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by hinaseno
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「君は天然色」と、下ネタを少し


ナイアガラ・サウンドという言葉があります。もちろん大瀧さんが作り出したサウンド。といっても、それはバラエティに満ちているのですが、基本的には『A LONG VACATION』以降の作品に見られるサウンドを指すんでしょうね。
ただ、『A LONG VACATION』以降の作品も、あるいは『A LONG VACATION』に収められた作品だけを見ても、やはりバラエティにあふれています。
でも、もし一曲、これぞまさしくナイアガラ・サウンドという曲はといえば、迷うことなく「君は天然色」をあげます。
というわけで、まさに『A LONG VACATION』の1曲目の「君は天然色」を。レコードに針をおいて、ピアノの音に合わせて弦楽器の音合わせが少し聴こえた後に、ドラムのスティックによるカウントが聴こえて(曲が多人数による一発録りであることを示しています)、曲が始まる瞬間のときめきは、やはり永遠に消えない魔法(この画像には曲前の音あわせ、カウントはありません)。



「君は天然色」は『A LONG VACATION』で一番最初に録音された曲。多人数による一発録りという緊張感と高揚感に満ちあふれたサウンドですね。CMソング等での様々な試行錯誤の末に、ようやく辿り着いたサウンド。確信があった、とはいえ、果して本当に自分が想定した音がでるんだろうかと、大瀧さん自身も緊張感はあったはず。でも、音が出てきた瞬間、やった!っと思ったでしょうね。

このサウンドは、この曲以前にはありません。でも、この曲以降、このサウンドをまねたものはたくさん出てきます。
杉真理さんのこの「夏休みの宿題」のような、オマージュを捧げたものもあります。大好きな曲です。



一番大笑いだったのは、新春放談で達郎さんが紹介したこのThe Jodellesというわけのわからない黒人3人組のガールグループの「My Boy」という曲。曲が作られたのは1983年。『A LONG VACATION』の2年後。達郎さんが言われてたように、もしかしたらもしかしますね。作曲、プロデュースはKen Goldという人。



この曲、すごく気に入ってシングル盤まで買ってしまったのですが、よく聴くと、どこかしょぼい。まあ、絶対にまねるのは不可能なサウンドということでしょうね。

さて、そのナイアガラ・サウンドを代表する「君は天然色」を、もし一言で定義するならば、「キャロル・キングに多大なる影響を受けた(スナッフ・ギャレットがプロデュースした)リバティ・サウンドとスペクター・サウンドの融合したサウンド」。
その意味で「君は天然色」に最も近い曲を探すと、ダーレン・ラブの歌ったこの「Stumble And Fall」ということになるだろうと思います。プロデュースはもちろんフィル・スペクター。曲を書いたのはアンダース&ポンシア。達郎さんもカバーした「New York's A Lonely Town」という素晴らしいサーフ・ソングを作ったコンビ。「ゴー!ゴー!ナイアガラ」では、アンダース&ポンシアの最高作ではないかと紹介されています。



ダーレン・ラブの「Stumble And Fall」はシングルとして番号(Philles #123)まで付されて発売寸前までいってたのに、スペクターによって突然別の曲にかえられてお蔵入りすることになります。その新たにPhilles #123という番号を付けて発表されたのが、まさにバリー・マンの作ったロネッツの「Walking In The Rain」。このあたりのことに関して大瀧さんは「ゴー!ゴー!ナイアガラ」で、ちょっと下ネタまじりの推測をされています。
大瀧さん、実は下ネタ大好きなんですね。それをよく知っているリスナーがときどき大瀧さんを喜ばせようと下ネタまじりのはがきを出しています。もちろん大瀧さんは大喜び。

この「Stumble And Fall」について大瀧さんは1977年に日本で発売されたフィル・スペクターの『レア・マスターズ/幻のスペクター・サウンド Vol.1』の解説でこんなことを書かれています。
このアルバム中一番興味があったのは「Stumble And Fall b/w Quiet Girl」でした。この曲はロネッツの「Walking In The Rain」に蹴飛ばされた曲ですから、”どんなんかナァ”と思ってたら、結構いい曲で、キャロル・キング調の(作曲はトレジャーズ、トレイドウィンズのアンダース&ポンシア)スナッフ・ギャレットのサウンドを思い起こさせる小品でした。

「ゴー!ゴー!ナイアガラ」でも「ちょっとスナッフ・ギャレットのリバティ・サウンドという感じもちらっとしますけど」と説明されていますね。いうまでもなく、あのキャロル・キングによって再発見されたポップスの黄金律が見事に使われている曲です。
ナイアガラ・サウンドには、ポップスの黄金律が不可欠。その意味で、「君は天然色」のアイデアの原型には、まちがいなくこの「Stumble And Fall」があったように思います。
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by hinaseno | 2014-02-04 09:24 | ナイアガラ | Comments(0)