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ディスク・デシネのこと、『カンゾー先生』のこと


神戸のディスク・デシネが5月で閉店との連絡が来ました。この日のブログでも書いていますが、デシネは小西康陽さんの本で知った店。数年前からすっかり神戸に行く回数が減ってしまったのですが(海文堂書店が閉店してからは一度も行っていない)、以前は神戸に行くと必ず立ち寄っていました(行った日や時間によって開いていなかったことも何度か)。思い入れの深い店が次々になくなってしまいます。

デシネではブラジル系の音楽を多く買いました。それからデシネ独自に見つけ出した音楽もいいものが多かったですね。でも、デシネといえば、ぴったりサイズのレコード袋。僕の持っているレコードはほとんどそれに収まっています。今も買いだめしたものが50枚ほど残っていて。

さっきリンクしたブログを読むと、マテオ・ストーマンさんのことを書いていますね。明後日、来日するとのこと。時間的に無理ですが、久しぶりに神戸(元町)に行ってみたくなりました。もちろんハックルベリーにも。

そういえば、そのマテオさんが強く影響を受けたというヴィム・ヴェンダーズ(小津を敬愛している監督ですね)の『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』を観なければと書いたまま、まだ観ていなかったことに気づきました。こういうことって多いですね。
先日も、サーフィン・ラビット(波兎)のことで以前のブログを読み返していたら、牛窓でロケをした『カンゾー先生』という映画を「今日くらいに借りてこようか」なんて書いてあるのに、結局、観ないままでいたことに気づいて、あわてて借りてきて昨夜観終えたところ。

『カンゾー先生』、監督は今村昌平。原作は坂口安吾。原題はカタカナではなく漢字で「肝臓先生」。「カンゾー」が「肝臓」のことだということを映画を見て初めて知りました。
安吾の原作では物語の舞台は伊豆の伊東温泉。でも、映画では物語の舞台は岡山の玉野市日比。で、ロケ地となったのが牛窓。ちょっとややこしい。
今村監督は『黒い雨』のロケを牛窓の錦海塩田跡でやっていて、そのときに見た牛窓の町並が気に入って、いつか牛窓で映画を撮りたいと思ったとのこと。
前にも書きましたが主人公の赤城先生の病院となった旧牛窓町役場は取り壊されていますが、赤城先生が駆け回る”しおまち唐琴通り”は映画が撮影された時とそんなに変わってはいないように思います。
他にも見たような風景や建物がいくつか。
『瀬戸内シネマ散歩』を読むと、毎日放送の西靖さんの実家がある建部町でもロケが行われたとのこと。

それから、これも『瀬戸内シネマ散歩』を読んで知ったのですが、映画に何人か牛窓の人が出演されているんですね。特に印象に残ったのは”高橋のおばあちゃん”役で出演されている方。自転車に乗っていたときに映画のスタッフにスカウトされたとのこと。竹やり訓練の場面で出てきて、最後は亡くなってしまうのですが、”いい”演技をしています(竹やり訓練でおばあちゃんを厳しく指導しているのは山本晋也)。
”高橋のおばあちゃん”役をされている人。90歳くらいになっているはずですが、今もお元気でいらっしゃるでしょうか。お会いしてみたいな。

映画に関していえば主演の麻生久美子さんの演技が素晴らしい。彼女のしゃべる岡山弁もとてもよかった。「ありがとう」の「が」にアクセントがくる話し方は小津の『東京物語』の東山千栄子と同じ。尾道も岡山のすぐ近くですからね。僕は今、「ありがとう」というときには「あ」の方にアクセントを置くようになっています。「が」にアクセントを置く方に戻さなくては。

でも、牛窓の人、どれだけこの映画を観られたんでしょうか。牛窓には映画館はありませんが役場かどこかで上映会が開かれたんでしょうか。

原作の坂口安吾の『肝臓先生』も読んでみなくては、なんて書きつつ、いつになるやら、ですが。
そういえば先日触れた居島一平さんは、高校時代に坂口安吾を読み漁ったって話されていましたが、『肝臓先生』も読まれていたんでしょうか。きっと『カンゾー先生』は観られただろうと思いますが。

このポスターが飾られていた素敵な写真館は、たぶん映画には出てこなかったように思います。
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by hinaseno | 2014-03-13 10:00 | 雑記 | Comments(0)