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by hinaseno
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「恋するカレン」について語るときに、僕の語ること(4)


先日のフランキー・ヴァリ&フォー・シーズンズの来日公演に行かれた方々の話をネットのあちらこちらで見て、うらやましいと思う日々。フォー・シーズンズも大瀧さんや達郎さん経由で知って、大好きになったグループ。
達郎さんに「フォー・シーズンズで一番好きな曲は?」と訊かれて、大瀧さんが答えられたのが「Honey Love」。
この曲のことを知った当時、フォー・シーズンズのCDはまだ1枚も出ていなくて(ビーチ・ボーイズも変なのが1枚だけ)、中古レコード屋さんでアナログのベストを見つけたけど、それにも入っていない。数年後に日本でオリジナル・アルバムのCDが出て、ようやく聴けたときには本当にうれしかった覚えがあります。今だったら、YouTubeですぐに聴けるわけですが、そういうのがいいのかどうなのか...。

「Honey Love」を聴いて思ったのは、いかにも大瀧らしいなと。後でわかったのですが、この曲は『ナイアガラ・ムーン』に収められた「いつも夢中」の下敷きになってるんですね(すぐには浮ばない)。初めて聴いたときには「FUN×4」を思い浮かべたのですが、フォー・シーズンズには「Honey Love」以外にも「FUN×4」につながりそうな曲がいくつもあるのがわかって、さらにはフォー・シーズンズ以外にも「FUN×4」につながる曲がいくつも見つかって、「FUN×100」くらいに思えるようになりました。今日書く話もちょこっと「FUN×4」につながります。
ところで「いつも夢中」は大瀧さんの一人多重コーラス(Jack Tones)ではなく、キング・トーンズという実在のグループといっしょに歌っています。
で、今朝からこの曲をリピートしていたのですが、2番の最初の歌詞が聴き取れなくて、初めてこの曲の歌詞カードを見たのですが、こんな歌詞だったんでびっくりしました。
たとえ着てるものがもう 古くなってしまっても

これ、聴き取れる(た)人がいるんでしょうか。

さて、聴き取るといえば、「恋するカレン」の最後に出てくる大瀧さんの一人多重コーラスのメロディ。昨日の段階では「わからない」と書いたのですが、わかりました。個人的には大発見。大瀧さんは、誰か発見してくれないかと待ち続けられていたんではないかと思います。これだけエサを撒いているのにお前たちはだれも気づけないのかと。
ああ、大瀧さんに報告したかった。
でも、報告できたら「間違い」と、一言返事が返ってきたのかもしれませんが。

「恋するカレン」の最後のコーラスに関しては、3年前に行なわれた「ロンバケ30周年記念パーティー」があったときに(大瀧さんはテープに録音された声で参加)、そのパーティーの最後にそのコーラス部分だけを取り出してかけられているんですね。僕なりに思ったのは、そこに「恋するカレン」だけではなく『A LONG VACATION』最大の謎があるんだよという、大瀧さんからのメッセージではなかったかと。埋もれてしまった音の中に隠しておいたけれども、誰も見つけてくれなかった部分。その最後のヒントをその日出されたんだろうと思います。でも、たぶん誰も気づけなかった。

昨日僕は最後にB.J.トーマスの「Rock And Roll Lullaby」にクレジットされた男性コーラスのことに触れて話を終えました。
The Blossomsの次に書かれていた名前はDave Sommerville。

Dave Sommervilleという人はThe Diamondsというホワイト・ドゥーワップのグループのリードボーカル。高い声を担当してるようです。ブライアン・ウィルソンが来なかったので急遽彼を呼んだのか、初めから用意されたのかはわかりません。
The Diamondsというグループは「Little Darlin'」という曲が有名なのですが、実は「Little Darlin'」はThe Gladiolasというグループが歌っていたもののカバー。
「Little Darlin'」がヒットして、The Diamondsはオリジナル曲を歌うことになります。曲のタイトルは「She Say(Oom Dooby Doom)」。実はつい先日も貼っていたのですが、改めて同じものを。



