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失われた「新春放談」、そして『ケトル』のこと


やや気持ちが落ち着かない日々が続いていて、大事な大事な「新春放談」を録音していたMDを、またひとつ、うっかり消してしまいました(号泣)。こんなふうにぽろぽろと欠けていっています。
でも、まあたいていの会話は記憶されているのですが。
最後に残るべきは記憶ですね。

昨日、『ケトル』という雑誌を買いました。ほぼ半分、大瀧さんを特集しています。
特集のタイトルは「大瀧詠一が大好き!」。音楽専門誌ではないのですが、大瀧さんに対する愛にあふれていると思いました。
特集の巻頭インタビューは平川克美さん。いかにして自称”大瀧詠一の最後の弟子”となるに至ったかが、いくつかの興味深いエピソード(大瀧さんから来たメールの話など)とともに語られています。
平川さんが大瀧さんに対して「このおっさん、いったいだれなんだろう」状態から、大瀧さんの「希有な知性」に触れて、徐々に(ではなく”一気に”でしょうか)変化する姿を遠くから拝見(拝聴)していたので、まだまだ平川さんにはいろいろと語っていただけたらと思っています。
平川さんが語られているいくつかの印象的な言葉を書き抜いておきます。
「人は普通、努力をして知識を得ると、認められたい、偉くなりたいという欲が出てきますが、大瀧さんには肥大化した自我が感じられないのです。ありがちな教養主義的なものではない。そんなけちな根性から楽々と自由になって、”知”と遊んでいたんですね」

「多くの人は自分の意見を肯定するために、物事の一部分だけを見て判断するけれども、大瀧さんは全体を探ることによって文脈を理解しようとしていました」

インタビュー記事の下に載っている平川さんのプロフィールには、今年出版予定の小津安二郎研究の本のことに少し触れられていて、それについてこんな言葉が。
大瀧手法で研究したもので「大瀧さんに読んでほしい一心で書いた」


『ケトル』で興味深かったのは、「大瀧詠一の金言集」。僕の持っていない雑誌のインタビューからの言葉など、いくつか知らない言葉もありました。どれも大瀧さんらしい言葉。
「当たり前の正解なら、面白い失敗の方がいい」

なんて言葉、いいですね。
でも、実は言葉だけでは抜け落ちてしまうものがあるということも事実。やはり、大瀧さんの魅力は、その語り口だから。

達郎さんとの「新春放談」からの言葉もありました。
「火事が起こったらね…だいたいあの…丸焼けの…が1体(笑)。命をかけてレコーディングするってのは、こういうことなの」

この言葉も僕の中では、その語り口とともに、その前後のやりとりを含めて、すべて再生することができます。
このあと達郎さんは「言やあ言えるよね」と言って、大瀧さんは「何言ってるんだろうね、オレ」と会話が続きます。
大瀧さんの言葉には冗談と本気が混在しています。

それはさておき、また同じ失敗を繰り返さないためにも、今ある音源をちゃんとパソコンの中に取り込んでおかなくては。
「最後に残るべきは記憶」なんて格好のいいことを言ったけど。
大瀧さんとは比べものにならない"小さい"人間です。
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by hinaseno | 2014-02-17 09:12 | ナイアガラ | Comments(0)