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by hinaseno
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Eiichi Time, Each Time, Every Time, and Everly Time


3月21日に30周年記念盤が出る『EACH TIME』と、その作業を終えられて亡くなられた大瀧さんの後を追うように亡くなったフィル・エヴァリー(=エヴァリー・ブラザーズ)のことについてあれこれと思いを巡らせる日々。この偶然にしか過ぎないはずのことが、まるで運命的なもののように思えてしまうことに気づかされることが昨日ありました。単なる偶然であるはずのことが深い物語のひとつであるように思わされてしまう。
大瀧さんに関することは、いつもそんなふうになってしまう不思議。

昨日は久しぶりに一日家でゆっくりできたので、未聴だった「ゴー!ゴー!ナイアガラ」をいくつか聴きました。1976年10月19日に放送された第4回目の男性シンガーの特集と1977年4月12日に放送された第5回目の男性シンガーの特集。曲目リストは見ずに聴いています。
まず最初に聴いた1976年10月19日に放送されたもの。
エルヴィスの「One Broken Heart for Sale」(邦題は「破れたハートを売り物に」。原題もすごいけど、邦題もすごい)から始まります。
途中で、「僕の好きなバラードをかけてみたいと思います」ということで、Jimmie Rodgersの「Secretly」という曲がかかります。昨年、石川さんがブログで紹介されていて知った曲。C-Am-F-Gの循環コードだけで作られているのに、何ともいい曲です。それからこのブログでも紹介した曲もいくつか。後にシリア・ポールとデュエットすることになるリッキー・ネルソンの「The Very Thought Of You」。

で、時間をおいて1977年4月12日に放送されたものを聴いていたら、ちょっと驚きの連続。1曲目にかかったのがDanny Williamsの「White On White」。なんとこの曲、石川さんのブログで、まさに昨日紹介されていた曲。朝起きて最初に聴いたのですが(それが日課)、初めて聴く曲でした。それがいきなりかかってびっくり。

それから2カ月後の6月25日発売されることになるシリア・ポールの『夢で逢えたら』の話が出てきます。レコーディングを終えて、ミックスをし直しているとか。
そんな中でかかったのがエヴァリー・ブラザーズのこの「That's What You Do To Me」。



邦題は「すてきなデート」というタイトルで、日本でだけヒットしたとの紹介。知りませんでした。
「ゴー!ゴー!ナイアガラ」ではふた月程前にケイデンス時代のエヴァリー・ブラザーズ特集をしたばかりなのですが、そのときにかからなかったワーナー時代の曲。

このとき、こんな興味深い話が出てきます。実はこの曲をシリア・ポールとデュエットしてシリア・ポールのアルバムに入れてみたかったと。ただ、アレンジがよくわからなくてできなかったとのことですが、いつかカバーしてみたいと。
でも、結局カバーされることもなく、先日聴いた達郎さんとのデュエットでも歌ってはいませんでした。

...いや、ちょっと待てよ、この曲って。
曲の最初のこの言葉。似たような言葉をどこかで聴いたことがあるじゃないですか!
Bom do-dee bom do-dee bom bom bom ba do-dee
(バン・ドゥ・ディー、バン・ドゥ・ディー、バン・バン・バン・バ・ ドゥ・ディー)

「恋のナックルボール」!
Bom do-bee bom bom bom bom do-bee bom bom bom
(バン・ドゥ・ビー、バン・バン・バン、バン・ドゥ・ビー、バン・バン・バン)



よく聴くと、曲に入った部分のメロディも似ているところがあったりします。こっ、これはでした。でも、ネットでチェックしたら、すでに指摘している人が何人かいました。まあ、改めて考えれば、とてもわかりやすい"引用"をされていますから。

「That's What You Do To Me」という曲はエヴァリー・ブラザーズの『IT’S EVERLY TIME』というアルバムに収められていて、僕は、それと『A DATE WITH THE EVERLY BROTHERS』というアルバムが2in1で収められたCDを最も愛聴していて、最近もずっと聴いていたというのに。わかりやすすぎて気づけませんでした。

ただ、この曲を下敷きにして「恋のナックルボール」を作ったという指摘は間違っていますね。なぜなら「恋のナックルボール」の1st Versionはこうでしたから。



「恋のナックルボール」にスロー・バージョンが存在することは、『EACH TIME』ができた当初から大瀧さんがしばしば発言されていましたが、それを初めて聴けたのはちょうど10年前の20周年記念盤でした。ロジャー・ニコルズ・トリオの「Our Day Will Come」に似た感じで始まるとはいえ、印象はかなり暗いですね。このままの形で『EACH TIME』が発売されていたら、全体的にさらに暗い印象を与えるものになっていたに違いありません。
たぶん大瀧さんも、ほぼ曲がぜんぶ出そろった段階でそれに気づかれたんだと思います。で、なんと発売まであとふた月という1984年の1月11日(気づいたのが1日だけずれました)に「恋のナックルボール」を新たに録り直しをします。それがエヴァリー・ブラザーズの「That's What You Do To Me」タイプのもの。
『EACH TIME』の制作を中断して「Tシャツに口紅」を作って、それから、たぶんリハビリ的な意味で(大瀧さんはよくそれをやっています)、のちに『SNOW TIME』に収録されることになるいくつかの曲を録音。で、かなり気分をリフレッシュできたころに、ふとひらめいたんでしょうね。「恋のナックルボール」を、大好きなエヴァリー・ブラザーズの「That's What You Do To Me」でやろうと。さらにはSEを使って遊びに遊んでいます。
結果的に「恋のナックルボール」は『EACH TIME』の中で、最も明るく、最も楽しい曲に改変されたんですね。これがなかったら『EACH TIME』は、と考えると、『EACH TIME』を最後の最後で救ったのが、エヴァリー・ブラザーズだったということになります。

ところで、「That's What You Do To Me」が収められているアルバムのタイトルは『IT’S EVERLY TIME』。” EVERLY TIME”は、もちろん” EVERY TIME”にかけているはず。考えたら”EACH TIME”と” EVERY TIME”は同義語。”EACH TIME”の”EACH”はもちろん”EIICHI”のこと。ただ、これもすでにネット上で半年ほど前に指摘している人がいました。

話はちょっとそれますが、ちょっとした思い出話。
エヴァリー・ブラザーズの『IT’S EVERLY TIME/A DATE WITH THE EVERLY BROTHERS』のCDを買ったとき、ケースを開けたらCDがぽとっと下に。また、CDを留める部分が壊れているのかなと思ったらそうではなくて、なんと同じCDが2枚重なっていたんですね。ミスにしてはあまりに素敵なプレゼント。
でも、2枚あっても仕方がないので、エヴァリー・ブラザーズなんて聴いたこともないはずの知り合いにあげたのですが。10年以上前の話。
去年、『IT’S EVERLY TIME』と『A DATE WITH THE EVERLY BROTHERS』のCDが、それぞれ単独で日本盤で出ているので、ぜひ聴いてみて下さい。『A DATE WITH THE EVERLY BROTHERS』は「ゴー!ゴー!ナイアガラ」の2度目のエヴァリー・ブラザーズの特集のときに、ほぼ全曲かかっています。1曲目は数少ないフィル・エヴァリーの作った曲。
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by hinaseno | 2014-01-13 10:21 | ナイアガラ | Comments(0)