このThe Diamondsの「She Say(Oom Dooby Doom)」は、昨年8月に放送された「アメリカン・ポップス伝パート4」の第4夜にかかっています。
印象に残っているのはこの曲をかけた後の大瀧さんの言葉。曲の中で繰り返される「ウン・ドゥビ・ウン・ドゥビ・ウン・ドゥビ」をメロディに合わせて少し歌ったあと、こう説明されます。
「ウン・ドゥビ・ウン・ドゥビ・ウン・ドゥビ」というお囃子ことばをうまく使った59年、Pop18位の「She Say(Oom Dooby Doom)」でした。B面の曲としてリリースされたのですが、こちらの方がヒットしました。作曲はブルックリン生まれのバリー・マン。作家としては2曲目のヒットですが、初のTop 20入りとなった曲です。
ニール・セダカ、キャロル・キング、バリー・マン、そしてまだ出てきませんがエリー・グリニッチ。全員がブルックリン育ちだったんですね。そして彼らが中心となって作ったのが60年代ポップスだったわけです。

そう、The Diamondsの「She Say(Oom Dooby Doom)」を作ったのはバリー・マン。60年代ポップスにつながる重要な曲だったというわけです。

ところで、「She Say(Oom Dooby Doom)」はもちろん以前から知ってはいたのですが、この「アメリカン・ポップス伝パート4」を聴いてから、ずっと気になり始めていた曲でした。大作からは程遠いバリー・マンの小品。一聴して大瀧さん好みであることがわかります。
すぐに思い浮かぶのが「FUN×4」。「FUN FUN FUN Four Times FUN」と歌われる部分は、明らかにこの曲から引用されているはず。
それから曲のタイトル。文法的には正しくないはずの「She Say(Oom Dooby Doom)」。ここで思い浮かぶのは「Pap-Pi-Doo-Bi-Doo-Ba物語」に出てくる「She Say Wow Wow Wow」。歌詞を書いたのは大瀧さん。ずっと文法間違ってるなと思ってたんですが、この詞を書くときに「She Say(Oom Dooby Doom)」を当然意識していたんでしょうね。
でも、これらはもしかしたら「恋するカレン」の最後のコーラスに隠し込んだものを気づかせるための、エサのようなものだったのかもしれません。

昨日、ブログを書いたあと、改めてYouTubeを見ていたらThe Diamondsが歌っているものが見つかりました(曲が始まるのに時間がかかります)。これを見ててあっと思ったんですね。



Dave Sommervilleはたぶん、一番高い個性的な声を出している人のはず。ソロ・パートを歌った後、必ずどこかへ行っちゃってます(最後はみんなで止めてますね)。ほとんどコミック・ソング。で、そのDave Sommerville(と思われる人)が、他の人たちが「ウン・ドゥビ・ウン・ドゥビ」と歌っているときに出している高い声のメロディ。それが「恋するカレン」の最後の部分で、2回繰り返される「Hushabye」風のメロディの後に出てくるものとどうやら同じ。

おそらく大瀧さんはバリー・マンを意識して作った「恋するカレン」にB.J.トーマスの「Rock And Roll Lullaby」を取り入れようとしたときに、このThe Diamondsのリード・シンガーのDave Sommervilleに目を留めて、それではとバリー・マンがThe Diamondsに作った「She Say(Oom Dooby Doom)」の中の1フレーズを歌うことにしたのではないでしょうか。
でも、きっと誰もわかってくれないと思ったので、『ロン・バケ』のいくつかのコミック・ソング的な曲に、そのヒントをちりばめた、と。

ところで、大瀧さんのコーラスにはB.J.トーマスのものにはないベース・パートが入っています。そちらはたぶん、このThe Belmontsのバージョンを参考にしたのではないでしょうか。
ちなみに僕はB.J.トーマスよりも、こちらのThe Belmontsのバージョンの方が好きです。


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by hinaseno | 2014-01-20 10:26 | ナイアガラ | Comments(0)