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by hinaseno
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なぜか高橋貞二さんのこと


「効率」という名のもとに時代はどんどん進んできて、何もかもが便利になって、そのぶん、時間が作られているはずなのに、その時間は一体どこに行ってしまっているんだろうと思う日々。いろんなことをこなす自分の能力が衰えつつあるとはいえ、知らないうちに時間がどこかに消えています。
個人的には、10数年前から、日常生活のちょっとしたことで「効率」という”うすのろ”とは対抗するようにしてきているのですが、むなしい抵抗なんでしょうか。

今年見た映画も、「効率」とは程遠かった時代の映画ばかり。最も観た回数の多かったのは、やはり小津の『生まれてはみたけれど』。10回くらいは観たでしょうか。それから『早春』も4〜5回は観ました。今は『一人息子』を続けさまに、3回観ているところ。『東京暮色』も3度観ました。
『東京暮色』といえば、『早春』でも”ノンちゃん”役(『東京暮色』では「登(のぼる)」だから「ノンちゃん」と呼ばれてもいいのですが、『早春』の役名は「大造」。なんで「ノンちゃん」と呼ばれてるんだろう?)の高橋貞二のことがいつのまにか気に入ってしまって、特に”暗い”映画である『東京暮色』で、山田五十鈴夫婦が経営している麻雀屋で、長々と有馬稲子のうわさを語るシーンのしゃべり方(深刻な話をあえてあの口調で語らせたのは、もちろん小津の指示なんでしょうね)を、つい使っていることがあります。結構うけます。
その高橋貞二さん、小津の『早春』、『東京物語』と出て、その次の『彼岸花』にも出ているのに、そのあとの小津の映画には出演していないのはなぜだろうと思ったら、『彼岸花』の翌59年に、交通事故で亡くなられていたんですね。市電に激突したとのこと。33歳。若すぎますね。次の『お早よう』でも、きっと役柄が与えられていたはず。
その『お早よう』の主演の佐田啓二(中井貴一のお父さんですね)も、その5年後に、やはり交通事故で亡くなっています。37歳。
小津映画を支えた2人の若い俳優が、まさに高度経済成長期のまっただ中に、その経済成長の象徴ともいえる自動車で亡くなっていたとは。

それはさておき、先日のアゲインでの居島一平さんの一人芸にならって、僕は『東京暮色』の高橋貞二のあの場面でのセリフを覚えようかと思う日々。「効率」という”うすのろ”と闘うために。
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by hinaseno | 2013-12-29 08:53 | 雑記 | Comments(0)