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by hinaseno
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「彼女」がマンションで聴き続けていたバート・バカラックのレコードは?


春が来るとバート・バカラックを聴きたくなる、ってことを書きましたが、春(4月)になると読みたくなるのが村上春樹の『カンガルー日和』(イラストは安西水丸さんではなく佐々木マキさん)。
大好きな短篇「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」が収められているからでしょうね。「5月の海岸線」というのもあります。そして、こんなタイトルの作品も。
「バート・バカラックはお好き?」

この作品は後に『村上春樹全作品1979−1989 ⑤短篇集Ⅱ』に収められたときにタイトルが「窓」と変えられます。内容的にはほとんど変化がないのですが。といっても、「バート・バカラックはお好き?」というタイトルでも、バート・バカラックの名前が出てくるのはほんの少し。
主人公の「僕」がある女性のマンションに行ったときに、その部屋でかかっていたのがバート・バカラックのレコード。

さて、このバート・バカラックのレコードは何だろうかって考えたことがありました。この作品は1982年の5月に発表されています。物語では「僕」が女性のマンションに行ったのは10年前。ということは、1972年頃の出来事。その段階でバカラックは3枚のアルバムを発売しています。
3枚目のアルバム『バート・バカラック』が発売されたのが1971年。この年、バカラックが初めて日本で来日公演をしてるんですね。日本でもかなり盛り上がったとのこと。マンションに住む女性もバカラックの公演を見に行ったのかもしれません。
ということで、彼女がそのときに聴いていたのは、おそらく発売されて間もない3枚目のアルバム『バート・バカラック』。

実は僕がバカラックの作品の中で一番好きなのが、まさにこの『バート・バカラック』。春になると、4月になると真先に聴きたくなるのがこれです。なぜならばそこには大好きな「April Fools」が収められているから。
この作品、「April Fools」に限らずいい曲だらけなのですが、とりわけ好きなのがインストルメンタルで演奏される「April Fools」からバカラック自身が歌う「Hasbrook Heights」につながる流れ。レコードでいえば「April Fools」がB2(!)で「Hasbrook Heights」がB3。ここばかり死ぬほど聴きました。

「April Fools」はハル・デイヴィッドによって歌詞がつけられていて、ディオンヌ・ワーウィックやアレサ・フランクリンによって歌われています。でも僕は、静かなピアノで演奏されるこのアルバムのバージョンをこよなく愛しています。



このピアノによって演奏される「April Fools」、昔からドビュッシーにつながるものがあると思っていましたが、今、読んでいる『バート・バカラック自伝』によると、バカラックはクラシックではドビュッシーが一番好きだったようで、音楽大学の試験でもドビュッシーを演奏したそうです。なるほど、やっぱりそうでした。

で、静かな「April Fools」の次のバカラックの歌う「Hasbrook Heights」。これが最高なんです。曲もアレンジもバカラックの作品でもっとも有名な「Raindrops Keep Fallin' On My Head(雨に濡れても)」にそっくりで、全く同じに聴こえる人がいるかもしれませんが、僕はこちらのほうが200倍好きです。何よりバカラックの歌にしびれてしまいます。「パパッパ」がたまらないですね。



こんな話をしたのは、もちろん昨日からバカラックの来日公演が行われているから。残念ながら行くことは無理なので、ずっと『バート・バカラック自伝』を読みながら『バート・バカラック』を聴き続けています。
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by hinaseno | 2014-04-11 10:38 | 雑記 | Comments(0)