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by hinaseno
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「Velvet Motel」と「Summer Breeze」


昨日、ブログをアップした後で気づいたのですが、2月9日は、あのバリー・マンの誕生日でもあったんですね。年はバリー・マンの方が3つ上ですが、生まれた場所はキャロル・キングと同じブルックリン。このこと、たぶんどこかで一度は読んだか聴いたかしたことだろうとは思いますが、本当にびっくりでした。

さて、話は「Velvet Motel」に。
その前に、少し確認しておかなければいけないことがあります。
『A LONG VACATION』の最初の3曲である「君は天然色」、「Velvet Motel」、「カナリア諸島にて」を、僕は勝手に”キャロル・キング三部作”と名づけてしまったのですが、もともと初めから大瀧さんがそれを意図されて作ったわけではないということ。
大瀧さんにとってはいつものように、"たまたま"なんですね。

一番最初にできた「カナリア諸島にて」は、自分のための曲でしたが、あとの2曲は他の人への提供曲。しかも、いずれも結果的にボツになった曲。さらに付け加えれば、2曲とも当初は女性のために作られた曲でした。
「君は天然色」は「あなただけI Love You」に続く曲として、須藤薫さんに提供した曲、そして「Velvet Motel」はアン・ルイスさんのために作られた曲。
「Velvet Motel」には別の詞が付いていてタイトルも違っていました。当初のタイトルは「Summer Breeze」。詞もたぶん大瀧さん自身が書かれていたはず。
『NIAGARA SONG BOOK』が発売されたとき、そこに収められていた「Velvet Motel」が「Summer Breeze」というタイトルに変えられていたのはなぜだろうと思ったのですが、本来のタイトルを使ったんですね。
ただ曲はちょっとだけ違っていて、「空っぽな瞳をしてる 俺たちが悲しい 壁に傾いてる風景画ひとつ」の部分のメロディが付け加えられています。

改めて考えてみると、この部分のフレーズがあるとないとでは大違いですね。「Velvet Motel」という曲の最も魅力的な部分と言ってもいいところですから。
このフレーズの直前に転調して半音上げて(これがいいんですよね)、で、最後にまた転調して半音下げています。半音下げて元に戻っているのですが、気づかないほど自然な形になっています。「風景画ひとつ」の「と」の部分で転調してるんですね。
その「風景画ひとつ」のところがまた素敵なんですね。ラジという女性と交互に「ふ」「う」「け」「い」「が」「ひ」「と」「つ」と歌っています。今まで聴いたこともない形のものでしたから、すごく新鮮で、なんてオシャレなんだろうと思ったものです。ユーモアが曲の中に見事に溶け込んでいます。

レコードでは、A面とB面に5曲ずつ収められた『A LONG VACATION』は、それぞれ1曲目、3曲目、5曲目に比較的大きな作品、2曲目、4曲目に比較的小さな作品を収めるという構成にされています。つまり大きな作品と小さな作品が交互に出てくるんですね。
大瀧さんは本来大きな作品よりも「小品」好きな人。で、僕もおそらくはその影響を強く受けていて、『A LONG VACATION』を聴く以前、あるいは聴き始めた頃はまだ、大きな、歌い上げるような曲を好む傾向にあったのですが、いつのまにか小品好きになってしまいました(小説でもそうですね。川本三郎さんの影響大ですが)。
その意味では「Velvet Motel」は、大瀧さんの作った中で最も魅力的な小品、言い換えれば、小品としての魅力をたっぷりと詰め込んだ曲ということになります。

というわけで、『NIAGARA SONG BOOK』に収められた「Summer Breeze」を。メロディは完全に「Velvet Motel」です。


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by hinaseno | 2014-02-11 10:17 | ナイアガラ | Comments(0)