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by hinaseno
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山の上ホテルの一夜


昨日、Yさんから、あることについて調べて欲しいと電話。それは本居宣長が師として仰いでいた賀茂真淵に出会う「松阪の一夜」という出来事についてのこと。恥ずかしいことに、そんなエピソードがあったことも、本居宣長が賀茂真淵を師と仰いでいたことも、あの有名な古事記の研究も賀茂真淵の助言をうけてのものであったということも全く知りませんでした。
ただ、その話は昔の尋常小学校の国語の教科書に載っていたんですね。ここにそれが貼られていました。
日頃から秘かに師と仰いでいた人に出会う話というものはいいものです。

ところで、最近は気持ち的に本が読めない状態が続いているのですが、ほんの少しだけ読めているのが安岡章太郎の『私の東京地図』。大瀧さんの亡くなられる前日に立ち寄った市内の古書店で買ったもの。「東京」という言葉に反応して買いました(この店、つい先日、店を閉じられました)。
『私の東京地図』は、東京のいろんな場所について、昔の記憶を辿りながら書かれたエッセイ。一昨夜に読んだのが「神田」。
「神田」といえば、神田神保町に古書街があることくらいしか認識がなかったのですが、読み始めたらちょっとはっとすることが。
神田は震災では焼けたが、第二次大戦の空襲ではかなりの部分が焼け残った。(中略)――お茶の水の駅を出てスルガ台の坂を下った方角――は、あっちこっちに焼け残った人家やビルが結構、昔のままに立っていた。坂の右手には明治大学、その裏手に山の上ホテル、...

ああ、山の上ホテル!
そうか山の上ホテルは神田にあったんだ、と。そしてそのすぐ後に出てくるのが、なんとニコライ堂!
あのニコライ堂が、あの山の上ホテルのすぐ近くにあったとは。ということは、以前、ブログで触れた小津安二郎の『麦秋』の、原節子が窓からニコライ堂を眺めた喫茶店もこの近くにあったということになるんですね。
なんだか大切なものが一つにつながった感じで、うれしくなってしまいました。

山の上ホテルといえば、忘れもしない2005年8月19日。こちらも「松阪の一夜」と同じく夏の夜の話。
それは石川さんにとっても、そして内田先生にとっても忘れることのできない日であったと同時に、僕にとっても大事なものがつながった、やはり忘れられない一日。
内田先生が雑誌の対談(例の『別冊文藝』に掲載されているもの。でも、本には対談の日が8月16日と誤って記載されてるんですね)で、初めて大瀧さんに会われた場所が山の上ホテル。そのとき内田先生は石川さんに同行を求めます。石川さん、最初は断られたそうです。
対談は午後3時に始まって、ホテルのレストランの営業時間が終了するまで、8時間半続いたそうです。ということは対談が終了したのは12時近くになっていたということ。

そういえば、Yさんから頼まれたのは、賀茂真淵が本居宣長と出会った「松阪の一夜」を描いた絵を探して欲しいというものでした。さきほどの教科書にも図があるのですが、Yさんに送ったのはこの図。
a0285828_8314735.png

なんとなくこの図に描かれた3人を見ながら、僕は大瀧さんと内田先生と石川さんの姿に重ねてしまいました。師に教えを乞う内田先生、二人の対談をそばで黙って書きとめている石川さん(でも、石川さんは、途中で何度か大瀧さんから話を振られているうちに、いつしかお二人の対談に加わられたそうですが)。

でも、この日の対談は「一夜」だけのものには終わらず、さらに平川さんを交えての対談をアゲインでされるようになるなんて、僕自身も信じられないことでした。

ちなみにこれは最初にアゲインで4人の方が対談されたときの写真。アゲインに飾られています。大瀧さんだけが立体感のない不思議な写真です。
a0285828_8325033.jpg

僕はもちろん大瀧さんの座られたこの場所に座って、石川さんに同じポーズをとっていただいて記念写真を撮りました。写真を撮っていただいたのは、ペットサウンズの森さん。なにもかも夢のような話。
僕が大瀧さんに最も近づいた日でした...。
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by hinaseno | 2014-01-25 08:38 | ナイアガラ | Comments(0)