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Talks About Music, Books, Cinema ... and Niagara


by hinaseno
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12月にバラの花が咲き、林檎の樹に洋なしの実がなるときに


昨夜のアゲインでのモメカルによる大瀧詠一特集のライヴ、大盛況だったようです。僕のブログを読まれている方で行かれた人はいるんでしょうか。僕も本当に行きたかったです。でも、行ってたら涙が止まらない状態になっていたでしょうね。
ところで、ネット上で流れてきたライブの写真、よく見たらモメカルの後に、あのナイアガラ双六が! 
さすが石川さんです。どれだけの人がそのメッセージを受けとられたでしょうか。

さて、話はかわって。
大瀧さんが亡くなられた前日の12月29日の夕方、駅前を歩いていたら数十人の人だかりが。
何だろうと思ってみたら、アマチュアのデュオが歌を歌っていました。しばらく駅前は工事が続いていたので、そういうのを見かけるのは久しぶり。神戸でもそうですが、路上で演奏しているアマチュア・バンドは、近年、圧倒的にデュオが多くなったように思います。
つけていたヘッドフォンを外し、ちょっと彼らの歌うものを聴いてみました。最近テレビでよく聴かれるタイプの音楽。彼ら自身のオリジナルなのか、あるいは彼らの好きなグループのカバーなのか。でも、すぐにそれが僕の心には届かない音楽だということが分かって、そそくさとその場を通り過ぎました。
デュオをやっているくらいだから、少なくともサイモン&ガーファンクルくらいは知っているのかなとは思いつつ、おそらく彼らも、彼らのコピーしていると思われる日本のグループも、もう、サイモン&ガーファンクルも知らなくて音楽をやっているのかなと思ってしまいました。もちろんエヴァリー・ブラザーズなんか知るわけがない。
そして、ストレートと言えば聞こえがいいかもしれないけれど、ちょっと聞くに堪えない言葉の羅列。比喩もなければ、心情を風景に託すこともない…。

そういえばキムタクが主演したテレビドラマの主題歌として『幸せな結末』が大ヒットした数年後、大貫妙子さんのラジオ番組に大瀧さんが出演したことがあって、そのときに大貫さんから「今夜君は僕のもの」という部分の歌詞について、「私たちが音楽をはじめたときは、そんなストレートなことを言わない約束だったでしょ」ってつっこまれて、大瀧さん、ちょっと困っていましたね。「オレも歌うときに、どうかと思ったんだけど」とか言われながら。
ちなみに作詞は松本隆さんではなく多幸福という名前の人。ウィキペディアをみると大瀧さんと当時の番組のプロデューサーの共同ペンネームとなっていますが、基本的には番組プロデューサーの方が書かれていたはずだと理解しています。
その頃すでに、ストレートな言葉でなければ届かない、という状況が生まれつつあったんでしょうね。

歌詞といえば、昨日、エヴァリー・ブラザーズの曲を流し聴きしていたときに、この「When Snowflakes Fall In The Summer」という曲の初めの方で出てきた言葉に思わず耳を留めてしまいました。
”December”そして”apple”。



気になったので、歌詞を調べてみました。
When roses bloom in December
When pears grow on an apple tree
When snowflakes fall in the summer
You'll be true to me

When moonbeams shine in the morning
When sparrows don't know how to fly
When snowflakes fall in the summer
You won't make me cry

You'll never change, I just know it
And there'll never be a summer snow
And darling, it's just as impossible
For me to ever let you go

When spring rain comes in the Autumn
When lemons taste like honeydew
When snowflakes fall in the summer
I'll stop loving you

あり得ないことをいくつも並べて、そんなあり得ないことが起こったときに君を愛することをやめるよ、ということで、逆に君を愛することをやめることは絶対にないってことを歌にしているんですね。彼女が自分のところに戻ってくることも絶対にあり得ないと知りながら。

ちなみにこの「When Snowflakes Fall In The Summer」という曲の作詞はシンシア・ワイル、作曲はバリー・マン。
アメリカン・ポップスの夫婦の3大ソングライター・チームの一つ。
キャロル・キングとゲリー・ゴフィン、ジェフ・バリーとエリ・グリーニッチ、そしてバリー・マンとシンシア・ワイル。この3組の中では、最も叙情的な曲を書いていたチーム。たわいもないポップソングとして作られているのに、ちょっとした歌詞に深みがあります。

大瀧さんはこの3組が等価に自分自身の中にあるとしながらも、次のような興味深い喩えをしていました。
キャロル・キングとゲリー・ゴフィンは「唱歌」、ジェフ・バリーとエリ・グリーニッチは「童謡」、そしてバリー・マンとシンシア・ワイルは「歌謡」。
最初にこの喩えを聴いたときにはよくわからなかったのですが、最近ようやくわかってきました。特にバリー・マンとシンシア・ワイルの「歌謡」ということについて。
その話は、また後日するとして、最後に、先日書かなかった「Crying In The Rain」に関する素敵な話を。

ある年の冬、仲の良かったキャロル・キングとゲリー・ゴフィン、バリー・マンとシンシア・ワイルの2組の夫婦は休暇をとって、同じ車に4人乗っていっしょにスキーに行きます。
その帰りの車中でのこと。ちょっとした競争をするんですね。
どんな競争かというと、どっちのカップルが作った曲がラジオで多くかかるかという競争。その車中での様子を想像するだけでわくわくしますね。
かなりのデッドヒートが続いたそうです。ほぼ互角の勝負。引き分けかな、と思ったときに、最後にかかったのがエヴァリー・ブラザーズの「Crying In The Rain」。
でも、これはキャロル・キングが作った曲ですが、作詞はゲリー・ゴフィンではありません。で、シンシア・ワイルの言葉。
「半ポイントで彼らの勝ち」

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by hinaseno | 2014-01-10 09:32 | ナイアガラ | Comments(0)