の映画『貸間あり』のラストシーンを思い浮かべることが、この30周年盤を聴いているとあるのでした。「さよならだけが人生だ」、とその映画で桂小金治はいうのでした。

牛窓に滞在していた井伏鱒二のことをいろいろと調べていたときに、井伏の作品で最初に映画化されたものの監督が、まさに大瀧さんが近年の映画研究の対象とされていた監督である小津安二郎だということを知り、そして大瀧さんの結果的には最後の作品となった『EACH TIME 30th Anniversary Edition』に添えられた附録に、井伏の原作の映画のことがふれられているのを知るという不思議。

大瀧さんは、『貸間あり』の監督である川島雄三の『銀座二十四帖』を最近一番調べられていたように聞いていました。その研究成果もぜひ拝見したかった。
ところで今ウィキペディアを見ていたら、今村昌平は川島雄三の一番目の弟子だったとのこと。
いろいろとつながってます。

そういえば僕が観た川島雄三監督の映画は『幕末太陽傳』だけだなと思い、いつかまとめて観てみたいと思っていたら、その夜、久しぶりに電話でお話しさせていただいたある方が川島雄三の映画の話をされたんでびっくり。
前に『青べか物語』が一番好きだとおっしゃられていましたが今回は『しとやかな獣』がすごいと。
大好きな作家である芝木好子原作の『洲崎パラダイス赤信号』もまだ観れていません。
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by hinaseno | 2014-05-07 10:02 | 雑記 | Comments(0)