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by hinaseno
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「カナリア諸島にて」と「Go Away Little Girl」(2)


『A LONG VACATION』の中で最初にできたのが「カナリア諸島にて」。おそらくは1979年初頭。『A LONG VACATION』が発売される2年前のこと。
「カナリア諸島にて」ができたとき(もちろん、曲ができたときにはまだそんなタイトルもついていない)、大瀧さんは何か確かなものを、強く感じとったんでしょうね。すぐに音楽出版社の朝妻一郎さんのところに、こんな曲ができたって話しに行ったそうです。おそらくはこの路線で曲を作って(幸いなことに、というべきかコミック路線はその前年に作った『レッツ・オンド・アゲン』で出し切ったために、大瀧さんの中では完全に枯渇していたようです)アルバムを作りたいということを伝えたんでしょうね。1979年といえば村上春樹が『風の歌を聴け』でデビューした年でもあります。後の僕の人生に大きな影響を与えるものが生まれ始めた年といえるのかもしれません。

ところで、これも知っている人は知っていることなのですが、『A LONG VACATION』に収められた曲のほとんどは、1979年から1980年の始めにかけて作られた他人への提供曲(多くはボツになったもの)が母体になっています。
でも、「カナリア諸島にて」は自分用に作った曲。他人に歌ってもらうためではなく、自分が歌うために作られた曲。自分が歌いたいと思って作った曲。そして、そう考えたときにいちばん最初に作った曲。これはきちんとおさえておくべきことでしょうね。松本隆さんの詞がなくても、どこか内省的なものを感じるのはそのせいでしょうか。

実は大瀧さんの楽曲を貼ろうと思っているのですが、最近はYouTubeに大瀧さんの曲がアップされても、すぐに削除される状況になっているみたいで、おそらく貼ったものもすぐに削除されるように思うので、貼るのはやめておきます。もし、これを読まれている人で、まだ『A LONG VACATION』を聴いたことがないという人がいらっしゃれば、ぜひ買って聴いてみて下さい。できれば、歌の入っていないカラオケのボーナストラックを収めた「30周年記念盤」を。

さて、「カナリア諸島にて」といえば、しばしば元ネタとして語られるのがビーチ・ボーイズの「Please Let Me Wonder」。



これについては以前にも書きましたが、1984年1月12日に放送された、達郎さんとの記念すべき第一回目の新春放談でのこの会話。
山下「こないだシングルを出して、このところシングルのB面はビーチ・ボーイズのカバーなんです」
大瀧「ほ〜っ、て、知ってるけどね」
山下「こないだのシングルのB面は『Please Let Me Wonder』なんです」
大瀧「ああ、『カナリア諸島』ね」
山下「あっ!?『カナリア諸島』! そうかぁ...。でも、それだけじゃないんだよね」
大瀧「それだけじゃない。そのひとつ。20分のⅠです。20分のⅠの神話と言われています」

この日の放送をちょっと聴き返してみようと思ったら、面白くて全部聴いてしまいました。何百回聴いたかわからないけど、でも面白い。
さっき聴いていたら、大瀧さんが「ほとんど『ごろんぼ波止場』」なんて喩えをしていたのですが、達郎さんも何のことかわかっていない。何だろうと思って調べたら、昭和30年代の終わり頃に放送されていたコメディ番組なんですね。植木等の「だまって俺について来い」が主題歌に使われていたとのこと。
ウィキペディアで出演者を見ていたら横山アウトという人が出ています。そういえば大瀧さんは「ほとんど横山アウト」という喩えもしていました。大瀧さん、関西系のお笑いにも詳しいんですね。でも、こんな喩えがわかる人いるんでしょうか。

ところで、ビーチ・ボーイズの「Please Let Me Wonder」。サウンドは間違いなくそれを参考にしたんでしょうね。でも、メロディ的にはサビの部分が似ているという程度でしょうか。

さて、話はキャロル・キング、それから「Go Away Little Girl」のことへと進もうと思っていますが、今日の最後は”「カナリア諸島にて」の20分の1の神話”かもしれないという曲を一つ。
以前も書きましたが、『A LONG VACATION』には『TEENAGE TRIANGLE』のエッセンスがいくつも取り入れられている気がしているのですが、そこに収められているポール・ピーターセンの「Keep Your Love Locked (Deep In Your Heart)」。曲をかいたのはキャロル・キング。この曲の最初の部分が「カナリア諸島にて」の最初の「薄く切った」のメロディに、ほんの少しだけ似ているような気がずっとしているのですが、どうでしょうか。


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by hinaseno | 2014-01-27 10:55 | ナイアガラ | Comments(0)