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by hinaseno
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蒲田で『早春』の舞台を”隣町探偵”


モメカルのライブの後篇のゲストは平川克美さん。
「隣町探偵団」の団長によって、ウェブ上でしか拝見できなかった探偵報告を目の前で。
平川さんが題材にされた小津の映画は昭和7年公開の『生れてはみたけれど』。探偵の舞台は平川さんが生まれ育った蒲田周辺。ちなみに『生れてはみたけれど』はサイレントなので音楽はありません。
この写真は石川さんが平川さんを紹介されているところ。目の前に尊敬するお二人のツーショットが。これもやはり夢のような瞬間。こんな日が来ようとは。
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石川さんにとって平川さんは元上司でもあるのですが、愛にあふれたツッコミが連発されます。聞いていた僕もどきどきするような鋭い質問をぶつけられていました。でも、そういうご関係なんですね。うらやましくて仕方なかったです。

こちらは『生れてはみたけれど』の映像を流しながらの説明をされている写真。うれしくて泣けそうでした。
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ただし、今回は平川さんはあくまでゲストで与えられた時間は15分ほど(ちょっとオーバーしていましたが)。とても説明しきれるものではありませんでした。でも、こういう場にいられただけで感無量。
石川さんがぶつけられた質問で最も心に残っているのは「映っているのが目蒲線であるか池上線であるかは、近くに住んでいる僕らにとっては興味深いことだけど、関係のない一般の人にとってはどうでもいいことなんじゃないの」との言葉。
僕は(たぶん)一般の人間からは外れているので、目蒲線か池上線かはとっても大きいこと。理由はうまく説明できないのですが。でも、今は路線も変わっている目蒲線がどれだけ映っているかは、小津の映画ファンでなくても気になることのはず(それが限られた数の人とはいえ)。
ちなみに、翌日僕は池上線と、元目蒲線の両方の路線の電車に乗りました。

平川さんが調べられたことは、来年の夏頃までには本になって出版されるそうです。その元となる書かれたものの冊子(厚みが2センチ以上もあったような)を見させていただきましたが、今から本になるのが楽しみで仕方ありません。本のタイトルは『隣町までの遥かな旅』とのことです。すぐ近くにある遠く離れた場所、ということですね。

さて、東京の2日目。
めったに来れないし、またいつ来れるか分からない東京。行きたい場所はいくつもありました。そんな中、朝早く起きて向かったのは、やはり雑司ヶ谷。ただ、この話はまた長くなりそうですので、正月明けにでも改めて書きたいと思います。
で、 雑司ヶ谷で5〜6kmほど坂を上ったり下りたりして、 次に向かったのは蒲田。岡山の三石とは別の、もう一つの『早春』の舞台を見ておきたかったんですね。蒲田に行く前に『早春』の舞台の一つである五反田も、電車の乗り換えのときに少しだけ眺めました。五反田駅近くに設定されている浦辺粂子のおでん屋は、いったいどのあたりなんだろかと考えながら。
そういえば、自宅に戻ってから『早春』を再度見直して気づいたことなのですが、雑司ヶ谷を歩く時に山手線の目白駅で降りたのですが、目白も『早春』の舞台の一つでした。夫である池部良との関係が悪くなって家を出た淡島千景がしばらくの間泊まっていた友人の家があったのが目白。映画にもちらっとだけ目白あたりの風景が出てきます。

蒲田に着いたのは昼頃。本当は蒲田の辺りに泊まって、あちこち歩き回りたかったのですが、時間が限られていたので、とりあえず蒲田から六郷土手までは歩いてみることにしました。結構重いカバンをさげたまま3kmほどの道のり。

これは東急池上線の蒲田駅から外に出ていきなり見えた風景。
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『早春』のこの場面と重なりました。
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それから少し歩くと、平川さんの「隣町探偵団」にも出てくる黒澤工場跡に作られた富士通の建物が見えてきました。あまりに巨大な建物でびっくり。やはり『生まれてはみたけれど』の舞台のひとつになっている操車場まで行こうかと思いましたがやめて、ひたすら東海道本線沿いを西へ。
『早春』の池部良と淡島千景が暮らす蒲田の家は、川本三郎さんの『銀幕の東京』(バイブルです)によると仲六郷と呼ばれる地区。前から雑色の駅のある辺りがあやしいのではないかと思って、この風景を探しましたが、見当たらない。
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一時近くになったので雑色の駅近くの小料理屋で食事。店の人にこの写真を見せてみましたが、だれもわかりませんでした。〇〇さんに訊いてみたらと、近くの店の主人を紹介してもらう。古くからこの辺りで商売をされている人とのこと。写真を見てもらったら、もう少し六郷土手の方ではと言われました。六郷土手の△△というお店の人に訊けば、たぶんわかると思いますよと言われる。でも、残念ながらその店は閉まっていました。

六郷土手の駅から多摩川の土手に登りました。
池部良と岸恵子が話をするこのシーンがとられた場所がこのあたりのはずだと思いながら(この場シーンの下の方に見える、柵のようなものは何だろう)。
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その撮影風景をとらえたのがこの写真。すごい数の人ですね。
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で、これが僕が行った場所。
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たぶんこのあたりで撮影されたのではないかと思います。「月桂冠」の煙突がどこにあったか、訊けたらよかったのですが、残念ながらこの場所でそういうのを知っていそうな人に出会うことはできませんでした。
そういえば長嶋や王が練習した巨人の多摩川グラウンドもこの近くにあったんですよね。
というわけで、ほんの数時間の"遠く離れた"隣町探偵でした。
あとは平川さんが『生れてはみたけれど』を終えた後に調査されるのを心待ちにします。
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by hinaseno | 2013-12-23 08:46 | 雑記 | Comments(0)