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Talks About Music, Books, Cinema ... and Niagara


by hinaseno
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「人の縁と時の運(時の縁と人の運)」と「行き当たり、バッタリ」


暇をみつけてMDに録音していた新春放談をパソコンに落とす作業を続けています。あんまり聴いていなかった年のものもあって、初めて聴くような話もいくつか。
一番興味深かったのは一週間ほど前に聴いた2006年1月8日放送の新春放談。こんな会話がなされていました。
山下:大瀧さんの場合、なるべく人の着目しないところに着目して、それをべつに自分で選んでやってんのか意図的にどれぐらいやってんだかわからないんだけど結果的にそうなっていくというね、そういう重要な、大瀧さんの場合にはベクトルがあるわけですよ、いつの時代にも、と僕は思うんですよね。それを称して、ご自分で”ナイアガラ的”だっていうね。
大瀧:ああ、なるほどね。
山下:そういうこと。
大瀧:ああ、なるほど。
山下:そういう選択の根拠って何なんですか?
大瀧:”行き当たりばったり”ですよ、”ナイアガラ的”っていうのは。行き当たった人と、ばったり会うんですよ、私の場合。
山下:ふ〜ん。
大瀧:行き当たりばったりってのはねぇ、みんなマイナスで捉えているけど、これはすごい言葉だと思いましたね。
山下:くっくっく。
大瀧:行き当たって、ばったり会うんですから。バッタリ倒れるんじゃないですよ。行き当たりばったり。で、やっぱり、それ全部、自分の人生、全部、それのような気がしてきました。
山下:出会いの人生ですよね、その引きの強さっていうか。
大瀧:出会い...、だから、あの〜話はとびますけど、マキノ正博監督の「鴛鴦歌合戦」っていう映画の解説を書かせてもらったんですよ。
山下:へぇ〜。いつですか、それ?
大瀧:え〜と、12月の10日くらいに発売になりました。
山下:DVDの?
大瀧:DVD。
山下:あれ、大瀧さんが解説書いたの?
大瀧:わたし解説書いたの、恥ずかしながら。
山下:へぇ〜。おれ、はじめて聴いた、それ。
大瀧:ああ、そうでしたか。
山下:本当ですか。
大瀧:で、ねぇ、山根(貞男)さん、山田(宏一)さん、ね、それから瀬川(昌久)先生の間にはさまって、ものすごく大それたことで。その人たちが書くとは思ってなかったのよ。僕だけだと思ってたんで、適当なことを書いてしまったんですけども。
山下:はっはっは。
大瀧:まあ、今にして思えばベンチャーズのコピーを「キャラバン」から始めるようなもんですよ。マキノ正博を書くなんてのはね。
山下:くっくっく。
大瀧:まあ、そうなんだけれども。え〜と、だからそれがね、僕の映画解説デビュー作なんですよ。
山下:へぇ〜。
大瀧:今までに書いたことないんですね。
山下:へぇ〜。ついに映画解説を書くところまで、足を踏み入れましたね。
大瀧:ついに来てしまったんですけれども。あの〜、そのタイトルなんですけども、え〜と...、「人の縁と時の運」。
山下:うん。
大瀧:かっこして「(時の縁と人の運)」。
山下:なるほど。
大瀧:っていうのが、あの〜、僕のそのタイトルで。それがいわゆる”ナイアガラ的”ですけど。それはまあ”行き当たりばったり”と言っても...言い換えてもいいんですよ。どうでしょう?
山下:でも、人間の人生って、はなはだ、残念ながらじゃないな。あの〜、不思議なことに、ほとんど人の縁、とか時の運とかに。運7割でしょう?
大瀧:ま、縁と運とは同じだと思いますよ。あの〜、良縁と悪縁と、その、幸運と悪運とあるからね。
山下:あんまり、公共の電波でこういうこと言うとまた反発くるかもしれないけど、例えばほら、よく歌の文句でね「夢は必ずかなう」とかね。
大瀧:うん。
山下:あの「夢を見続ければ」。確かにそういうあれも、アメリカン・ニューソートみたいなね、そういうポジティヴ・シンキングみたいなのもあるんだけど、そう簡単にはいかないんじゃないかっていうのがね、僕なんか、ね〜。
大瀧:ほとんど簡単にいかないから現実はこうなってるじゃないんですか。
山下:ですよね。だからそういう意味では、そういうところの引きの強さ弱さみたいなものは個人でほんとにこうも違うかってね。それが5年10年20年たつうちに、どうしようもない、その、落差をね、生んでくるんですね。
大瀧:やっぱ、縁は運だし、運は縁だと思うんですよね。ただ、それをつかめるかどうかの問題はちょっとあるんだけどね。誰にでも来てると僕は思いますよ。人生に3回大きなチャンスは誰にでもあるというのが僕の持論ですから。
山下:ふ〜ん。
大瀧:その時につかむかつかまないかってことなんじゃないですか。なかったってことはないと思いますよ。
山下:勝負の時に、結局だから結果出せるか出せないかそういうこと。
大瀧:そこじゃないですか。
山下:オリンピックとかね、そういうとこでもね、そういう奇蹟みたいな...。
大瀧:一発勝負で...。
山下:...ことがあるわけですからね。
大瀧:なんか、そこだと思ったけども。ただ、その縁とかいっても、やっぱ出会いなんですよ。
山下:うん。
大瀧:で、出会いはね、出会い頭でね、ばったりなのよ。
山下:そういうとこは妙に、あの、あれですよね。あの、前向きですよね。
大瀧:わたし?
山下:ええ。
大瀧:わたしぐらい、だってポジティヴな男はいないでしょ。だって長嶋型ですから。
山下:くっくっく。
大瀧:とにかく前向きですよ。
山下:う〜ん。ふっふっふ。なんでも前向きというかね。
大瀧:前向きですよ、オープンですよね。常に戸は開いてますよ。
山下:くっくっく。
大瀧:いくつもあるんじゃないかって。「『それ行けスマート』か、おまえは」ってよく言われるんですよね。
これを聴いて、もちろん大瀧さんの書かれた『鴛鴦歌合戦』の解説を読みたくて仕方がなくなりました。だってタイトルが「人の縁と時の運(時の縁と人の運)」なわけですから。あわててネットで2005年12月発売の『鴛鴦歌合戦』を購入。
昨日到着したのですが、なんと大瀧さんの解説なんてどこにもない!
ガーン!
よく調べたら大瀧さんの解説が収められているのは同時に発売されたコレクターズエディションの方。とほほ。あわててポチしてしまったのが間違いでした。
”行き当たりばったり”でやったら、バッタリ倒れてしまいました。
でも、きっと「時の運」(あるいは「時の縁」)があると信じています。
映画は昨夜最初の30分ほど観ました。とっても楽しい映画。まずは何の先入観もなくこの映画を堪能しようと思います。

ちなみに大瀧さんが『鴛鴦歌合戦』の解説を書かれたのが2005年。で、2007年からいよいよ成瀬巳喜男研究に入るんですね。
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Commented by まき at 2014-03-08 10:44 x
スキャンしてアップロードしました。いつか入手されるまでのつなぎにどうぞ。
Commented by hinaseno at 2014-03-08 18:05
まき様、心から感謝申し上げます。「人の縁」(人の運)のありがたみを感じます。
by hinaseno | 2014-03-07 10:54 | ナイアガラ | Comments(2)