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「カナリア諸島にて」と「Go Away Little Girl」(4)


大瀧さんにとってキャロル・キングがいかに大切な存在であるかというのは、「ゴー!ゴー!ナイアガラ」の第1回目の放送が、キャロル・キング特集であったことからもわかります。
あるいはソロとしての第一弾のシングル「恋の汽車ポッポ」のイントロのドラムの連打も、キャロル・キングが作ったリトル・エヴァの「ロコモーション」からとっています。
消えちゃうかもしれませんが「恋の汽車ポッポ」を。



それからリトル・エヴァの「ロコモーション」。



大瀧さんが何か"重要なこと"を始めるときに、必ず最初に取り入れたのがキャロル・キングでした。
『A LONG VACATION』も、『レッツ・オンド・アゲン』でコロンビアとの契約が終了して、再スタートをきったときのもの。大瀧さんとしては、それが”最後”のつもりであったとしばしが語られていましたが。

それにしても、自分自身の新しい番組をもって、その第1回目が(2週続きます)キャロル・キングの特集であるということ、しかもシンガー・ソングライターとして彼女が再ブレークして以降のものは一切かけないで、職業作家として他人に提供した曲ばかりをかけるというのは、ちょっと普通では考えられません。
ごく単純に考えれば、例えばまず最初は大瀧さんのアイドルであり、当時日本にもファンがたくさんいたはずのエルヴィスの特集から初めてもよかったような気がします(エルヴィスの最初の特集は第13回目)。あるいは普通であれば、自分自身の自己紹介をして、私ははっぴいえんどというグループにいましたとか、 それまで自分が作ってきた曲の紹介であるとかしてもいいのに、そういうのも一切なし(番組を開始して最初に迎えた誕生日に近い第7回目の放送のときに、はじめて自作の紹介をしています)。

第一回目の放送はこんな言葉から始まります。
今週から始まりました「ゴー!ゴー!ナイアガラ」。わたくし、大瀧詠一の趣味の音楽だけをかける60分間です。第1回目は、アルドン、スクリーン・ジェムス系統のスタッフ・ライターの特集です。今週と来週はキャロル・キング作品集と題しまして、1960年から65年までのヒット・メイカー、ゲリー・ゴフィン=キャロル・キングの作品特集です。

「趣味の音楽」ではなく「趣味の音楽だけ」。「だけ」の部分を少し強調しています。「アルドン、スクリーン・ジェムス」なんて言葉を何の説明もなくさらっと言ってますが、この言葉を、その意味することも含めて聴き取れた人なんていたんでしょうか。
僕も大瀧さんに関心を持つようになって、大瀧さんに関する本で「アルドン、スクリーン・ジェムス」という言葉を見たときには、なんのこっちゃでした。
それだけでなく、その流れで書かれていたキャロル・キングすら、当時(83〜84年頃)全く知りませんでした。ビートルズの「Chains」がキャロル・キングの作った曲だと知ってびっくりしたり。でも、オリジナルのクッキーズが歌うものを聴いたのは何年も後。
今だったら、あふれるほどキャロル・キングの初期作品集は出ていますが、当時は全くありませんでした。初めて手にしたのはConnnoisseurという何と読むのかわからないレーベルから1989年に出た『GOFFIN & KING Songbook』。それから1991年に『The Dimension Dolls』が出ます。これが出たときには狂喜乱舞でした。さらに、日本のAサイドというレーベルから『Carole King Masterpiece Vol.1』が1993年に出て、初めてスティーヴ・ローレンスの「Go Away Little Girl」を聴くことができました。で、1994年にSequelというレーベルから『The Colpix-Dimension Story』が出て、その頃になってようやくキャロル・キングの初期の作品がきちんとした形でいろいろと聴けるようになったんですね。今では常識とされているような曲を僕が聴けたのは、ほんの20年くらい前のことでした。

話がそれてしまいました。
僕が「ゴー!ゴー!ナイアガラ」のキャロル・キング特集を聴いたのは2年前。全部で40曲かかっているのですが、その中で知らなかったのは(つまり音源を持っていなかったのは)たった1曲だけ。なので、つい忘れてはいけないことを忘れてしまうんです。その放送は、1975年という年になされたものだということを。そしてかかった曲はすべて大瀧さん自身が集めたレコードだということを。
で、大瀧さんは「趣味の音楽だけ」と言いつつも、好きな曲だけをかけまくるわけではなく、”流れ”と”つながり”を考えて、特集、曲選びをしています。その最初に選んだのがキャロル・キング初期作品集だったと。

一応、キャロル・キング特集でかけられた曲を並べておきます。
キャロル・キング特集(1) 1975.06.10
1. Will You Love Me Tomorrow / The Shirelles
2. What A Sweet Thing That Was / The Shirelles
3. Some Kind of Wonderful / The Drifters
4. When My Little Girl is Smiling / The Drifters
5. Up On the Roof / The Drifters
6. Halfway To Paradise / Tony Orlando
7. How Many Tears(涙の思い出)/ Bobby Vee
8. Take Good Care Of My Baby(さよならベイビー)/ Bobby Vee
9. Waking’ With My Angel(かわいい天使)/ Bobby Vee
10. Sharing You(浮気なあの娘)/ Bobby Vee
11. Every Breath I Take / Gene Pitney
12. Crying in The Rain / The Everly Brothers
13. Crying in The Rain / Carole King
14. Her Royal Majesty / James Darren
15. I’ve Got Bonnie / Bobby Rydell
16. Keep Your Love Locked (Deep in Your Heart) / Paul Petersen
17. The Locomotion / Little Eva
18. Keep Your Hands Off My Baby(彼は私のものよ) / Little Eva
19. Old Smokey Locomotion / Little Eva
20. He Hit Me (It Felt Like A Kiss) / The Crystals
21. It Might As Well Rain Until September(泣きたい気持ち)/ Carole King

キャロル・キング特集(2) 1975.06.24
1. Point Of No Return / Gene McDaniels
2. Sure Gonna Miss Her / Gary lewis & The Playboy
3. Chains / The Cookies
4. Don't Say Nothin' Bad (About My Baby) / The Cookies
5. Will Power / The Cookies
6. Go Away Little Girl / Steve Lawrence
7. Poor Little Rich Girl / Steve Lawrence
8. I Want to Stay Here / Steve Lawrence & Eydie Gormé
9. Walking Proud / Steve Lawrence
10. One Fine Day / The Chiffons
11. This Little Girl / Dion
12. Hey Girl / Freddie Scott
13. I Can't Stay Mad At You / Skeeter Davis
14. The Old Crowd / Lesley Gore
15. I'm Into Something Good(朝からゴキゲン)/ Earl Jean
16. He’s In Town / The Tokens
17. Oh No, Not My Baby / Maxine Brown
18. Just Once In My Life / The Righteous Brothers
19. Is This What I Get For Loving You? / The Ronettes

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by hinaseno | 2014-01-29 10:34 | ナイアガラ | Comments(0)